医療ニュース

2010年11月1日(月) ミラクルミネラルソリューションに注意

 ミラクルミネラルソリューションというサプリメントをご存知でしょうか。このサプリメントの健康被害が相次いで報告されたことを受け、10月26日、厚生労働省はホームページで注意喚起をおこないました。

 ミラクルミネラルソリューションは、ミラクルミネラルサプリメントあるいはMMSなどと呼ばれることもあるそうです。この商品の正体は、米国のジム・ハンブル氏により開発された亜塩素酸ナトリウム28%を蒸留水に溶かした水浄化溶液のようです。クエン酸など酸性のものと一緒に摂取し二酸化炭素を生成させることで、免疫力が高まるとされています。

 HIVや肝炎、インフルエンザウイルス、風邪、結核、にきび、ガンなどへの効果が謳われており、さらに体内デトックスの効果もあるとされています。日本国内でも購入者が少なくないそうです。

 ところが実際には、謳われている効果が期待できないどころか、副作用が相次いで大変な問題となっているようです。嘔気嘔吐や下痢、腹痛、脱水症状、血圧低下のほか、腎機能障害や血小板細胞傷害など重篤なものの報告もあるそうです。

 今年(2010年)になってから、FDA(米国食品医薬品局)、カナダ保健省、FSA(英国食品規準局)、ニュージーランド保健省は、ミラクルミネラルソリューション摂取中止と速やかな医療機関の受診を呼び掛けています。

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 厚生労働省の注意喚起は、下記のURLで参照できます。

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kojinyunyu/050609-1.html

 ミラクルミネラルソリューション、このネーミングからしてなにやら怪しげな雰囲気が漂ってきますが、HIVやガンなどを患っている人は、わらにもすがる思いで購入されたのかもしれません。

 当院には、まだこのサプリメントによる被害者は受診されていませんが、世界中で販売されているということは日本国内にも使用者は少なくないのかもしれません。少しでも気になる症状のある人は早めに医療機関を受診されるべきでしょう。

(谷口恭)