医療ニュース

2016年9月2日 ポリオの脅威、東南アジアにもじわり

 ポリオ(急性灰白髄炎)が世界のいくつかの国で急増し、2014年5月にWHOが緊急事態宣言を発表したことを過去に紹介しました(注1)。その後もじわりと感染地域が広がり、ついに東南アジアにも感染者が出るようになりました。

 2016年8月22日のWHOの発表(注2)によれば、現在WHOが感染の可能性があるとしている国は次のとおりです。

・パキスタン:最後の輸出例の報告が2016年2月1日。現在「国外に輸出している国」

・アフガニスタン:最後の輸出例の報告は2016年6月6日。現在「国外に輸出している国」

・ナイジェリア:発生はあるが輸出はしていない

・マダガスカル:同上

・ミャンマー:同上

・ギニア:同上

・ラオス:同上

 現在、パキスタン政府は、同国に4週間以上滞在する外国人にポリオワクチン接種を義務化し、WHOが推奨する国際予防接種証明書の交付を行っています。

 アフガニスタン政府は、WHOの勧告の下、アフガニスタンに入国するポリオ撲滅国(日本も含みます)からの外国人に対し、ワクチン未接種者はアフガニスタン出国にあたりアフガニスタン国内の医療機関でポリオワクチン接種を受けなければならない」としています。

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 パキスタン、アフガニスタンともに手続きが複雑そうです。このような規則は予告もなく変更されますから渡航時には最新情報を入手する必要があります。また、ラオスやミャンマーを訪れる日本人は観光でもビジネスでも年々増えています。

 ではこれら地域に渡航するときにまずすべきことは何でしょうか。ワクチン接種をおこなう前に抗体検査をするのがいいでしょう。ただし、ポリオには3種類あり、すべてを調べなくてはなりませんから、価格は高くなります。私自身も調べてみると、ポリオの2型のみ陽性で、1型と3型は陰性。結局ワクチンを接種することになりました。

 日本人の成人のポリオ抗体陽性率のデータは(私の知る限り)ありません。私の場合、もちろん新生児時に2回の生ワクチンを接種しています。それでも消えていたわけですから、(私だけが特異ということもないでしょうから)、多くの日本人成人はポリオワクチン接種が必要なのではないかと思われます。



注1:下記を参照ください。
医療ニュース2014年5月30日「ポリオが急増、WHOが緊急事態宣言」

注2:下記URLを参照ください。

http://www.who.int/mediacentre/news/statements/2016/10th-ihr-emergency/en/

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2018/05/16

2018年4月17日より本ページで予告していましたように、2018年5月16日より麻疹風疹混合ワクチンの接種は、当院をかかりつけ医にしている方(及び当院に一度でも受診したことのある方)に限定させていただきます。