|
|
| 2008年2月1日(金) |
| はしかが今年も大流行の兆し |
|
|
|
| 2007年11月23日(金) |
| インフルエンザ患者数が急増!学級閉鎖は78施設 |
|
厚生労働省の16日の報告によりますと、今年のインフルエンザは例年よりも早いペースで蔓延していて、休校や学級閉鎖をした学校数は全国で78施設に上っています。これはこの時期では過去10年間で最多になります。
患者数も11月4日までの1週間で、首都圏を中心に1217人に達し、例年より1〜2ヶ月早まっています。
**********
インフルエンザの予防接種の効果は、接種後1〜2週間程度かかると言われています。まだ予防接種をしていない方は早めに医療機関を受診しましょう。
|
|
|
|
| 2007年10月22日(月) |
| ピルは発癌リスクを低下させる |
|
ピルを飲むと癌(ガン)になりやすいのではないか・・・
そのような印象をお持ちの方は少なくないようです。実際、ピル(経口避妊薬)を飲むとガンになりやすいかどいうかは、これまでも何度も研究されており、様々なデータがでています。
ピルを服用すると、乳癌、子宮頸癌、肝癌のリスクが増大するとの研究結果がある一方で、子宮内膜癌、卵巣癌、結腸・直腸癌のリスクが低下するとの報告もあり、全体としての発癌リスクへの影響ははっきりしません。
今回大規模な研究をおこなったのは、イギリス・アバディーン大学一般医療・プライマリケア科のHannaford氏らのグループです。同グループは、ピルに関する長期試験のデータを用い、非使用者に比べ使用者では全体として発癌のリスクが低下するとの仮説の検証を行いました。(詳しくは、「BMJ」という医学雑誌の9月11日付オンライン版に掲載されています)
同グループは、1968年に開始された試験のデータを用いて発癌リスクを評価しています。
その結果、ピルは発癌リスクを増大させず、むしろベネフィット(利益)をもたらすことが分かりました。
非使用者に比べ使用者では、大腸/直腸、子宮体部、卵巣、部位不明の癌、婦人科癌の併発癌などの発現率が有意に低下していました。使用期間が長くなるに従って、子宮頸癌、中枢神経系あるいは下垂体癌のリスクは有意に増大し、子宮体部癌、卵巣癌のリスクは有意に低下していました。
これらの知見をふまえ、同グループ代表のHannaford氏は、「ピルは全体として発癌のリスクを増大させず、むしろベネフィットをもたらす可能性が示唆された」と結論しています。
*********
実際には、国や地域ごとに検証されなければならないのですが、今回の報告はピル使用者(あるいはこれから使用を考えている人)にとって有益な情報と言えるでしょう。
子宮頚癌については、原因がHPV(ヒト・パピローマ・ウイルス)であることが分かっており、今後HPVに対するワクチンが普及すれば、いずれ劇的に減少すると考えられています。(ただし現在世界70ヶ国以上で使用されているこの有益なワクチンは、日本では承認すらされていません)
現時点で、ピルが子宮頚癌や乳癌のリスクを増加させるか否かについてはまだはっきりとしないところがありますが、どちらの癌も定期的な検診で大事に至ることは阻止できます。
ピルを飲んでいる、いないにかかわらず、これらの癌の定期的な検診が重要であることには変わりありません。
|
|
|
|
| 2007年10月16日(火) |
| 酒臭さはガンのもと |
|
飲酒の翌日まで酒臭さが残る人は、食道ガンや咽頭ガンになりやすい・・・
このような報告が国立病院機構久里浜アルコール症センターによっておこなわれました。(報道は10月6日の毎日新聞)
同センターによりますと、酒臭さが残る人は、アルコールが分解されてできるアセトアルデヒドが唾液中から高濃度に検出されることがわかったようです。
一方、唾液中のアセトアルデヒドは、動物実験などからガンを引き起こしやすいことがわかっています。
口の中にはアルコールを分解してアセトアルデヒドを作り出す細菌が生息しています。アルコールを分解する酵素を充分につくれない体質の人は、口の中にもアルコールが長く残り、酒臭さが続きます。その間、細菌の働きで口の中にアセトアルデヒドが作られ続けると考えられます。
同センターは、「飲酒前後の歯磨きやうがいなど、口の中をよく洗うことが、がん予防につながるのではないか」と指摘します。
**********
お酒が弱い人はアルコールを分解できず口の中にもアルコールが残存→口の中の細菌がアルコールを分解しアセトアルデヒドを生成→そのアセトアルデヒドがガンを発生、という説得力のある報告といえるでしょう。
酒臭い人には、うがいをするようアドバイスしてあげましょう。
|
|
|
|
| 2007年10月16日(火) |
| お酒の代わりにコーヒーを、すい臓ガンを予防 |
|
すい臓ガンに関する興味深い研究があいついで2つ発表されたのでご紹介します。
ひとつめは、愛知県がんセンター研究所が今月横浜で開催された日本癌学会で発表した報告です。(報道は9月27日の共同通信)
その発表によりますと、酒を飲むと顔がすぐに赤くなる体質の遺伝子を持つ人は、そうでない人よりすい臓ガンになるリスクが約1.5倍高いそうです。
「お酒に強い・弱い」というのはアルコールが分解されてできるアセトアルデヒドの代謝能力によります。これらは遺伝子で規定されており、日本人の5割はアセトアルデヒドを正常に代謝できます。このタイプは顔が赤くなりません。4割はこの代謝能力が低く、お酒を飲むと顔が赤くなります。残りの1割は、代謝能力がほとんどなく、そのためお酒がほとんど飲めません。
ということは、日本人の4割をしめる「お酒を飲むと顔が赤くなるタイプ」の人がすい臓ガンになりやすいということになります。また、このタイプの人は、日本酒換算で1日1合アルコール摂取が増えると、リスクが3割増すそうです。
もうひとつの発表は、コーヒーとすい臓ガンの関係についてのもので、こちらも今月の日本癌学会で発表されています。(報道は10月9日の共同通信)
この発表は厚生労働省研究班によるもので、「コーヒーを1日に3杯以上飲む男性は、ほとんど飲まない男性に比べ、すい臓ガンになる危険度が低い」、というものです。
調査は、全国9府県の40から69歳の男女約10万人が対象で、1990年から平均約11年の追跡期間中に233人が膵臓がんになっています。
年齢や喫煙などの影響を取り除いてコーヒー摂取量との関係を調べたところ、ほとんど飲まない男性がすい臓ガンになる危険度に比べ、1日に1から2杯飲む男性の危険度はやや低く、3杯以上の男性はさらに低いとの結果で、よく飲む男性ほど危険度が下がる傾向がありました。
女性では特定の傾向がみられず、緑茶では男女とも摂取量とすい臓ガンの関係はなかったようです。
*********
以上をまとめると、お酒を飲んで顔が赤くなる人は、お酒を減らしてコーヒーを飲もう! ということになります。
それにしても、ここ数年のコーヒーに関する発表はほとんどがいいことだらけで、少し気味悪いほどです・・・。
参考:2007年9月3日 「コーヒーは肝臓癌のリスクを下げる」
はやりの病気第22回(2005年12月)「癌・糖尿病・高血圧の予防にコーヒーを!」
|
|
|
|
| 2007年10月16日(火) |
| C型肝炎対策の検査進まず |
|
10月4日の共同通信によりますと、C型肝炎対策として国が2002年度から始めた40歳以上対象のウイルス検査の受診率が、5年間の累計で36%にとどまったことが10月3日、厚生労働省のまとめで分かりました。
この検査は、老人保健法に基づき、40-70歳の主婦や自営業者ら国民健康保険加入者が主な対象です。年1回の「基本健康診査」に合わせ、40歳、45歳など5年ごとの節目に受診できる仕組みとなっています。
2002年度から2006年度までに対象となったのは約2380万人でしたが、実際に受診したのは約863万人です。5年間の陽性率は0.8-1.6%で推移しています。
受診者の4人に1人は、5歳ごとの節目には当たらないものの、過去に肝機能障害を指摘されたり、出産時に大量出血があったりしたため「節目外受診」をしていました。
厚労省はこれまでに受診できなかった人や、新たに40歳になった人を対象に本年度も検査を継続することにしています。
*********
C型肝炎ウイルスの検査は、社会保険加入者に対しても、企業によっては健診でおこなっているところがありますが、企業が従業員の感染症の有無を調べることに問題がないわけではありません。(と、私は思います)
なぜなら、C型肝炎ウイルスに罹患していることが早期に分かったとしても、現在の医療では全員を完全に治療できるわけではなく、感染者の何割かは、いずれ肝硬変や肝癌に移行していく可能性があります。そのような従業員に対して、企業側が(左遷や解雇といった)不利益を与えないかが疑問です。
HIVと同じように、誰もが匿名で、保健所などで無料で受けられるようにすべきだと私は思います。
C型肝炎ウイルスを保有している人は日本に200万人以上いると言われており、多くは自身が感染していることを知りません。すてらめいとクリニックを受診されているC型肝炎ウイルスを保有している人も、ほとんどは自覚症状がありません。
|
|
|
|
| 2007年10月16日(火) |
| 女性はスリムに、男性は肥満に. |
経済産業省が日本人の体格調査をおこなった結果、12年前に比べ、「女性はスリム、男性は肥満」となっていることが分かりました。(報道は10月3日の共同通信)
調査は、衣料や家電、自動車など製造業に必要な寸法や形のデータを集めるため実施されました。2004-06年度に19-80歳の男女約7000人の体形を調べ、前回調査(1992-94年度)と比較されています。
今回の調査では、女性の40歳代で前回調査と比べて身長が2.6センチ伸び157.1センチになったのに対し、体重は1.3キロ減の52.8キロとなっています。20歳代、30歳代、50歳代でも身長が伸びて体重が減り、スリム化が進んでいます。
一方、男性は、40歳代で身長が2.8センチ伸び170.1センチになったものの体重も4キロ増の69.8キロとなっています。体重と身長から算出し肥満度を表すBMI値が24を超え、前回よりもやや太り気味の傾向がみられます。女性とは対照的に30歳以上のすべての年代で体重が増加しています。
**********
すてらめいとクリニックの患者さんをみても、食事指導や運動指導をおこなっている人は、30代以上の男性と20代の女性に多いといえます。指導の内容は、男性にはいかに体重を落としてもらうか、女性には適切な食事と運動で体重をいかに維持(あるいは増加)してもらうか、です。 |
|
|
|
| 2007年10月16日(火) |
| 勤勉がアルツハイマーを予防する? |
|
勤勉、実直な性格や生活様式がアルツハイマー病の発症を抑えるかもしれない・・・
米国ラッシュ大医療センターの研究チームが、米国精神医学専門誌にこのような発表をおこないました。(報道は10月2日の共同通信)
研究チームは、平均年齢75歳の健康な997人を12年間にわたり追跡調査をおこない、176人がアルツハイマー病を発症しました。
対象者に性格テストをおこない、性格とアルツハイマー病発症との関係が分析されています。その結果、「目標達成に熱心に取り組む」「やることすべてに優秀さを追求する」「時間に間に合うよう、ペース配分をする」、といった「勤勉、実直」を示す項目で高得点を挙げたグループは、得点が低いグループに比べ、89%も発症リスクが低いことがわかりました。
さらに、驚くべきことに、勤勉な人では、死後に脳を調べると、アルツハイマー病の特徴を示す病巣があったのにもかかわらず、生前に認知症が現れなかったケースもあったようです。
チームは「勤勉な生活様式によって脳神経が保護されるのかもしれない。発症を遅らせる方法の開発につながる可能性がある」、としています。
**********
すてらめいとクリニックを受診される患者さんは若い方が多く、「目標達成に熱心に取り組む」「やることすべてに優秀さを追求する」などの性格を持ち合わせている人は、うつ状態や不安症、または機能性胃腸症や頭痛・めまいといった心身症を発症することが多いように思われます。
このようなタイプの患者さんに対して、「病気になりやすい性格かもしれませんよ(だからもっとリラックスしましょう)」、と言うことがあるのですが、アルツハイマーになりにくい、というのは興味深いといえます。
|
|
|
|
| 2007年10月16日(火) |
| 薬が効かない結核が年間100人に |
|
薬が効かない「超他剤耐性(XDR)」の結核患者が、2005年に国内で結核を発症した約28,000人のうち約100名もいたことが、財団法人「結核予防会結核研究所」の調査で明らかになりました。(報道は10月14日の朝日新聞)
XDR結核は、薬が効かないだけでなく極めて致死率の高い結核です。世界的にもXDR結核の蔓延が問題になっており、WHO(世界保健機関)は昨年10月から各国に警戒を呼びかけています。
通常の結核であれば、3−4種類の薬を半年ほど飲めば大半は治癒します。途中で服薬をやめてしまうと、複数の治療薬が効かなくなる他剤耐性(MDR)結核が発生します。MDR結核になると、他の薬を使うことを余儀なくされ、治癒するまでに数年かかることがあります。
XDR結核は、こういった治療でも治らない結核で「なす術がない」というのが現状です。
***********
朝日新聞の記事には記載がありませんでしたが、世界的にはエイズを発症した人の間でXDR結核が広がっていることが問題になっています。
参考:NPO法人GINA GINAニュース 2006年9月11日(月)「治療不能」の結核が急増
|
|
|
|
| 2007年9月25日(火) |
| 中国でがん患者が急増 |
|
最近、中国からの輸入食品が危険という情報が世界中で報道されており、中国製品の輸入規制を求める声が強くなっていますが、その中国で大変ショッキングなニュースが報道されました。
9月6日の共同通信によりますと、中国各地でがん患者が急増しているとの報告が相次いでいます。
中国衛生省が5月に発表したデータでは、2006年のがんによる死亡者は前年比約19%増、農村では同約23%増となっています。新華社発行の中国誌「瞭望東方週刊」によりますと、がん患者専門の北京腫瘍医院が昨年診察した患者数は約15万5000例で、これは10年前の3.4倍以上に相当します。妊婦や子供が発症するケースも増加しているようです。
山東省のある村では、2000年以降、16人ががんで死亡し、そのうち5人は今年1月から3カ月間に相次いで死亡しています。近隣の村でもがん患者が増加し、村人は、ゴム工場が垂れ流す汚水や農薬を疑っています。
広東省のある村でも、カドミウムなどの重金属による水質汚染によって、20年間に人口の約10%に当たる約300人ががんなどで死亡しています。黒竜江省大慶市の工業地区ではがん患者に加え、脳障害を患った赤ちゃんが相次いで生まれているそうです。
環境汚染とがんの直接的な関連についての科学的な証明は現時点ではなされていませんが、衛生省の専門家らは淮河流域で行った調査結果として、「汚染物を垂れ流している企業と、がん死亡者が多い地区の分布が一致した」と発表しています。
********
一部の専門家は、環境汚染や農薬、抗生物質の過剰使用による食物汚染などが原因と指摘し「政府による対策が急務」と警告しています。
しかし、中国政府がどこまでこの問題に迅速に適切に対応できるかは疑問です。
とすると、自分の身は自分で守るしかないのでしょうか・・・。
|
|
|
|
| 2007年9月25日(火) |
| 100歳以上が初の3万人突破 |
|
このウェブサイトでの報告が遅くなりましたが、厚生労働省は敬老の日の前日に人口統計を発表し、国内の100歳以上の高齢者が昨年より3,900人多い32,295人となったことが明らかとなりました。
このうち女性は前年同時期よりも3,437人増の27,6822人、男性は463人増の4,613人です。いずれも過去最多で、女性の占める割合は全体の85.7%と1963年の86.9%に次いで高い数字となっています。
都道府県別のデータでは、人口10万人当たりの100歳以上の人数は沖縄県が35年連続トップで57.89人となっています。以下、高知(52.98人)、島根(51.02人)、熊本(45.04人)、愛媛(42.6人)と続き、上位3県の順位は2002年以降変わっていません。
最も少ないのは18年連続で埼玉県(13.05人)です。以下、愛知(15.78人)、千葉(16.32人)、青森(17.08人)、神奈川(17.85人)と続いています。
100歳以上の高齢者は、調査が始まった1963年は153人でしたが、年々増えており、1981年に1000人、1998年に1万人を突破しています。また、男性は27年間、女性は37年間、連続で過去最多を更新しています。
|
|
|
|
| 2007年9月25日(火) |
| カビの多い家に住むとうつ病になる!? |
|
「American Journal of Public Health」という医学誌の10月号に「湿気やカビの多い家に住む人にうつ病が多い可能性がある」という、なんともユニークは研究が発表されました。(報道は8月29日のWebMD Medical News)
この研究は、欧州の8つの国(フランス、ドイツ、ハンガリー、スロバキア、ポルトガル、イタリア、スイス、リトアニア)の約3,000軒の家に住む成人5,800名を対象としています。
被験者は、過去2週間のうつ症状に関する問診表への記入を行い、被験者の9%がうつ状態と判定されています。
同時に、研究者らは被験者の家を訪問し、住居内のカビと湿度を計測し、被験者に自分の家が「管理が行き届いた状態である」と感じるかどうかを尋ねています。
湿気やカビが多い家→貧困層→うつ病、という図式が感覚として浮かびますが、研究者はこれを否定しています。
筆頭研究者のShenassa博士は次のようにコメントしています。
「うつ病に明らかに関与しうる要因(雇用状況や過密等)について統計的に考慮したところ、あらゆる関連が消失するだろうとわれわれは考えた。しかし、事実はまったく逆であった。うつ病と湿気、カビの多い家への居住との間に確固たる関連が認められた」
この研究では、住宅のカビがうつ病の原因となることは証明されておらず、うつ病と住宅のカビのどちらが先なのかを証明できていません。
************
カビが先かうつ病が先かはともかく、この研究結果を踏まえるなら、風通しのいい清潔な家に住むことが心の健康を保つ秘訣と言えそうです。
たしかに、窓を開けて大掃除をした日は気分もすぐれます。
カビが脳内の神経伝達物質に影響を与えてうつ病を誘発する・・・。そんな研究結果がいずれ発表されることになるかもしれません。
|
|
|
|
| 2007年9月25日(火) |
| 自殺の7割は原因が複合 |
|
日本では、1998年から9年連続で自殺者が年間3万人を超えています。(人口あたりの自殺者数は、日本は世界第10位ですが、先進国でみると第1位となります。(2004年9月、WHOの調査))
9月10日は、WHO(世界保健機関)が定める「世界自殺予防デー」ですが、これに合わせ、NPO法人自殺対策支援センターライフリンクが、自殺者の遺族101人に聞き取り調査をおこなった結果を発表しました。(報道は9月11日の共同通信)
発表によりますと、自殺者の約7割は複数の原因が重なって自殺していたことが判りました。調査は、病気、経済・生活、家族、勤務などの原因分類を用いておこなわれ、67件で複数の原因があったとの結果がでています。
**********
自殺の報道をみると、「病苦による自殺」「経済問題による自殺」「イジメによる自殺」・・・、などと表現されていることが多いですが、実際には、そのような単純なものではなく複数の要因が重なり合った結果である場合が多いということなのでしょう。
この結果は、我々医師も注目すべきで、「病苦」だけを考えるのではなく、患者さんの経済、家族、勤務の状況などにも目を遣らねばならないことを示しています。
参考:メディカルエッセィ第27回「なぜ日本人の自殺率は高いのか@」
|
|
|
|
| 2007年9月25日(火) |
| 沖縄で肥満が問題に |
|
かつては長寿県として有名だった沖縄の平均寿命が短くなってきています。
2002年12月に公表された都道府県別平均寿命では、女性は1位を維持したものの、男性は26位に転落しています。(1995年の時点では男性は4位) 今年の12月に発表される2005年度版では女性も1位から転落するであろうとみられているようです。(報道は9月21日のJapan Medicine)
沖縄県の男性の平均余命は、年齢が若くなるにつれて下位に落ちる傾向にあります。65歳以上では1位なのに0歳では26位に転落しています。これは、長野県では各年代で上位を占めるのとは対照的です。女性は各年代にわたって1位を維持していますが、長野県と比較すると若くなるにつれて差が縮小する傾向がみられます。
平均余命が短縮されている最たる要因は「肥満」です。沖縄の男性は各年代でBMI25以上の割合が全国平均を上回っています。女性も20代と40代以上で全国平均を上回っています。また、男女ともに70代以上ではBMI25以上が5割を超え、全国平均と大きな落差をみせています。
疾病の発症率でみてみても、脳出血、心筋梗塞は全国平均を上回っており、糖尿病の死亡率は全国ワースト2となっています。
**********
要するに、沖縄では肥満の深刻化が全国平均を上回っており、それが心筋梗塞や糖尿病を引き起こしているということです。
なぜ肥満が深刻化しているかというと、県民が沖縄伝統料理よりも西洋料理を好むようになってきたからでしょう。
私は80年代後半、旅行会社でアルバイトをしていた関係で、毎年夏は沖縄で過ごしていましたが、どうしても沖縄料理には馴染めませんでした。沖縄料理が食べられなければ、足が向くのはファストフード店か、ステーキハウスとなります。(当時の沖縄のステーキハウスは値段が安くて、普通の定食なら300円台、ステーキを食べても600円程度でした)
沖縄料理の材料をみてみると、例えば気候が似ている台湾の料理とそれほど変わらないように感じます。私は、台湾料理は大好きですが(ついでに言うとベトナムやタイ料理も好きです)、沖縄料理は炒め物も煮物もまったく口に合いませんでした。(私はこの理由を、沖縄料理ではショウガとニンニクがあまり使われていないからではないか、と考えているのですが本当のところはわかりません)
私と同じように感じている人はきっと少なくないでしょう。特に美しい自然を求めて本州から移住したような人たちの間ではなおさらではないでしょうか。
|
|
|
|
| 2007年9月25日(火) |
| 喫煙者は認知症やアルツハイマー病に罹患しやすい |
|
喫煙者は非喫煙者よりアルツハイマー病や認知症を発症しやすい・・・。
このような研究が「Neurology」という医学雑誌の2007年9月4日号に発表され話題を呼んでいます。
研究によりますと、現在喫煙している55歳以上の人は、喫煙経験のない人より50%も認知症を発症しやすいことがわかりました。(この研究は、大規模な一般集団を対象としたオランダのプロスペクティブ(前向き)コホート研究であるRotterdam Studyによるものです)
今回の研究では、研究開始時点で認知症のない55歳以上の被験者6868例を対象に、1990-1992年に面接を実施しています。被験者全例に対して自宅で面接を行い、現在と過去の健康状態、服薬状況、生活習慣、慢性疾患のリスク因子について聴取し、過去と現在の喫煙習慣について質問しています。
さらに、認知症を有することが疑われる人には、神経内科医・神経心理学者による検査を行い、可能であれば脳の磁気共鳴画像診断も実施しています。
**********
この研究で大変興味深いのは、「過去の喫煙と認知症・アルツハイマー病には関係がない」とされていることです。
今年の7月に厚生労働省が発表した喫煙の報告では、「タバコで余命が3.5年短くなる」とされていました。
喫煙している患者さんに、この話をすると「3.5年程度なら問題ない(だからタバコをやめない)」と答える人がいますが、今回の研究が示唆するように、「喫煙者は非喫煙者よりも認知症やアルツハイマー病にかかりやすいけれど、過去の喫煙は関係ない」という報告をよく考えると、これが禁煙のモチベーションにつながるのではないでしょうか。
「命が多少短くてもかまわない」、と答える人も、その(短くなるかもしれない)命は、認知症などとは無縁でいたいと考えているに違いないからです。
|
|
|
|
| 2007年9月3日(月) |
| 美容的豊胸手術は自殺のリスク? |
|
美容的豊胸手術を受けた女性の自殺率は他の女性の3倍で、リスクは術後10年で発現する・・・。さらに、薬物やアルコール乱用による死亡も3倍に・・・。
このような調査結果がスウェーデンで報告され話題を呼んでいます。
この研究は、1965年から1993年に豊胸手術を受け、平均約19年間追跡調査されたスウェーデン女性の他、デンマーク、フィンランド、カナダ、米国での美容的豊胸手術を受けた女性のデータに基づくもので、結果は『Annals of Plastic Surgery』という医学誌の8月号に掲載されています。(報道は8月16日のMedscape Medical News)
豊胸手術を受けた平均の年齢は32歳となっています。
この調査の研究者のひとりは、「美容的豊胸手術を希望している女性には重度の精神疾患に罹患している可能性があるグループが存在し、後に自殺や薬物およびアルコール乱用による死亡のリスクにさらされる可能性があるということに女性と医師たちは留意すべきである」、とコメントしています。
************
研究者のコメントを別の言葉で言えば、「豊胸手術をするから自殺をする」のではなく、「豊胸手術を受ける女性の一部はもともと精神疾患がある」、ということになります。
豊胸手術を受けない精神疾患をもった女性も存在するわけですし、こういう研究によって、豊胸手術を受けた女性に対する偏見が生まれるのではないか・・・、と危惧してしまいます。
|
|
|
|
| 2007年9月3日(月) |
| 日本脳炎のワクチンが供給不足に |
|
日本脳炎の定期予防接種の再開が早くても2009年度にずれ込む見通しとなりました。新しいワクチンの開発が遅れていることがその理由です。
旧型ワクチンは重い副作用が報告されたことから2005年に中止され、従来の予定では、この夏から新型ワクチンが供給されるはずでした。2009年に新型ワクチンが開始されたとしても、予防接種の空白期間が4年以上になってしまい、感染拡大が懸念されます。
日本脳炎は、予防接種法に基づく定期接種の対象で、12歳になるまでに合計4回受けることが努力義務とされています。しかし、旧型ワクチンは運動障害などの副作用の報告があったために、厚生労働省は2005年7月に、自治体に対し「接種の積極的な勧奨をしない」ことを勧告し、ワクチン製造は中止されました。
厚生労働省によりますと、ワクチン製造会社2社が新しいワクチンの開発をすすめており、当初は今年度から供給開始予定とされていましたが、臨床試験で予想外の副作用が確認され、国の製造承認は2009年度以降の見通しとなりました。
希望者は旧型ワクチンの接種を受けることができますが、すでに製造中止となっているため、昨年の使用量の約30万本と同じペースで出荷が続けば数年で在庫がなくなります。
日本脳炎の感染者は、今年4月までの9年間で合計46人となっています。中国・四国地方が全体の43%、九州・沖縄地方が41%です。
***********
日本脳炎は、日本脳炎ウイルスに感染することにより発症します。このウイルスは、ブタ→蚊→ヒトと、蚊(コガタアカイエカ)によって媒介されます。養豚場が近くにある人は特に注意が必要というわけです。
リスクをとって(といってもかなり低いものですが)旧型ワクチンを接種するか、リスクを避けて蚊取り線香や虫除けクリームで対応するかの選択をおこなうべきなのかもしれません。
参考までに、私はNPO法人GINAの活動でタイ国に渡航することがあります。タイでは、地域にもよりますが、マラリアやデング熱の被害が少なくありません。これらの感染症はワクチンがありませんから、私は蚊取り線香や虫除けクリームを必携しています。さらに、できるだけ”蚊帳(かや)”で寝るようにしています。
最近の日本で”蚊帳”を見かけることはほとんどなくなりましたが、今一度、古人の知恵に頼ってみてもいいかもしれません・・・。
|
|
|
|
| 2007年9月3日(月) |
| 京都の女性はメタボと無縁? |
|
京都市が今年(2007年)の5月と6月におこなった調査によりますと、京都の女性がメタボリックシンドロームに該当する割合は、全国推計値の約半分にとどまっています。さらに、メタボリックシンドロームの「予備軍」も6割程度という低い結果がでています。(報道は8月23日の毎日新聞)
今回の調査は市民健診で協力を得られた40歳から74歳の京都市民1,771人(男性509人、女性1,262人)が対象です。
結果は、「積極的支援」が必要な女性のメタボ該当者(65歳未満)の割合が3.1%で、全国推計値(6.0%)の51%、「動機づけ支援」が必要なメタボ予備軍も65歳未満で6.0%と、全国推計値(10.2%)の約6割となっています。65歳以上でみても、全国推計値が15.2%なのに対し、京都市では9.5%と約6割の水準にとどまっています。
BMI(注)をみても、「肥満」の人の割合は、40代で、11.8%(全国平均19.3%)、50代で14.2%(同23.9%)、60歳で17.2%(同29.0%)と、各年代とも全国平均を大きく下回っています。
その一方、男性は「積極的支援」は17.5%と全国推計値24.6%より3割低いという結果が出ていますが、予備群は65歳未満が13.0%(全国推計11.8%)、65歳以上が30.9%(同27.6%)といずれも全国水準を上回っています。
今回の調査に対し、「食や衣などの京都の伝統が影響しているのでは・・・」との推論が出ており、今後理由の分析も検討されるようです。
*********
京都に住む人ではなく、「京都の女性」のみがメタボや肥満と無縁というところがこの調査の興味深いところです。食べているもので男女間にそう大きな差があるとは思えませんし、衣と言っても京都の女性がいつも着物を着ているわけではありませんし、私にはこの理由が皆目検討がつきません。
皆さんはどのように思われますか?
注 BMIとは体重(kg)を身長(m)の2乗で割った数字です。例えば、体重88kg、身長2mの人であれば、88÷2の2乗=88÷4=22となります。以前は、BMIは22がベストとされていましたが、最近の研究では23から25程度が最も長生きするとの報告が多くなっています。
|
|
|
|
| 2007年9月3日(月) |
| 人間ドックの受診者、「異常なし」が過去最低に |
|
日本人間ドック学会は、8月24日、2006年に人間ドックを受けた人のうち、検査項目に異常がなかったのは11.4%と、学会が集計を始めた1984年以来、最低だったことを発表しました。これまでの最低記録は2004と2005年の12.3%でした。
集計対象は同学会などが指定する約800施設で人間ドックを受診した約295万人で、「異常なし」は約33万人にとどまっています。
異常があった項目では食生活や運動など生活習慣に関連が深いものが目立ち、肝機能障害が26.2%と最多となっています。高コレステロール(25.4%)、肥満(24.4%)、高血圧(15.9%)と続いています。
同学会は、外食産業やコンビニの普及により、食物に占める脂肪の割合が増えたことや、サラリーマンのリストラなどによるストレスが生活習慣を悪化させていることが理由と指摘しています。
人間ドックで癌が発見されたのは6817件で、胃がんは前年と同水準、大腸がんと肺がんの割合がわずかに減少したのに対し、前立腺がんと乳がんは微増しています。
*************
すてらめいとクリニックでおこなっている健康診断でも、「肝機能障害」「高コレステロール」「肥満」「高血圧」は、上位トップ4を占めます。そして、これらは同じ人がいくつも該当することが多いと言えます。
いずれの場合も、早期発見をし、生活環境を改善すれば大事に至る可能性が極めて低くなる「異常」です。
少なくとも年に一度は健康診断を受けましょう。
|
|
|
|
| 2007年9月3日(月) |
| コーヒーは肝臓癌のリスクを下げる |
|
以前から、コーヒーの有用性については様々な議論がありますが、最近、「Hepatology」という肝臓関連の医学誌の2007年8月号で発表された研究を報告いたします。(報道は8月14日のMedscape Medical News)
Mario Negri社薬学研究所(イタリア、ミラノ)のFrancesca Bravi, ScDが率いる研究チームが、肝臓癌(肝細胞癌)に関してこれまで報告された研究(南ヨーロッパと日本の対照研究が6件と、日本の研究が4件)を評価・検討しました。その結果、コーヒーをたくさん飲む人は飲まない人に比べて肝臓癌になりにくいという結論が得られました。
同研究所は、「コーヒーが大量に消費される南ヨーロッパとコーヒーを飲む回数が比較的少ない日本の研究から、慢性肝疾患の被験者にはコーヒー飲用が好ましいことを裏付ける明らかな効果が見られた」、とコメントしています。
**********
この研究だけと見ると、「日本人も南ヨーロッパ人のようにコーヒーを積極的に飲んで肝臓癌を防ぎましょう!」ということになります。
たしかに、コーヒーの有用性については様々なところで報告されていますから試してみてもいいかもしれません。ただ、一方で、コーヒーの否定的な研究もありますから摂りすぎには注意した方がいいかもしれません。
参考:
はやりの病気第22回(2005年12月)「癌・糖尿病・高血圧の予防にコーヒーを!」
はやりの病気第30回(2006年4月)「コーヒー摂取で心筋梗塞!?」
|
|
|
|
| 2007年9月3日(月) |
| 百日咳が大人に流行 |
|
百日咳と言えば、子供の病気として有名ですが、最近は大人の間にも増えていることが国立感染症研究所の調査で明らかとなりました。
今年は百日咳に罹患した人の約3割が成人で、これは7年前のおよそ14倍に相当します。成人の罹患者は年々増えています。
同研究所によりますと、全国約3千の小児科定点医療機関から8月12日までに報告された百日咳罹患者は1,409人となっています。年間の罹患者が3,804人とやや大きな流行だった2000年に次ぐ7年ぶりの流行と言えます。
7月22日までの集計では、罹患者のうち6歳未満の乳幼児の割合が年々減少する一方で、20歳以上は一貫して増加しています。成人罹患者の報告は2000年には全体の2.2%でしたが、2004年には9.5%、昨年(2006年)は24.3%と急増しています。今年は7月22日までに30.7%を占め、割合は7年前の14.0倍となっています。
同研究所は、「小児科からの報告しかないために詳細は把握できないが、実際の成人患者はもっと多い可能性もある。幼児期に予防接種をしても徐々に免疫力は低下するので大人も注意が必要」と指摘しています。
百日咳は、今年は大学での集団感染が目立っています。5月には香川大学医学部で学生42人が感染し臨時休講となったほか、大阪府立大学、高知大学医学部でも6月から7月にかけて学生が感染し臨時休講措置がとられました。
***********
感染症の届出には、「全数」と「定点」があります。「全数」に指定された感染症は、どこの医療機関であれ、その感染症に罹患した患者さんを発見すれば届けなければなりません。(届出をしなければ罰則規定があります) HIVや梅毒、エボラ出血熱などがこれに相当します。
一方、「定点」に指定された感染症は、あらかじめ決められた医療機関のみが届出をしなければならないことになっています。百日咳は「定点」です。
したがって、国立感染症研究所が指摘しているように、感染者を発見しても大半の医療機関では届出をおこなっておらず(おこなえず)、実際の感染者は相当多いと考えるべきでしょう。
「長引く咳」のある人は早めに医療機関を受診しましょう。
|
|
|
|
| 2007年9月2日(日) |
| UKの妊婦、「子供を愛せないかも…」が20% |
|
英国にはトミーズという妊娠と出産を支援する慈善事業団体があり、1,100人の妊婦を対象とした調査結果を発表しました。(報道は8月31日の共同通信)
まず、妊娠中にストレスを感じるとした人は全体の88%に上っています。ストレスの原因として、「経済的にやっていけるかどうか心配」が41%、「正しい食事をしなければならないという義務感」が28%、「体形の変化」が27%となっています。
「他人に言えない悩みは何か」との質問に対しては、「出産後にうつ状態にならないか」が31%、「出産後にセックスをしたくなくなるのではないか」が21%、「自分の赤ちゃんを愛せないのではないか」が20%と続いています。さらに、回答者の8%は、「赤ちゃんが欲しいかどうか確信がない」と答えています。
***********
英国の合計特殊出生率(生涯で女性が子供を何人産むか)は、2000年には1.64人まで低下していますが、2003年には1.71人と増加傾向にあります。(それ以降のデータは調べられませんでした・・・) 英国の空前の好景気が出生率の上昇の原因だとみる向きが多いようですが、赤ちゃんが増えれば増えるほど、妊婦や産後のお母さんのストレスが増えるのかもしれません。
参考までに、日本の出生率は2005年には1.26まで低下しましたが、2006年には1.32と大きく上昇しています。この上昇は楽観視できないとする見方も多いようですが、数字にこだわるのではなく、妊婦や産後のお母さん、そして赤ちゃんが過ごしやすい社会をつくることが大切でしょう。
|
|
|
|
| 2007年8月28日(火) |
| 負債のある人は肥満?! |
|
8月23日の毎日新聞によりますと、大阪大学の全国調査(実施は2005年)で、住宅ローンを除く個人負債の有無とBMI(注)の間には、「負債がある人の方がBMIが高い」と推定できる結果が出たそうです。
この研究をおこなった大阪大学社会経済研究所の研究者は、「借金してでも人生を楽しみたい人は負債があって太っている、つまり、『肥満は借金のようなもの』との仮説が立てられる」とコメントしているそうです。
**********
私個人の印象では、「お金持ちはいいものを食べるから太っている」、というものだったのですが、実際はその逆なのでしょうか。あるいは、私が「お金持ち」と思っていたのは、借金してまでいいものを食べている人たちだったのでしょうか・・・。
*******
注 BMIとは体重(kg)を身長(m)の2乗で割った数字です。例えば、体重88kg、身長2mの人であれば、88÷2の2乗=88÷4=22となります。以前は、BMIは22がベストとされていましたが、最近の研究では23から25程度が最も長生きするとの報告が多くなっています。
|
|
|
|
| 2007年8月28日(火) |
| 中年太りがキケン |
|
20歳の頃の体重があなたのベスト体重なんですよ・・・
肥満のある患者さんに対して、我々医師はこのようにアドバイスすることがあります。これは、経験的に正しいと考えられてきたことですが、最近、このことを裏付けるデータが発表されました。
若い頃にやせていた男性が中高年になってから太ると心筋梗塞などの虚血性心疾患にかかるリスクは2倍に高まる・・・
このような調査結果が厚生労働省研究班によって今月発表されました。(報道は8月22日の日本経済新聞)
研究班は、全国の40-69歳の男女約9万人を10年間にわたって追跡調査をおこないました。期間中に男性399人、女性119人が心筋梗塞を発症したり、心臓が原因で急死したりしていました。20歳の頃の体重を調べ、調査時点までの体重変化によって5つのグループに分けて発症との関連を調べました。
BMI(注)が20歳のときに21.7未満で、調査時点の40歳以降に体重が10キロ以上増加していた男性は、体重の増減が5キロ以内だった人に比べて虚血性心疾患にかかるリスクが2倍という結果となっています。
女性の場合は、虚血性心疾患にかかった人の数が少なく、いずれの調査でも肥満との関連は確認できなかったそうです。
*******
注 BMIとは体重(kg)を身長(m)の2乗で割った数字です。例えば、体重88kg、身長2mの人であれば、88÷2の2乗=88÷4=22となります。以前は、BMIは22がベストとされていましたが、最近の研究では23から25程度が最も長生きするとの報告が多くなっています。
|
|
|
|
| 2007年8月22日(水) |
| 父子間でのB型肝炎ウイルス感染が全体の1割! |
|
B型肝炎ウイルスといえば、性感染と血液感染以外に母子感染があります。ですから、通常は、日本を含むすべての先進国では妊婦健診の項目にこのウイルスが含まれています。
一方、父子間での感染というのはこれまで考えられていませんでした。父親がB型肝炎ウイルスを持っていてそれが性感染で母親にうつり、出産で子供にうつる場合は間接的に父子間の感染となるかもしれませんが、この場合は母子感染と類別されます。
ところが、この度、大阪府立急性期・総合医療センターと名古屋市立大の研究チームが、ウイルスの遺伝子解析をおこない、父子間の感染が起きていることを突き止めました。
父子間でどうやって感染が起こるのかという点については、推測の域を超えませんが、研究チームは、傷口が触れるなどの濃厚な接触が、気付かぬうちに父子間で起きているのではないかとみているようです。
さらに、肝炎ウイルスに関する厚生労働省研究班代表の大戸斉・福島県立医大教授(輸血医学)は、「B型肝炎ウイルス感染の1割程度は父子間ではないか。家族内に感染者がいる子どもへは、感染者が誰かによらず保険でワクチン接種できるようにすべきだ」と話しています。(報道は8月19日の毎日新聞)
*********
HIVに比べると、B型肝炎ウイルスはかなり強い感染力をもっていると言えます。実際、医療従事者の針刺し事故では、B型肝炎ウイルスに罹患する確率はHIVのおよそ100倍とも言われています。(C型肝炎ウイルスはその中間)
B型肝炎ウイルスの保有者は関西(大阪)に多いこともあり、すてらめいとクリニックを受診する患者さんのなかにも少なくなく、年齢ではだいたい25歳以上の人に多いといえます。これは、今から25年前あたりから母子感染対策が本格的におこなわれてきたからでしょう。
B型肝炎ウイルスは、傷口が触れただけで感染が成立する可能性が強いわけです。感染予防対策は、まずは自身がウイルスを保有しているかどうかを確認することから始まります。その次に必要なのはワクチン接種です。
|
|
|
|
| 2007年8月11日(土) |
| またもやHIV新規感染が最多、4−6月は270人 |
|
厚生労働省のエイズ動向委員会は7日、今年4月からの3カ月間に国内で新たに報告されたHIV感染者数は270人で、4半期ベースで過去最多だったと発表しました。新規エイズ患者数は110人で過去2位となっています。
これまでの新規感染者数の最多は昨年4-6月の248人でした。
今年4-6月の全国でのHIV検査件数は、37,143件と前年同期に比べ大幅に増加しています。委員会の岩本委員長は「検査件数の伸びが感染者数を押し上げた面はあるが、検査が減少した時期も感染者は増え続けており、感染そのものが増えていると考えざるを得ない」とコメントしています。
感染者270人の内訳をみると、性別では男性が251人と多く、感染経路別では日本国籍男性の同性間性的接触が175人と最多となっています。年齢別では20-30代が76%と大半を占めています。
患者110人のうち男性は103人で、感染経路は、男性同性間の性的接触が45人、異性間の性的接触が38人です。年齢別では30-50代に多いようです。
*********
すてらめいとクリニックでも、HIVはもはやまったく珍しい感染症ではなくなってきています。最近は、他の症状で受診した患者さんに、「なにかかかっている病気はありますか」とお聞きしたときに、「HIV陽性です」と答える人も珍しくありません。
気になる人は是非検査を・・・。
|
|
|
|
| 2007年8月10日(金) |
| 太りすぎは医療費25倍に! |
|
標準体型の男性が20キロ太ると、糖尿病や高血圧になりやすくなり、年間医療費が1.3-2.5倍に跳ね上がる・・・
このような調査結果を京都大学経済研究所が発表しました。(報道は8月9日の共同通信)
同研究所は、2001年の国民健康・栄養調査のデータから約1万人分を抽出し、体重が増えると血糖値や血圧がどのように変化するかを統計的手法で推定し、糖尿病と高血圧の増加に伴う医療費の伸びを調べました。
その結果、体重64キロの男性が20キロ太ると、新たに発症したり持病が悪化したりするなどして、糖尿病に関する医療費が2.5倍、高血圧では1.3倍に増加することが分かりました。女性では54キロの人が17キロ太ると、それぞれ同じ程度の医療費増加が予測されます。
この研究の研究員は、「医療費の一部は健康保険でカバーされるが家計を圧迫する。肥満予防が肝心」と、肥満に対し警告を発しています。
*********
肥満になれば、病気になって寿命を縮めたり寝たきりになったりするだけでなく、家計にも負担がかかります。ボディイメージが損なわれることも大きなストレスとなります。
気になる方はダイエットをしっかりと・・・
|
|
|
|
| 2007年8月10日(金) |
| 独身を貫くと長生き?! |
|
フランス国立統計経済研究所(INSEE)が家族構成と寿命の関係をめぐる調査結果を8月8日発表し、話題をよんでいます。(報道は8月9日の共同通信)
調査は1999年時に40-90歳だったフランス生まれの男女約17万を対象としておこなわれました。結婚しているかどうかにかかわらず、半年以上の共同生活を送る2人をカップルとみなしています。
40-50歳の年齢層をみると、カップルの死亡率は、配偶者と離別・死別した人や独身者のグループに比べて、男性で3分の1、女性では半分にとどまっています。他の年齢層でも同様の傾向となっています。
しかしながら、独身を貫いた高齢者(カップルで暮らした経験が皆無の人)の年間死亡率が7.7%だったのに対し、カップルで暮らす人の死亡率は8.8%という結果がでています。同様に、女性では独身を貫いた人、カップルで暮らす人の死亡率はそれぞれ4.7%、5.0%となっています。
また、子供の数と死亡率との関係では、男女とも子供が2人いる人の死亡率が低く、子供の数が2人より多くても少なくても死亡率は高くなる傾向が確認されています。
***********
この報告をまとめると、長生きする順番は、生涯独身を貫く人、カップルで暮らす人、別れた人、となります。
報道からはこの理由は分かりませんが、みなさんはどのように思われますか。
|
|
|
|
| 2007年8月8日(水) |
| クリニックの院外処方が5割以上に |
|
8月7日の共同通信によりますと、医療機関が患者に処方せんを出し、外部の薬局が薬を渡す「院外処方」の割合が診療所で初めて5割を超えていることが、厚生労働省の2006年の「社会医療診療行為別調査」で分かりました。
院外処方率は診療所で前年に比べ2.2ポイント増の51.7%。病院でも1.2ポイント増の62.3%で、医療機関全体では1.8ポイント増の54.6%となりました。
*********
意外に知られていませんが、医療機関からみれば、院外処方の方が利益を得られる仕組みになっています。こういう理由もあって、院内処方から院外処方へのシフトが進んでいるのかもしれません。
しかしながら、患者側からみれば、高くつくのは院外処方でありますから、院内処方を希望される人の方が圧倒的に多いような印象を受けます。
実際、すてらめいとクリニックでは、院内処方・院外処方のいずれかを選択してもらうようなシステムにしていますが、院外処方を希望する人はほとんどいません。
|
|
|
|
| 2007年8月4日(土) |
| 日本の医師不足が浮き彫りに |
|
医師の数が少なすぎる!というのは、勤務医であれ開業医であれ、ほとんどの医師が日々感じていることですが、先日、経済協力開発機構(OECD)が発表したデータでそれが浮き彫りとなりました。
OECDが先月発表した「ヘルスデータ2007」によりますと、人口1000人当たりの医師数は、日本はOECD加盟30ヶ国中27位の2.0人と、OECD平均の3.0人を大きく下回っています。
一方、1年間に医師の診察を受ける回数は、国民1人あたり日本は13.8回で、データのある28ヶ国中で最多となっています。これは、少ない医師で多くの診察をおこなっていることを意味しています。
また、高度な医療機器の数が飛び抜けて多いのも日本の特徴のようです。人口100万人当たりのCTの設置数は、日本は92.6台で、2位以下と大差をつけ、OECD平均のおよそ4倍にも相当します。同様にMRIでも日本は1位となっています。
これに対し、乳がんの発見に役立つ乳房エックス線撮影(マンモグラフィー)を過去1年間に受診した50-69歳の女性は、日本はわずか4.1%です。これはデータのある25ヵ国中最低となっています。
日本の1人当たりの医療費は、2,358ドル(約28万円)と30ヵ国中19位で、これは先進7ヶ国では最低となっています。
**********
以上をまとめると、日本の医療の特徴は、少ない費用で少ない医師が多くの診察をおこない、予防に力を入れず、先進医療にお金をかけすぎているということになります。
現在日本政府は医療費抑制を目指していますが、予防医療をおこなう医師数を増やすのが日本にとって最も有益な選択ではないでしょうか・・・。
|
|
|
|
| 2007年8月4日(土) |
| 大腸がんの予防、男性ビタミンB6、女性はコーヒー |
|
男性はビタミンB6の摂取、女性なら1日3杯以上のコーヒー、さらに日光浴は男女とも大腸がんの予防につながる・・・
厚生労働省の研究班がこのような調査結果を報告しました。
研究班は9府県の40-69歳の男女約96,000人を調査しました。コーヒーを1日3杯以上飲む女性は、ほとんど飲まない女性に比べ、大腸がんになる危険性が約3割低く、粘膜を越えて進行する結腸がん(結腸浸潤がん)に限ると、3杯以上の女性は飲まない女性より56%も低いという結果がでています。男性では、大腸がんとコーヒーの関連は見られなかったそうです。
一方、男性では、魚やナッツに含まれるビタミンB6が効果を示しています。男女約8万人を調査し、1日当たりのB6摂取量で男性を4グループに分け、大腸がんとの関係を比べています。その結果、最も摂取量が少ないグループは、他のグループより危険性が30-40%高く、週に日本酒約7合以上飲む男性でも、B6摂取は効果がありました。女性ではB6との関連は認められていません。
また、男女約4万人を対象に、体内のビタミンDの貯蔵量別に4グループに分け、直腸がんとの関係を調べたところ、最も少ないグループは最も多いグループに比べ、男性で約4.6倍、女性で約2.7倍も直腸がんになりやすいことが分かりました。ビタミンDは紫外線によって体内で多く合成されるため、適度な日光浴が、直腸がん予防につながる可能性があるとみられています。
*********
コーヒーががんの予防になるという結果は世界的に最近よく報告されますが、今回のように男女で差があるというのは私の知る限り初めてです。
参考:はやりの病気第22回 「癌・糖尿病・高血圧の予防にコーヒーを!」
|
|
|
|
| 2007年8月4日(土) |
| 成人男性の3割が肥満! 東京都の調査 |
|
健康増進法に基づき東京都が2005年に実施した都民の健康・栄養調査で、成人男性の3割が肥満と認定されたことが東京都福祉保健局のまとまで分かりました。(報道は7月25日の毎日新聞)
この調査は、2005年の11月に実施されたもので、東京都内253世帯の594人が対象となっています。
調査によりますと、男性の29%、女性の15%が肥満との結果がでています。メタボリック症候群についても、女性より男性に多く、男性の19%が「強く疑われる」、25%が「予備軍」となっています。特に40歳以上75歳未満では、「疑われる」が21%、「予備軍」が29%と、この世代の半数が、現在または将来、メタボリック症候群となる可能性が高いということになります。
また、栄養摂取調査では、1日当たりの平均野菜摂取量が男性305グラム、女性303グラムと、いずれも必要摂取量の350グラムを大幅に下回っていることが分かりました。一方、脂肪摂取量は過剰傾向で、男女とも30-60代の半数以上は、1日の摂取エネルギーのうち脂肪エネルギーの占める割合が、適正値の20%台前半を超えていることが分かりました。
********
日々の診療でも、中年以降の男性に肥満が多いな、という印象がありますが、40代以上の半数がメタボリック症候群になっている(または将来なるかもしれない)という数字には驚かされます。
しかし、すてらめいとクリニックの患者さんのなかには数ヶ月で10キロ以上のダイエットに成功した人が何人もおられます。
みなさん、諦めないで頑張りましょう!!
|
|
|
|
| 2007年8月4日(土) |
| タバコで余命が3.5年短縮 |
|
タバコを吸う男性の40歳の時点での平均余命は、吸わない男性より3.5年短い・・・
このような研究発表を厚生労働省の研究班がおこないました。(報道は7月24日の共同通信)
研究班は、1980年に全国300ヵ所の保健所で健康診断を受けた30歳以上の男女のうち、9625人(男性4237人、女性5338人)に対する追跡調査をおこないました。このうち、1999年までに死亡した約2000人の喫煙の有無、年齢別の死亡率などを基に全調査対象者の平均余命を算出しています。
その結果、健診時にタバコを吸っていた男性は2,666人(喫煙率63%)で、40歳の平均余命は38.6年、もともと吸っていなかった777人については42.1年で3.5年長くなっていました。また、以前は吸っていたけども健診時に禁煙していた794人の余命は40.4年となっています。
男性喫煙者のうち、1日の本数が「1箱未満」の40歳の平均余命は39年、1−2箱は38.8人、2箱以上は38.1年と、本数が多いほど余命が短くなる傾向となっています。
一方、女性の喫煙率は9%で、喫煙者(476人)の40歳の平均余命は43.4年、非喫煙者(4793人)は45.6年と2.2年の差がありました。
*********
喫煙者の寿命が短いというのは予想通りでしょうが、あらためて数字を示されると、その深刻さが浮き彫りとなります。
3.5年もの月日があればかなりのことができるはずです。
|
|
|
|
| 2007年8月4日(土) |
| アトピーの新薬がアメリカで話題に |
|
現在、アメリカではMAS063DP(商品名はAtopiclair)という非ステロイド性のクリーム剤がアトピー性皮膚炎に効果があるとの研究発表がおこなわれ話題を呼んでいます。
先日シカゴで開催された小児皮膚科学会で、この新しいクリームに対する研究報告が発表されました。(報道は8月1日のMedscape)
研究ではMAS063DPを生後6ヶ月から12歳の小児69人に1日3回、43日間外用し、77%に効果が認められています。一方、対照群には、MAS063DPの有効成分を含まないクリームを使いこちらの有効率は0%でした。
副作用については合計116件報告されましたが、有害事象はすべて軽症ないし中等症だったそうです。
*********
アトピー性皮膚炎の患者さんには朗報かもしれませんが、安心して使用できるまでにはさらに多くの研究が必要となるでしょう。また、この薬の費用は相当高いらしく、この点も解決しなければならない問題であるといえます。
|
|
|
|
| 2007年8月4日(土) |
| 13歳と18歳にもはしかのワクチン接種 |
|
今年のはしかのアウトブレイクを反省し、厚生労働省の検討会は、8月1日、来年度から予防接種法に基づくはしかのワクチンの追加接種を13歳と18歳におこなうことを決めました。
厚労省によりますと、追加ワクチン接種は2012年度まで5年間の時限措置として実施します。年間約240万人が対象で、接種費用は基本的には公費負担となります。
また、同年までに国内の流行をゼロにすることを目標とし、そのためにはしかの罹患者を全数把握するなどの対策も併せて決定しました。
はしかの予防にはワクチンの2回接種が有効とされ、昨年からは予防接種法に基づき小学校入学までに2回の接種を終えることになっていました。ところが実際には2回目の接種率が大変低く、さらに今春、接種が1回だった10-20代を中心にはしかが流行し、大学や高校で休校が相次ぎました。
今回の措置は、中高生にワクチンを集中的に追加接種し免疫力を高めるのが狙いです。計画通りに進めば5年後には、学校などで集団感染する恐れのある22歳以下は免疫がつくことになります。接種には風疹(ふうしん)との混合ワクチンを使用し、風疹対策も同時に実施する予定です。
********
このウェブサイトで何度か指摘しましたが、海外でははしかのワクチンは以前から2回接種するのが一般的です。お隣の韓国もワクチン2回接種を徹底したおかげで現在ではほとんど発症がありません。日本も早く”先進国”の仲間入りをしたいものです。
参考:はやりの病気 第46回 「はしかの予防接種率はなぜ低いのか」
|
|
|
|
| 2007年7月30日(月) |
| 肥満は伝染する?! 米国の大規模調査 |
|
友人や兄弟、妻や夫が肥満になれば、自らも肥満になる・・・
このような調査結果を、米国ハーバード大学などの研究チームが医学誌に発表し話題を呼んでいます。(報道は7月26日の共同通信。発表された医学誌の名称は報道されていません)
研究チームは、米国マサチューセッツ州でお互いに関係のある成人約12,000人の集団を約32年間にわたって追跡調査をおこないました。BMI(*1)が30以上の肥満となった人を取り巻く人間関係と、相手のBMIなどとの関係を統計的に解析しています。
その結果、友人が肥満になった人は、そうでない人に比べて肥満になる危険性が57%増加していることが分かりました。兄弟であれば40%、配偶者であれば37%の増加です。
さらに興味深いのが、男性の友人同士だと危険性は100%になるのに対し、女性の友人同士であれば38%にとどまり、また異性の友人同士では相関関係はないそうです。
研究チームは、「肥満への抵抗感がなくなってしまうことが一因で、先進国で社会問題となっている肥満が、親密な人間関係の中で広がる側面があることを示す結果だ」と | | |