腟カンジダ症(カンジダ性腟炎)

カンジダは真菌で、分かりやすく言えばカビの一種です。腟内に感染しかゆみをもたらします。白っぽいオリモノが増えることもあります。この白っぽさは、酒かす様、ヨーグルト様などと表現されます。

診断は通常顕微鏡ですぐに分かりますが、顕微鏡で分かりにくければ培養検査をおこなうこともあります。この場合1日程度で結果が分かります。

治療は、抗真菌薬の腟錠を使います。ひどければ内服薬を用いることもありますが、通常は腟錠のみで充分です。

腟カンジダ症が他の性感染症と異なる点は、性交渉がなくても感染しうる、ということです。これは、カンジダは腸管の中に棲息していることがあるからで、肛門から会陰部を通って腟の中までやってくるというわけです。特に、抗生物質を内服しているときには腸管内の細菌が死滅し、代わりに真菌であるカンジダが増殖するので、腟カンジダ症が起こりやすくなります。ちょうど、赤ちゃんに抗生物質を飲ませると、肛門周囲にカンジダ性皮膚炎が起こりやすくなるのと同じ理屈です。

あなたが男性で、もしもあなたの彼女が腟カンジダ症になったとしても、すぐに浮気を疑わないように注意をしましょう。

参考:
GINAコラム「カンジダをきたす3つの要因」

カンジダ性亀頭炎

腟カンジダ症が性感染でない場合があるのに対して、カンジダ性亀頭炎は性感染であることが多いと言えます。しかしながら、小学生の男の子でもカンジダ性亀頭炎を起こすことがありますから、必ずしも性感染というわけではありません。特に、包茎の人は性交渉がなくてもカンジダ性亀頭炎をおこしやすいと言えるでしょう。

検査は顕微鏡でおこないますが、この場合は検査をしなくても視診だけで診断がつくこともあります。

抗真菌薬の外用薬で治癒しますが、炎症の強いときは一時的にステロイド外用薬を処方することもあります。