花粉症対策2008
花粉症の季節がやってきました。年々増えていると言われているアレルギー疾患のなかでも花粉症はその最たるものです。それほど”ありふれた”花粉症ですが、医療機関を受診したことがないという人もまだまだ大勢おられます。花粉症はたしかに長期間お付き合いしなければならないことが多い疾患ですが、最近は効果が高く副作用の少ない薬剤が普及したことにより苦しみから解放される人が増えてきました。ここでは、よくある質問に対してQ&A方式でお答えしたいと思います。
Q1 今年の花粉は多いの? 少ないの?
Q2 今年の花粉はいつからなの?
Q3 症状が出てから医療機関にかかればいいのですか?
Q4 花粉症の治療にはどのようなものがあるのですか?
Q5 目もかゆくなるんですが・・・
Q6 日常生活で気をつけるべきことはありますか?
Q7 薬以外の治療方法はないのですか?
Q8 スギとヒノキ以外にも花粉症はあるんですか?
Q1 今年の花粉は多いの? 少ないの?
A1 スギやヒノキの花粉を飛ばす雄花は、7月の気温と日照時間に影響を受けます。昨年(2007年)は、気温は平年よりやや低く、日照時間も少なかったようです。ということは例年に比べて花粉量は少ないということになります。しかしながら、この予測は必ずしも当たるとは限りません。8月の猛暑と日照時間の長さが7月の分をカバーした可能性が強いからです。「平年よりやや少なめ」とみる向きが多いようですが、毎年”平年値”が上昇しているために油断は禁物を考えるべきでしょう。
Q2 今年の花粉はいつからなの?
A2 花粉が飛び散り始める時期(飛散開始日)は、例年並みかやや早いと予想されています。関東から西の地域は2月上旬から飛び始めると予想されています。
Q3 症状が出てから医療機関にかかればいいのですか?
A3 症状が出現する前に受診をするのが望ましいと言えます。また、症状が出てからでも受診は早ければ早い方がいいと言えます。血液検査は症状が出現する前におこなうべきですし、治療開始が早ければ早い方が、薬が効きやすいからです。それに、花粉症がピークになると、患者さんが一気に増えますから、早めに来ていただく方がゆっくりとお話ができるということも、早めの受診を薦める理由です。
Q4 花粉症の治療にはどのようなものがあるのですか?
A4 標準的な治療で最初に使用するのは第2世代の抗ヒスタミン薬です。これは、従来の(第一世代の)抗ヒスタミン薬に比べると、眠気の副作用が大幅に減少しています。それ以外の副作用もほとんどなく、大変便利な薬です。また、最近は口の中に含むとサッと溶けるタイプのものも普及しており、これだと内服するときの水が不要です。患者さんにも好評で、当クリニックでも処方をおこなっています。ただし、抗ヒスタミン薬には欠点もあります。それは、妊婦は服用できない、ということです。そのため、妊婦の方に対しは患者さんごとに対策を考える必要があります。
第2世代の抗ヒスタミン薬に次いでよく使われるのが、ステロイドの点鼻薬です。これも非常に効果があり大変便利な薬です。注意点は、効果が出てくるまでに丸一日程度かかるということです。それと鼻づまりがあると薬が吸収されにくくなるので、やはり早い時期から使用を始めることが大切です。ステロイドの点鼻薬は1日2回定期的に使用することが大切です。
一方、速効性のある点鼻薬もあります。これは血管を収縮させる作用のある薬剤で、鼻づまりによく効きます。あまり高頻度に使用すると動悸やめまいなどの副作用が出現しますから、症状の強い方に対してどうしても必要なときだけ短期間に限定して使用してもらうようにしています。
Q5 目もかゆくなるんですが・・・
A5 花粉症は花粉によるアレルギー疾患ですから、鼻だけでなく目にも症状が現れることがあります。また、皮膚に症状の出る人もいます。したがって、全身を見据えた治療をおこなっていく必要があります。通常、目には抗ヒスタミンの点眼薬を使用し、ステロイドの点眼薬までが必要になるケースはそれほど多くはありません。また皮膚症状のある人には期間を限定してステロイドの外用薬をすすめることがあります。
Q6 日常生活で気をつけるべきことはありますか?
A6 まずおこなっていただきたいのは、花粉飛散情報を把握することです。花粉飛散情報はいろんなウェブサイトで公開されていますので、インターネットができる環境にある人であれば情報入手はそれほどむつかしくないと思います。様々なウェブサイトで情報が提供されていますが、環境省のホームページ内にある「環境省花粉情報サイト(
http://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/)」が詳しいかと思います。
花粉飛散情報を基本にして、外出時には、マスク・メガネ・帽子の着用をおこないましょう。帰宅したときは、まず衣服についた花粉を取り除き、手洗い・うがい・洗顔をおこなうようにしましょう。また、家の中に花粉が入らないような対策も必要です。
Q7 薬以外の治療方法はないのですか?
A7 スギ花粉に対しては免疫療法というものがあります。有用性も認められていますが、長期間の通院が必要なこと、安全性の検討が充分に必要なことなどから、極めて専門性の高い治療法であると言えます。現在当院ではおこなっておりません。また、手術も治療の選択枝のひとつですが、当院ではおこなっておりません。
Q8 スギとヒノキ以外にも花粉症はあるんですか?
A8 あります。2月から4月のスギ、3月から5月のヒノキが最も有名ですが、稲(4月から10月)、ブタクサ(8−9月)、ヨモギ(10−11月)などの花粉症もあります。その他にも花粉症をきたす植物はありますし、地域によっても異なりますから、他のウェブサイト(例えばグラクソスミスクラインが提供するbiennet.jp(
http://biennet.jp/)をご参照ください。
2008年1月21日
すてらめいとクリニック
院長 谷口恭