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| 2008年11月18日(火) |
| 米国、米喫煙率が2割を切る |
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CDC(米国疾病管理局)は11月13日、米国内の喫煙率が昨年(2007年)、初めて20%を下回ったことを発表しました。(報道は11月14日の読売新聞)
CDCのこの調査は、米国の成人約2万人の面接調査から分析をおこない、全米の喫煙者を4,340万人(19.8%)と推計しています。
男女別の喫煙率は、男性が22.0%、女性が17.4%となっています。高齢者より若年者の喫煙率が高く、人種差も認められますが、全体的には高学歴の人ほど喫煙率が低い傾向にあります。
CDCの担当者は、ロイター通信に対して「たばこ業界は、誤解されそうな情報を流すが、教養のある人ほど惑わされない」とコメントしているそうです。
この喫煙に関する調査は、1960年代に始まり、この40年間は継続して減少傾向にあります。禁煙が進んだ理由として、CDCは、禁煙治療の普及、公共の場での禁煙、増税によるたばこの値上がり、などを挙げていますが、10年前に比べると減少のペースは鈍っているようです。
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JT(日本たばこ産業)による最新の日本人の喫煙率は25.7%(男性39.5%、女性12.9%)ですから、日本人の喫煙者は米国と比較して男性に多いということになります。
参考:2008年10月27日「喫煙率が13年連続で過去最低更新」
(谷口恭)
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| 2008年11月13日(木) |
| 大阪、今年のHIV感染すでに200人超え |
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大阪府によりますと、今年(2008年)のHIV感染者の新規届出が11月2日時点ですでに203人に上っており、過去最多だった昨年(2007年)の188人を超えていることがわかりました。(報道は11月12日の日経新聞夕刊)
また、大阪府は献血でのHIVの陽性が判明する率が全国で最悪となっています。今年1月から9月までの献血者10万人当たりのHIV陽性者は6.911人で、全国平均(2.275人)の3倍以上です。
大阪府立公衆衛生研究所の川畑拓也主任研究員は、「リスクの高い性交渉による感染が若い世代で広がっている恐れがある」とコメントしています。
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献血で判明する率が多いことからも明らかなように、最近は、自身が感染していることにまったく気づいていない症例が増えてきているように思われます。発熱や皮疹でクリニックを受診して、それがHIV感染だったというケースもあまり珍しくなくなってきています。
”思い当たることのある”人は一度検査を検討してみましょう。
(谷口恭)
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| 2008年11月6日(木) |
| タイでマラリアが急増 |
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太融寺町谷口医院には、海外から帰国したばかり、なかでもタイから帰国したばかりという患者さんがなぜか少なくありません。
そのタイで今、マラリアが流行っています。
11月4日のThe Nation(タイの英字新聞)によりますと、今年の1月から9月までにタイ全国でマラリアの診断・治療を受けた人は4万人以上になります。
4万人を詳しくみてみると、20,506人はタイ人、20,803人は近隣諸国からの出稼ぎ外国人(migrant workers)です。
タイ疾病予防局(DDC)局長のソムチャイ医師は、「チャンタブリ、ターク、カンチャナブリの3県で出稼ぎ外国人のマラリア患者が増加傾向にある。来年は感染者がさらに増加することが予想される」とコメントしています。
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参考までに、県別のデータでは、ターク県(北部)が4,471人で最多、ヤラー県(南部)3,971人、ナラティワート県(南部)1,284人と続きます。これら3県は日本人観光客があまり行かないところだと思いますが、以前からバンコクでもマラリアはコンスタントに報告されていることをお忘れなく・・・。
(谷口恭)
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| 2008年11月6日(木) |
| 早食いと満腹で肥満のリスクが3倍に! |
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早食いで、かつ満腹になるまで食べる食習慣のある人は、過体重(肥満)になる率がそうでない人に比べて3倍も高い・・・
これは、『British Medical Journal』という医学誌の10月22日号(オンライン版)に掲載された日本の研究です。(報道は10月22日のHealth Day News)
今回の研究では、年齢30〜69歳の男性1,122人、女性2,165人が食習慣に関する質問票に回答し、男性の50.9%、女性の58.4%は「満腹になるまで食べる」と答え、男性の45.6%、女性の36%が「早食いである」と答えています。
早食いで満腹になるまで食べる人は、BMI(ボディ・マス・インデックス)(注)と総エネルギー摂取量が高く、満腹になるまで食べず早食いでもない人に比べて、過体重である確率が3倍高いという結果がでています。
研究を行った大阪大学予防環境医学教授の磯博康氏らは「早食いと満腹になるまで食べることは、“過体重に対して超相加的効果(supra-additive effect=相乗効果)”を持つことが示された」と結論付けています。
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感覚的にこのことは理解しやすいと思われます。肥満を避けたければ、まず、「早食い」、「満腹まで食べる」のどちらかを止めるべき、ということになります。
注:BMIは、体重(キログラム)を身長(メートル)の2乗で割った数字です。例えば、体重88キログラム、身長2メートルの人なら、88÷2の2乗=88÷4=22ということになります。最も健康的なのは、BMI22〜23くらいだと言われています。
(谷口恭)
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| 2008年10月27日(月) |
| 喫煙率が13年連続で過去最低更新 |
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JT(日本たばこ産業)が10月23日に同社の喫煙率調査の結果を発表しました。成人の喫煙者は、2008年5月時点で、前年より0.3%低い25.7%となり、13年連続で過去最低を更新していることになります。
この調査は、全国の成年男女3万2千人を対象に実施されています。有効回答率は63%で、男性の喫煙者は前年より0.7ポイント低い39.5%で17年連続の低下、女性は0.2ポイント増の12.9%で2年連続上昇しています。
JTは、喫煙率低下の原因として、「高齢化による健康への意識の高まりと、喫煙規制の強化などが要因」とコメントしています。
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喫煙率が13年連続で低下しているといっても、男性だけでみれば全体の約40%が今でも喫煙しているわけですし、女性の場合は2年連続の上昇です。
「13年連続過去最低更新」と言われても全面的には喜べないようです・・・
私も元喫煙者ですし、今でも吸いたくなることがあって、喫煙者の気持ちがわかるつもりですが、やはりたばこをやめたい人を応援したいと思います。
(谷口恭)
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| 2008年10月27日(月) |
| 米国、子供のアレルギー増加 |
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米国CDC(疾病管理局)は、10月22日、昨年(2007年)、国内で約300万人の子供が食物アレルギーを発症したことを発表しました。(報道は10月23日の共同通信)
CDCによりますと、発症者は10年前に比べると18%も増加していることになります。
この調査は、全米の約1万人の子供を対象とした調査がもとになっています。2007年は18歳未満の3.9%に相当する約300万人が何らかの食物アレルギーを発症していますが、10年前の1997年は3.3%に当たる約230万人でした。
食物アレルギーの原因は、牛乳、卵、ナッツ類、魚類、大豆、小麦で全体の9割を占めています。
年齢別にみてみると、5歳未満では4.7%ですが、5歳以上では3.7%と減少しており、成長に伴って減っていく傾向にあるようです。
また、注目すべきなのは、食物アレルギーを発症した子供は、そうでない子供に比べて、アトピー性皮膚炎やぜんそくの発症が2〜4倍多いという結果です。
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米国と同様、日本でもアレルギー疾患が増加しており、子供では特に顕著です。原因として、環境や食生活の変化などが言われることもありますが、現時点では、はっきりと「このようにすればアレルギーを防げます」という対策はありません。今後の研究に期待したいところです。
(谷口恭)
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| 2008年10月24日(金) |
| 「つけ爪」で化膿、被害相談が急増 |
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国民生活センターは10月16日、プラスチック製の人工爪を専用の接着剤などで爪の上にはり付ける「つけ爪」に関する被害相談が増えていることを発表しました。(報道は10月20日の読売新聞)
同センターによりますと、つけ爪の相談は1998年度以降、2008年10月1日までに計38件寄せられています。特に、ネイルサロンや自分でつけられる専用材が増えた2006年度以降に急増しているそうです。
相談内容は、「ネイルサロンでつけ爪をした2日後から指が腫れて化膿(かのう)した」、「雑貨店で買ったつけ爪用の接着剤1滴を足にたらして指先大のやけどを負った」、などとのことです。爪と人工爪の間に黒いカビが発生したという相談もあったようです。
同センターの危害情報室は、ネイルサロンの開業や施術に規制がないことや、接着剤の成分や注意表示が義務づけられていないことがトラブルの背景にあると指摘しています。消費者にも、「使用方法を確認し、施術後の衛生管理もしっかり行ってほしい」と呼びかけています。
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これは、日々の診療のなかでもよく遭遇します。ネイル(つけ爪)をつけっぱなしにしていると爪とネイルの間に細菌や真菌(カビ)が繁殖しやすくなります。
一番多いのが、緑膿菌による感染で、爪が緑っぽくなるのが特徴です。(これを「グリーンネイル」と呼びます)
この場合、自分の判断で抗生物質を塗ったり飲んだりしても治らないことがほとんどです。グリーンネイルが生じた場合は、抗真菌薬の内服が必要になります。(緑膿菌が繁殖しているのは事実ですが、おそらくその繁殖に真菌(カビ)が関与しているからでしょう)
爪の病気はときに長引きます。「おかしい」と思えばすぐに医療機関を受診するようにしましょう。
(谷口恭)
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| 2008年10月18日(土) |
| アフリカで新たな感染症 |
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南アフリカとザンビアで、未知のウイルスが引き起こす新たな感染症が発生し、すでに3人が死亡していることがWHO(世界保健期間)の調査で明らかとなりました。(報道は10月17日の読売新聞)
WHOによりますと、病原体はウイルスで、出血熱などを引き起こすアレナウイルスの仲間の可能性が高いようです。
これまでの調査で分かっていることは、まず、ザンビアのサファリツアー従業員が9月中旬に死亡、その死亡した従業員の看護にあたった南アフリカの医療従事者2人が死亡、さらに1人が入院しています。
症状は、初期に発熱や頭痛、下痢などが見られ、悪化すると数日後に肝機能異常を引き起こして死亡、という経過をたどるようです。
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1人目の症例が9月に発覚したばかりで、症状は発熱・頭痛・下痢・肝機能異常など、感染症ではありがちなものばかりなのにもかかわらず、病原体の特定がほぼ完了しつつあるということに驚かされます。
しかしながら、おそらく有効な治療法が確立されるまでにはかなりの期間が必要になるものと思われます。それまでにこのウイルス感染症が急速に拡がらないことを願うばかりです・・・
(谷口恭)
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| 2008年10月17日(金) |
| 心の健康対策、中小企業は不充分 |
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従業員の心の健康対策に取り組む企業は33%で、5年前より10ポイント増加。1,000人以上の大企業では90%以上にのぼるが、中小企業では対策に遅れ・・・
これは、10月10日に発表された厚生労働省の調査結果です。(報道は10月14日の共同通信)
これは同省が実施している5年に一度の調査で、昨年(2007年)末に、14,000社の企業と、18,000人の労働者が対象となっています。
健康対策を実施している企業を規模別にみてみると、5,000人以上で100%、1,000人以上5,000人未満で95%と高い数字を示していますが、50人以上100人未満で45%、30人以上50人未満で36%、10人以上30人未満は29%と、規模が小さくなるほど低い結果となっています。
取り組み内容については、「相談対応の体制整備」59%、「労働者への教育研修・情報提供」49%、「管理監督者(管理職)への教育研修・情報提供」34%など(複数回答)となっています。
また、「仕事に関して強い不安、悩み、ストレスがある」と答えた労働者は58%と前回より微減しています。前回との比較で増加が目立った項目(複数回答)は、「職場の人間関係」38%(3ポイント増)、「仕事の質」34%(4ポイント増)、「昇進、昇給」21%(7ポイント増)などとなっています。
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日本の労働者が訴える「心の不調」の最たる理由は「長時間労働」と言われています。今回の結果を受けて、厚労省も「心の健康対策とともに、健康を害する原因となる長時間労働の削減を企業に呼び掛けたい」としています。
ただ、そう言っている厚労省の役人も長時間労働をしているでしょうし、これを書いている私も週の労働時間は80時間を越えています・・・
(谷口恭)
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| 2008年10月17日(金) |
| カテキンで大腸ポリープ再発予防 |
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緑茶成分のカテキンを含む錠剤を飲み続けると大腸ポリープの再発が抑えられる・・・
これは、岐阜大学医学部の研究者らがおこなった調査結果です。(報道は10月14日の共同通信)
この調査は、岐阜大学附属病院など岐阜県内の4つの病院で、大腸ポリープを内視鏡で切除した125人のうち、60人に緑茶錠剤3錠(緑茶6杯分)を毎日飲んでもらい、飲まないグループの65人と、1年後に大腸を内視鏡で検査して、ポリープ再発率を調べることによっておこなわれています。
ポリープ再発率は、緑茶錠剤を飲まなかったグループで31%だったのに対し、錠剤を飲み続けたグループでは15%と低い数字となっています。また、再発したポリープのサイズも、錠剤を飲んだグループでは小さい傾向にあったそうです。
さらに、緑茶錠剤を飲んでいても、1日に緑茶を飲む量が3杯以下の少ない人では再発率が60%と高い数字がでています。
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これらをまとめると、「毎日飲む緑茶の量が多ければ多いほど、ポリープの再発が抑制される」ということになります。
私は、「サプリメントには安易に頼るべきでない」という考えをもっていますが、この調査は、埼玉県農林総合研究センターが製造している「緑茶サプリメント」が使われています。今後さらなる調査結果に期待したいところです。
(谷口恭)
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| 2008年10月14日(火) |
| 未成年の3割はタバコ千円でも「吸う」 |
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未成年の3割はタバコが1箱1,000円になっても「吸う」と回答・・・
これは、厚生労働省研究班が2007年12月から2008年2月にかけて、全国の中学校130校、高校109校の合計約9万人を対象におこなった調査結果です。(報道は10月9日の毎日新聞)
タバコ価格と喫煙の調査結果を詳しくみてみると、1箱600円で「やめる」と答えたのは25%にとどまり、1,000円で「やめる」が42%、「吸い続ける」は29%です。
別の研究班の調査では、成人の喫煙者の過半数が禁煙を決断する価格の平均は、ニコチン依存が低いグループで1箱467円、依存が高いグループでも706円であり、中高生よりも「安い」という結果がでています。
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私は元喫煙者ですが、私の経験から言えば、「タバコは若いときにやめる方が絶対にやめやすい!」です。
ニコチンは長期間依存すればするほどやめにくくなります。私は今でもときどきタバコが無性に吸いたくなることがありますが、このような衝動は若い頃に禁煙を試みたときにはそれほど強くありませんでした。「なぜ、あのときタバコを再び吸いだしてしまったんだろう・・・」と今では強く後悔しています。
これは医師としてというよりも、ひとりの元喫煙者からのメッセージだと思ってください。
タバコは吸えば吸うほど止めにくくなります。若い方は「禁煙の最大のチャンスは今」ということをお忘れなく!
(谷口恭)
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| 2008年10月14日(火) |
| 日本国内で梅毒が急増! |
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2003年から2007年の4年間で、日本の梅毒陽性者が44.8%も増加していることが、国立感染症研究所の感染症発生動向調査で明らかとなりました。(報道は10月6日のキャリアブレイン)
同研究所によりますと、2003年から2007年の梅毒患者の年別報告数は、それぞれ509人、535人、543人、637人、737人となっています。特に2006年、2007年は、それぞれおよそ100人も前年を上回っています。
感染経路は、2004年から2007年に報告された2,452例のうち、81.3%に相当する1,993例が性的接触によるもので、その他には母子感染31例、輸血による感染8例となっています。
母子感染による先天梅毒の小児患者報告数は、1999年以降、2006年の10例が最多でしたが、今年は8月27日時点ですでに7例の報告があり、同研究所は「増加が懸念される」と述べています。
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「母子感染が増えている」という事実に驚かされます。梅毒は通常「妊婦健診」でチェックしますから、妊婦健診が終わってから新たに感染しているのでしょうか。
また、この報告で気になるのは、梅毒が増えているのは間違いないとしても(すてらめいとクリニックで見つかることも珍しくありません)、1年間の総数が1,000人以下というのは少なすぎるということです。
HIV感染が新たに判った人が、昨年(2007年)1年間で1,500人ですから、梅毒陽性者がその半分というのは事実を反映していないように思えます。なぜなら、日々の診察では梅毒の方がHIVよりも多く見つかりますし、感染力も梅毒の方が圧倒的に強いからです(梅毒はコンドームをしていても完全には防ぎきれません!)
ということは、自覚症状が出ないがために感染に気づいていない梅毒陽性の人がかなり大勢いることが予想されます。
(谷口恭)
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| 2008年10月8日(水) |
| 子宮頚癌に無関心な日本人 |
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日本人の若い女性は子宮頚癌(けいがん)に対する認知度が低く、健診の受診率も低い・・・
これは、産婦人科の女性医師でつくる「子宮頚がん予防の会」らの調査で明らかとなりました(報道は10月6日の読売新聞)
この研究は、日米豪の18歳から26歳の女性に対し、インターネットで調査を実施しています。「子宮頚癌という名前を知っているか」との問いに、米では100人中99人、豪では100人中全員が「はい」と答えていますが、日本で「知っている」と答えたのは6割にとどまっています。
また、実際に子宮頚癌の検査を受けたことがある人は、米で72%、豪が54%なのに対し、日本ではわずか9%にすぎません。
子宮頚癌は、子宮頚部(子宮の入り口)にできるガンで、20〜30歳代の若い女性に増えています。早い段階で発見できればほぼ100%が治癒します。
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実際に子宮頚癌の検査を受けたことがある日本人女性が9%というのは少なすぎるように思いますが、すてらめいとクリニックの患者さんについて考えてみてもせいぜい3割程度ではないかと思われます。
すてらめいとクリニックで子宮頚癌の検査を受けた人のなかにも、癌(あるいは癌の手前の状態)が見つかった患者さんは少なくありません。20歳(あるいは19歳)を超えれば年に一度程度は受けるべき検査だと言えるでしょう。
参考:2008年6月30日「低すぎる日本の子宮けい癌受診率」
(谷口恭)
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| 2008年10月5日(日) |
| 日本の赤ちゃんは睡眠不足? |
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日本の赤ちゃんの平均睡眠時間は11時間37分で、16カ国(地域)で最短・・・。
このような調査結果が発表され話題を呼んでいます。(報道は9月29日の共同通信)
この調査は、ジョンソン・アンド・ジョンソン社の協力の下でおこなわれ、アジア太平洋地域を中心とする16カ国(地域)で実施されました。0歳から3歳児の睡眠時間などについてインターネット上でアンケートがおこなわれ、日本の約870人を含む合計2万8千人から回答を得ています。
その結果、日本の乳幼児が床に就く平均時刻は午後9時18分、起床時刻は午前7時8分と中間くらいでしたが、昼寝が2時間11分と最も短く、夜泣きや授乳時間などを差し引いた1日の総睡眠時間は11時間37分で最短でした。
参考までに最も長かったのはニュージーランドの13時間18分となっています。
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では何時間眠ればいいのか、という疑問に答えるのはむつかしく、大人でもそうであるように最適な睡眠時間には個人差があります。しかしながら、日本の赤ちゃんの睡眠が最短で、最長のニュージーランドと1時間41分もの差があるのは気になります・・・
(谷口恭)
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| 2008年10月5日(日) |
| 米国のHIV感染者が増加、5人に1人は気づかず |
CDC(米国疾病管理センター)は、10月2日、米国内のHIV陽性者について発表をおこないました。(報道は10月3日の共同通信)
2006年末時点で米国内のHIV感染者は約110万人で、そのうち5人に1人は感染していることを知らないそうです。
この数字は2003年末と比べると、3年間で約11万2千人が増加していることになります。この理由として、新規感染の増加と治療薬が普及して長期間生存できるようになったことが考えられます。また、検査が普及し早期発見ができるようになったことも理由のひとつと考えられています。
感染者の4分の3は男性で、全感染者のほぼ半数は男性と性行為をする男性。全人口の12%にすぎない黒人が全感染者の46%を占めています。また、米国勢調査局によりますと、米国の最新の人口は約3億530万人で、UNAIDSの報告によりますと、2007年末時点の世界のHIV感染者は3320万人です。
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仮に日本も感染者の5人に1人が気づいていないとすると、判っている日本のHIV陽性者は約1万5千人ですから、この1万5千人以外に約3,750人の自身の感染に気づいていない人がいるということになります。気になる方は一度検査を検討されてはいかがでしょうか・・・
(谷口恭) |
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| 2008年10月5日(日) |
| 抗生物質「ガチフロ」が販売中止に |
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「ガチフロ」という抗生物質が2008年9月30日をもって販売中止となりました。
FDA(米国食品医薬品局)が先月ガチフロ(一般名ガチフロキサシン)と同じ成分の製剤を承認医薬品リストから削除したことを受けて、製造元の杏林製薬が決定しました。また、以前から副作用が問題になっていたという背景もあります。
ガチフロは、日本では2002年に承認され処方されるようになりましたが、発売後間もなく厚生労働省が「緊急安全性情報」を出し、医療機関に注意を呼びかけました。これは副作用として重篤な血糖値異常の報告が相次いだからです。(9月30日の読売新聞によりますと、副作用報告は延べ254人になります)
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「ガチフロでなければ治らない」という感染症は(私の知る限り)ありませんから、私個人としては、「緊急安全性情報」が出されてからは一度もガチフロを処方していません。(すてらめいとクリニックの患者さんにも一度も処方していません)
(谷口恭)
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| 2008年9月29日(月) |
| ビタミンB12が脳を守る!? |
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ビタミンB12が高齢者の脳の縮小を防ぐ可能性がある・・・
英国オックスフォード大学の研究者らがこのような発表をおこないました。
研究者らは、記憶障害や思考障害のない61〜87歳の107人を対象に研究をおこないました。対象者の平均年齢は73歳、54%が女性です。対象者からは血液検査をおこないビタミンB12の数値を調べ、脳の体積を調べるためにMRIを撮影、さらに記憶力の検査などをおこなっています。
結果について、まずビタミンB12欠乏症の人はいませんでした。ビタミンB12の数値が高かった人は低かった人に比べると、脳が縮小する可能性が6分の1との結果がでています。
ビタミンB12は肉や魚、牛乳などに含まれていますが、ビタミンB12のサプリメントによる摂取に効果があるかどうかは検討されていません。また、すでに脳の萎縮のある人に対してビタミンB12の補充が実際に効果をもたらすかどうかは不明です。
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食事からビタミンB12を積極的に摂取すれば脳を守れるかもしれない、という研究です。研究者らが述べているように、サプリメントに効果があると決め付けるのはよくないでしょう。
以前、βカロチンのサプリメントが大腸癌予防につながるのでは・・・、などと言われていた時代がありましたが、大腸癌を予防しないどころか肺癌のリスクを高めることが分かり、現在ではβカロチンのサプリメントを積極的にとっている人はほとんどいないと思われます。
また、ビタミンEのサプリメントも摂り過ぎれば肺癌のリスクになると言われています。さらに驚くべきことに、ビタミンEは食事から摂取すれば心疾患のリスクを軽減させることが分かっていますが、サプリメントでビタミンEをとると逆に心疾患になりやすくなるとの研究もあります。
今回のビタミンB12の研究も、摂取が食事によるものでサプリメントでは研究がおこなわれていないことには注意をしなければなりません。
(谷口恭)
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| 2008年9月26日(金) |
| 「電子タバコ」に要注意! |
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「電子タバコ」というものをご存知でしょうか。
電子タバコは、紙巻きタバコに似せたステンレス製の棒に液体ニコチン入りのカートリッジを取り付け、電力でニコチンを含む霧状の気体を発生させる、言わば「ニコチン吸引機」です。電子タバコは2004年に香港の企業が開発し、現在ではイギリス、日本、カナダなどで販売されています。価格は1万円前後のものが多いようです。
電子タバコのPRのされ方に、「ニコチン量を徐々に減らすことによって禁煙ができる」というものがあります。
このPRなどをめぐって、WHO(世界保健機関)は、9月19日、「安全性が確認されず正しい禁煙療法とは考えられない」とする声明を発表しました(報道は9月22日の共同通信)
さらに、WHOは、「製品に使用されている多くの化学物質の中に、強い毒性があるものが含まれている可能性がある」と指摘しています。
販売業者の中には、ウェブサイトや広告に「WHOお墨付き」と思わせる宣伝文句を使う例もみられ、WHOはこうした言葉を即刻削除するよう業者に求めています。
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電子タバコは、禁煙グッズとしてだけではなく、「愛煙家の新しいツール」として注目されています。つまり、煙が出ないために「他人に迷惑をかけることのない新しい喫煙」と考えられているのです。
ただし、他人に迷惑をかけないとしても、今回WHOが指摘しているように、「安全性が確認されていない」わけですから安易な使用は控えるべきでしょう。
(谷口恭)
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| 2008年9月20日(土) |
| 妊婦の予防接種は赤ちゃんにも効果? |
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妊婦にインフルエンザの予防接種をすると、母親だけでなく新生児にも高い予防効果がある・・・
これは米国とバングラデシュの共同研究チームが、バングラデシュで臨床試験をおこなった結果で、詳細は「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」という医学誌(2008年9月17日号)に発表されています。(報道は9月18日の読売新聞)
臨床試験では、妊婦316人のうち、約半数にインフルエンザのワクチン、残りの半数に肺炎球菌のワクチンを接種しています。子供は接種の8時間から3ヶ月後に生まれています。
生後6ヶ月まで健康状態を追跡した結果、母親が肺炎球菌のワクチンを受けた子供は、157人中16人がインフルエンザにかかりました。一方、母親がインフルエンザのワクチンを受けた子供の発症率はおよそ3分の1という結果になっています。
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この結果を受けて、日本の厚生労働省は、「可能な限り危険性を排除するため、国内では勧めていない」としています。
参考までに、米国や世界保健機関は妊婦にインフルエンザのワクチン接種を勧めていますが、すてらめいとクリニックでは、現時点では日本の厚生労働省に従い、妊婦へのインフルエンザワクチン接種をおこなっていません。
(谷口恭)
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| 2008年9月13日(土) |
| 子宮体癌の予防にコーヒーを |
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このウェブサイトでは、コーヒーがいかに体にいいかということを頻繁に紹介していますが、これは私(谷口恭)がコーヒー好きだからというわけではありません(確かにコーヒーは好きですが・・・)。ここ数年の間に発表されているコーヒーに関する研究が、病気の予防になるとされているものがほとんどなのです。
コーヒーを1日3杯以上飲む女性は、ほとんど飲まない女性に比べ、子宮体癌になる危険度が約6割も低い・・・
このような研究結果が、厚生労働省研究班により9月1日に発表されました。(報道は同日の共同通信)
この調査は、岩手、大阪など9府県の40から69歳の女性約5万4000人を1990年から最長で15年間追跡しています。この間に117人が子宮体がんと診断されています。
調査開始時にコーヒーを飲む習慣について聞き取り、飲む量によって4つのグループに分けて子宮体がんとの関連を調べています。コーヒーを飲む頻度が週に2日以下というグループと比較すると、毎日1〜2杯飲む人で約4割、毎日3杯以上飲む人では約6割、発症の危険度が低いという結果がでています。
コーヒーをよく飲めばなぜ子宮体癌が防げるのか。この理由について、研究班は、「コーヒーが血糖値を下げたり、女性ホルモンの働きを調整したりすることで、危険度を下げているのではないか」と述べています。
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一般に子宮体癌は、肥満や糖尿病のある人、女性ホルモンの働きが活発な人におこりやすいと言われています。コーヒーがこれらに影響を与えることが原因かもしれません。
参考:2008年6月30日「コーヒーはいいことばかり」
(谷口恭)
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| 2008年9月9日(火) |
| 保険のない子供が20都市で7333人 |
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国民健康保険(国保)の保険料を滞納して保険給付を差し止められ、医療費の全額自己負担が必要になった世帯の子ども(中学生以下)が、都道府県庁所在地と政令市計51都市中20都市で7,333人以上に及ぶことが、毎日新聞の全国調査で明らかとなりました。(報道は8月31日の毎日新聞)
この調査は、2007年から2008年にかけて、全国の各自治体に対し、給付差し止めで保険証の返還を求められ、代わりに資格証明書の交付を受けた世帯に義務教育年齢以下の子どもが何人いるかを尋ねることによっておこなわれました。
人数を把握できたのは、横浜市3,692人、千葉市838人、大阪市748人、和歌山市407人、大分市379人、など20都市です。無保険の子どもが「いない」と回答したのは山形、大津など5つの市のみです。18市が「子どもは含まれるが統計がない」とし、8市が「不明」と回答しており、実際の人数は51都市で判明分の数倍に上る可能性があるようです。
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世界には病気になっても病院にかかれない子供がたくさんいて、むしろ世界的には病院にかかれる子供の方が少ないかもしれませんが、この日本でこれだけ多くの子供たちが保険証がなく医療機関にかかれないというのは異常に思えます。「国民皆保険制度」はどこにいったのでしょうか・・・。
参考:医療ニュース 2008年7月31日「大阪府、無保険の子供が1620人」
(谷口恭)
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| 2008年8月29日(金) |
| 鹿児島で日本脳炎注意報 |
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8月25日、鹿児島県は2年ぶりに日本脳炎注意報を発令しました。これは日本脳炎ウイルスに感染した豚が基準値を超えたことによります。(報道は8月27日の毎日新聞)
鹿児島県では1995年に日本脳炎の感染者が1人報告されているのが最後ですが、今後、蚊にさされないよう、県は長ズボンの着用や防虫スプレーの使用を呼びかけています。
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日本脳炎ウイルスを媒介するコガタアカイエカは、水田や沼地付近に棲息し、日没後に活動すると言われています。ワクチンをうっていない人はそういう地域に近づかないことが必要でしょう。
参考:はやりの病気 第60回「虫刺されにご用心」
医療ニュース 2008年8月1日「日本脳炎の新ワクチンは2009年以降に」
(谷口恭)
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| 2008年8月25日(月) |
| 日米でHIV感染が増加 |
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8月19日に厚生労働省が発表したデータによりますと、2008年3月31日〜6月29日の3ヶ月間に報告されたHIVの新規感染は276人で、これは1985年の統計開始以来、前々回(2007年10月1日〜12月30日)の277人についで過去2位の人数となります。
一方、同日(8月19日)に、米国疾病管理予防センター(CDC)は、米国内のHIV感染状況が予想をはるかに上回り、2006年には5万6,300人が新規に感染したうえ、HIV陽性者は累計123万人に達していると公表しました。
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HIVの新規感染が多いのはアジアやアフリカだけではありません(これらの地域では減少傾向にあります)。今回の報道が示すように日本とアメリカでは感染者は増えていますし、ドイツ、イギリス、オーストラリア、韓国など他の先進諸国でも増加傾向にあります。
数年前に言われた「先進国でHIVが増えているのは日本だけ」というのはとっくに過去の言葉になっています。
(谷口恭)
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| 2008年8月18日(月) |
| ジョギングで死亡率半減 |
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50歳以上で日常的にジョギングをしている人は、運動の習慣がない人に比べ、19年後の死亡率が半分以下で、健康な生活を送ることができる・・・
これは、米国スタンフォード大学の研究チームがおこなった長期調査で、米科学誌『アーカイブズ・オブ・インターナル・メディシン』に8月17日に発表されています。(報道は8月18日の日本経済新聞)
この調査は、1984年時点で50歳以上の人で、全米のランニングクラブに所属する538人と、運動習慣がない423人を比較しています。その結果、2003年時点の死亡率はそれぞれ15%、34%でした。
ジョギング時間は、調査を開始した1984年当初は、週に平均4時間でしたが、21年後の2005年には1時間16分にとどまっていました。それでも、運動習慣がない人に比べ、様々な障害の出始めが遅く、体格が引き締まり、記憶・学習能力も相対的に良いことが、年に一度のアンケート調査でわかったそうです。
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50歳以上のジョギングは膝関節などの故障がおきやすいのではないかと考えられることもありますが、今回の調査結果ではそのようなこともなかったそうです。
いいことばかりのジョギングですが、最も大変なことはやはり”継続”でしょう。
今回の調査は50歳以上ですが、若いうちにジョギングを”習慣”としてしまうのがいいでしょう。
(谷口恭)
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| 2008年8月8日(金) |
| 厚労省のタミフル異常行動調査で解析ミス |
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「インフルエンザ治療薬のタミフルを小児に使っても問題がない」とする調査報告を厚生労働省がおこなったことに対して、被害者の会や医師らが反対の意見を述べているというニュースを先日お伝えしましたが(2008年8月4日(月)「波紋を呼んでいるタミフル調査結果」)、こういった動きが原因しているのか、厚生労働省は、先月公表した報告には解析ミスがあったと発表し物議をかもしています。
厚生労働省は8月5日、タミフルの異常行動との因果関係の調査で、解析過程の一部にミスがあったことを発表しました。(タミフルと異常行動に関係がないとする)結果への影響を検証するため、因果関係について最終的な結論を出す安全対策調査会の開催を9月以降に延期することを決定しています。当初の予定では今月中に調査会を開いて結論を出す予定でした。(報道は8月6日の毎日新聞)
厚生労働省によりますと、ミスが判明したのは、インフルエンザにかかった18歳未満の約1万人を対象にした異常行動に関する調査結果で、最初の発熱時刻と医療機関にかかった初診の時刻をデータベースから引き出す過程のなかで、プログラムの不具合により一部に別のデータが引き出され、それを使って解析していたとのことです。
同省は「解析に重要なタミフル服用の時刻や異常行動の発生時刻に間違いがあったわけではない。調査結果への影響は大きくないと考えられるが、科学的議論に万全を尽くすため、影響がないか確認する」と説明しています。
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「プログラムの不具合により一部に別のデータが引き出され・・・」などと言われると、厚生労働省が発表している他の調査報告は大丈夫なのかな、と思ってしまいます。
いずれにしても、タミフルと異常行動の”科学的な”調査報告を待ちたいものです。
(谷口恭)
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| 2008年8月7日(木) |
| 宮崎の女性がダニに刺されて死亡 |
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宮崎市の70代の女性がダニに刺されて死亡したことを宮崎市保健所が8月1日に発表しました。(報道は8月5日の毎日新聞)
「ダニに刺されて死亡」は、正確に言うと「マダニに刺されて日本紅斑熱を発症し死亡」となります。日本紅斑熱は、リケッチアと呼ばれる病原体に感染しているダニに刺されることにより発症します。潜伏期間は2〜10日で、高熱や発疹がでるのが特徴です。(人から人への感染はありません)
宮崎市によりますと、この女性は7月中旬、家族とレジャーで市内の山を散策し、腰などをマダニにかまれたそうです。数日後に高熱や発疹が出現し回復せず、7月25日に市内の病院で多臓器不全により死亡しています。
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日本紅斑熱で死亡することは多くはありませんが、1999年以降4件の報告があります。(届出義務ができたのが1999年です)
以前、この日本紅斑熱が和歌山で増えているというニュースをお伝えしました。(2008年5月19日(月)「日本紅斑熱に注意」)
ダニが媒介する感染症は、日本紅斑熱の他にも、恙虫(ツツガムシ)病や、ライム病などもあります。虫刺されに加えて、発熱、倦怠感などが出現したときは、迷わずに医療機関を受診するようにしましょう。
(谷口恭)
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| 2008年8月4日(月) |
| 長寿記録更新!女性は23年連続世界一 |
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日本人の2007年の平均寿命は女性が85.99歳、男性が79.19歳で、いずれも2年続けて過去最高を更新しました。
これは、7月31日、厚生労働省が公表した「簡易生命表」によるものです。
これで、女性の平均寿命は23年連続の世界一位となります。男性は前年(2006年)の2位から3位に転落しています。(男性の1位、2位はそれぞれアイスランド(79.4歳)、香港(79.3歳)、女性の2位、3位はそれぞれ香港(85.4歳)、フランス(84.1歳)です)
平均寿命が延びた原因として、厚生労働省は、「日本人の三大死因であるガン、心臓病、脳卒中の治療成績向上が平均寿命を延ばす方向に働いた。今後も同様の傾向が続くだろう」とみています。さらに、これらの三大死因が克服されれば(実際にはあり得ないことですが)、平均寿命は男性で8.25年、女性で7.12年それぞれ延びるとみられています。
「何歳まで生きるか」という試算では、2007年に生まれた赤ちゃんが75歳まで生きる割合が女性85.8%、男性70.8%。90歳までが女性44.5%、男性21.0%となっています。
ゼロ歳児が将来死亡する原因として最も可能性が高いのは、男女ともガンで、心臓病、脳卒中を加えた三大死因による将来の死亡確率は男性55.57%、女性53.02%で前年とほぼ同水準となっています。
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「自分はあと何年生きられるか」に興味がある人は少なくないと思います。これを考えるときに平均寿命を参考にしがちですが、「平均寿命」ではなく「平均余命」を考えなければなりません。
例えば、現在30歳の女性が、「平均寿命が85.99歳だから、85.99-30=55.99年間」とするのは適切ではありません。この場合、簡易生命表によると平均余命は56.57年となっており、統計学的にはこちらが適切ということになります。(尚、簡易生命表は厚生労働省のウェブサイトでみることができます。http://www5d.biglobe.ne.jp/~Jusl/IssituRieki/yomei.htmlを参照ください)
(谷口恭)
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| 2008年8月4日(月) |
| 波紋を呼んでいるタミフル調査結果 |
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「インフルエンザ治療薬のタミフルを小児に使っても問題がない」という報告が厚生労働省の研究班から発表されたことを以前お伝えしましたが(2008年7月14日(月)「タミフルは異常行動に関係なし」)、これが波紋を呼んでいます。
まずは、タミフル服用後に飛び降りなどの異常行動で死亡した人の遺族らでつくる「薬害タミフル脳症被害者の会」が厚生労働省の発表を批判しました。
7月27日、「薬害タミフル脳症被害者の会」は、今回の厚生労働省の調査結果は誤りだとし、タミフルと異常行動との因果関係を認めて被害者を救済するよう求め、近いうちに舛添厚生労働大臣に要望書を提出する予定です。(報道は7月29日の共同通信)
被害者の会は、「研究班の集計方法は間違っている」と批判し、「間違った結論に基づき10代への投与が解禁されれば薬害の再発は確実だ」と指摘しています。「被害の拡大を防止し、被害者の救済を求める」として、関係者に対する法的措置を取らざるを得ないと訴えているようです。
厚生労働省研究班の見解を批判しているのは被害者の会だけではありません。複数の医師が研究班のデータ解析の方法が誤っていることを指摘しています。(報道は7月31日の毎日新聞)
この調査は2006年12月から2007年3月にインフルエンザで医療機関を受診した患者約1万人を対象に実施されています。タミフル服用と、うわごと、おびえ、泣き出すといった軽い症状も含めた「異常行動」との関係を調べています。
厚労省の研究班は、タミフル使用者7,487人のうち、服用後に異常行動を起こした人を889人(11.9%)とし、非使用者2,228人のうち異常行動を起こした人は286人(12.8%)としています。(これだけをみるとタミフルを飲まなかったグループの方が異常行動を起こしやすいということになります)
ここからが問題です。タミフル非使用者のうち99人は、実際にはタミフルを飲んだけれども、飲む前に異常行動を起こしている患者です。これらを除外すると全く飲まなかった患者だけの人数は2,129人となり、異常行動は187人(8.8%)となります。これとタミフル使用者で異常行動を起こした人の11.9%を比較すると、飲んだ方がおよそ5割異常行動を起こしやすいという結果になります。
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どちらの解析方法がより適切かは意見の分かれるところだと思います。(これが統計学のおもしろいところかついい加減なところなのかもしれません)
私個人の意見としては、以前にも述べましたが、インフルエンザの疑いがあろうとなかろうと、タミフルを飲んでいようがいまいが、高熱を出している10代の子供をひとりにしないことが大切だと思います。
(谷口恭)
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| 2008年8月4日(月) |
| 輸血でB型肝炎に罹患し死亡 |
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今年(2008年)1月に輸血を受けた60代の女性がB型肝炎ウイルスに罹患し、さらに劇症肝炎を起こして死亡していたことが、7月15日、日本赤十字社の調査で明らかとなりました。(報道は7月17日の読売新聞)
この女性が輸血された血液を事後調査した結果、B型肝炎ウイルスが混入していることが分かりました。
厚生労働省によりますと、今回のように検査をすり抜けて輸血に使われ、その結果B型肝炎ウイルスに罹患する症例が年間10件前後あるそうです。
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B型肝炎ウイルスに感染して間もない時期に献血をおこなうと、今回のように検査をすり抜けて輸血に使われることになります。
危険な性行為などがあり感染の可能性のある人が献血をおこなわないように呼びかけることも必要ですが、それ以上に有用なのは各自がB型肝炎ウイルスのワクチン(予防接種)をおこなうことです。ワクチンをうって抗体をつくっておけば100%感染を防げるのですから。
(谷口恭)
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| 2008年8月1日(金) |
| 乳製品の摂取で脳卒中発症が3割減! |
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牛乳やチーズなどの乳製品からカルシウムを多く取る人は、ほとんど取らない人に比べて脳卒中の発症率が約3割少ない・・・
これは厚生労働省研究班がおこなった大規模調査で明らかになった結果です。(報道は7月29日の毎日新聞)
研究班は、岩手、秋田、長野、沖縄の4県在住の40〜59歳の男女約4万人を、1990年から12年間追跡し、食事など生活習慣と発病の関係を分析しました。
2002年までに、対象となった4万人のうち1,321人が脳卒中を発症しています。乳製品から取ったカルシウムの量で5グループに分けると、1日の摂取量が平均116ミリグラムと最も多いグループは、ほぼゼロのグループに比べて脳卒中の発症率が0.69倍にとどまっています。カルシウムの摂取は牛乳なら1日130ミリリットル、スライスチーズなら1〜1.5枚で効果が期待できることになるそうです。
興味深いのは、大豆製品や野菜、魚など、乳製品以外から摂取したカルシウムでは、効果がみられなかったという点です。これについて、研究班は、「乳製品は他の食品よりも腸での吸収率が数倍高く、効率良くカルシウムが取れたようだ」とコメントしています。
カルシウムを摂取するとなぜ脳卒中になりにくいかについては、「カルシウム摂取が多いと血圧が低くなるため、脳卒中予防につながったのではないか」と説明されています。
一方、心筋梗塞など心疾患の発症率は、カルシウム摂取の有無と関連が認められませんでした。これは、乳製品に多く含まれる飽和脂肪酸によって心疾患の発症率が高まり、カルシウムの効果が打ち消された結果と考えられています。さらに、乳製品の食べすぎは逆効果になる可能性もあります。
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先日は、乳製品を多くとる男性は前立腺癌になりやすいという情報をお届けしました。(2008年4月19日(土)「乳製品を多くとる男性は前立腺癌になりやすい!」)
今回の研究でも、摂り過ぎは心疾患の発症率が高まりますし、乳製品に頼りすぎるのはよくないでしょう。今回示された理想の量は、牛乳なら1日130ミリリットル、スライスチーズなら1〜1.5倍なので比較的適量を摂取しやすいのではないでしょうか。
(谷口恭)
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| 2008年8月1日(金) |
| 院外処方せんの「後発薬に変更不可」が4割 |
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特許の切れた価格の安い後発薬品(ジェネリック薬品)は厚生労働省の考えどおりには普及していないようです。
2008年3月までは、医師が後発薬品でもかまわないとしたときには、処方せんの「後発薬品への変更可」という欄に署名をすることが必要でした。
厚生労働省は、この署名を面倒に感じる医師が多いと考えたこともあり、2008年4月からは様式を逆にして「変更不可」の署名がなければ、後発薬に替えられるようにしました。
調剤薬局チェーン大手の日本調剤の調査によりますと、同薬局へ提出された処方せんのおよそ4割に、「変更不可」の医師の署名があったことがわかりました。(報道は7月25日の共同通信)
「変更不可」の署名は4月が39%、5月が40%、6月42%と少しずつ増えています。
一方で後発薬を希望する患者数は増加しています。「変更不可」の署名がない場合は、後発薬を使うかどうかは患者サイドで決めることができます。実際に、後発薬を選んだのは4月が43%だったのに対し、6月は50%に達しています。ところが、医師が「変更不可」とするケースが増加しているために、全薬剤に占める後発薬の割合は20%台にとどまっています。
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一般的に後発品は先発品に比べて価格が3〜7割程安くなっており、後発品が普及すれば医療費を抑制することができます。厚生労働省は、2012年度までに後発品の割合を30%にすることを目標としていますが、2006年度の実績では17%です。
参考までに、米国、英国、ドイツなどでは後発品の普及率が50%を越えています。
すてらめいとクリニックはほとんどが院内処方ですが(院外処方を選ぶ患者さんはほとんどいません)、在庫している薬品の多くを後発品にしています。ただし、後発品のない薬品(特許の切れていない薬品)も多数ありますから、全体ではおそらく60から70%程度になると思われます。
(谷口恭)
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| 2008年8月1日(金) |
| 男性の筋力アップは死亡率を低下させる |
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ジョギングや水泳などの有酸素運動が生活習慣病の予防や改善に有効なことは有名ですが、筋トレなどの無酸素運動が健康にいいことを示す研究はそれほど多くありません。
7月12日に『BMJ』という医学誌に掲載された論文で、「男性の筋力アップは全死亡率、さらに癌死亡率を低下させる」という内容が報告されました。
この研究は、米国のあるエアロビクスセンターで、20〜80歳の男性8,762例を対象に調査がおこなわれています。年齢、筋力(レッグプレスとベンチプレスの最大回数)、トレッドミルを用いた心肺系の状態などを元に、死亡率や癌死亡率などとの関係が調べられました。
追跡期間(平均18.9年)中に死亡した男性は503例で、うち145例の死因は心血管系(心筋梗塞など)で、199例の死因は癌でした。筋力のグループを、低筋力群、中筋力群、高筋力群とすると、各グループの死亡率は、全死亡率で、38.9、25.9、26.2、心血管系では、12.1、7.6、6.6、癌死亡率では、6.1、4.9、4.2となっています。
この調査をおこなった研究者は、「上半身および下半身の主要筋肉群の定期的なレジスタンス運動トレーニング(筋トレ)を週2〜3回おこなうことにより、男性の全死亡率を低下できる可能性がある」、と述べています。また、「筋トレは有酸素運動の代わりに行うのでなく、有酸素運動に追加して行うべきである」ともコメントしています。
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健康で長生きするには、有酸素運動だけではなく筋トレなどの無酸素運動も必要というわけです。しかし、生活習慣病を含めてある程度病気が進行すればこういった運動はできなくなってしまいます。早い段階から、積極的に生活の中に運動の習慣を取り入れることが大切でしょう。
(谷口恭)
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| 2008年8月1日(金) |
| 日本脳炎の新ワクチンは2009年以降に |
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日本脳炎ウイルスの豚への新規感染が明らかになる一方で、安全性の確立したワクチンの供給が遅れているというニュースをお伝えしましたが(2008年7月24日(木)「豚が近くにいる人は日本脳炎に注意を! 」)、ワクチンは早くても来年度(2009年度)以降になる見通しです。(7月24日に厚生労働省が発表、報道は7月25日の共同通信)
ここでは、新しいワクチンが必要になった経緯を紹介しておきます。
もともと日本脳炎ワクチンは公費でおこなわれる定期接種の対象ワクチンでした。安全性は高いとされていましたが、ワクチン接種後に急性散在性脳脊髄炎(ADEM)と呼ばれる身体が動かなくなったり意識がなくなったりする病気になった中学生の事例が明らかとなり、2005年5月に、厚生労働省はワクチンの「差し控えの勧告」をおこないました。
これを受けて、国内のメーカー2社が、危険性の低い新しいワクチンを開発していましたが、「接種部位が腫れる」などの副作用が出現し、追加臨床試験が必要となり現在も審査の途中です。供給開始は早くても来年度以降になる見通しです。
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2005年に差し控えが始まりすでに3年が経過しています。これは、日本脳炎に免疫をもたない子供が増えていることを意味します。そして、豚には新しい感染が報告されているのです。
とりあえずは、豚に近づかない(子供を近づけない)、豚のいる地域では長袖長ズボンを着るといった対策は必要でしょう。
(谷口恭)
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| 2008年7月31日(木) |
| 大阪府、無保険の子供が1620人 |
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国民健康保険(国保)の保険料滞納で、保険が使えなくなった家庭の子供が大阪府全体で1,620人にのぼることが判明しました。(報道は7月30日の毎日新聞)
全国の自治体のなかでは大阪が最多となります。
報道によりますと、過去1年間で保険が使えなくなった世帯は1割の増加で、景気に低迷や非正規労働者の増加が原因とみられています。
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保険証のない子供が1,620人というのは尋常ではありません。この国は少し前までは「国民皆保険制度」という世界に誇れる保険制度をもっていたのですが、それは過去の話なのかもしれません・・・。
(谷口恭)
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| 2008年7月31日(木) |
| よく動く人はガンになりにくい! |
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「身体をまめに動かしている人はそうでない人に比べ長生きしやすい」という研究報告を以前紹介しましたが(2008年6月6日「まめな動きが長生きにつながる!」)、よく動く人はガンにもなりにくそうです。
これは、厚生労働省の研究班による調査結果で7月10日に発表されています。(報道は7月17日の共同通信)
部位別には、男性では、大腸癌、肝臓癌、すい臓癌で、女性では胃癌でそうした傾向が目立っています。詳しい原因は明らかにされていませんが、研究班は、「運動で肥満が改善されたり、免疫機能が高まったりすることなどが関係しているのではないか」と推測しているようです。
この調査は、岩手から沖縄まで9府県の45から74歳の男女約8万人を約8年にわたり追跡したもので、期間中に約4,300人が何らかのガンにかかっています。
激しいスポーツをした時間や、歩いたり立ったりした時間、睡眠時間などをアンケートし、対象者の平均身体活動量を算出しています。その量の多さによって4つのグループに分け、がんとの関連が分析されています。
その結果、身体活動量が最多のグループは最少グループに比べ、がんになるリスクが男性で13%、女性で16%低いことが判りました。
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運動が「身体にいい」のは誰もが知っていることでしょう。ですから、今回の結果は当然といえば当然なのかもしれません。
肝腎なのは「どうやって身体を動かす習慣を身に付けるか」ですね。
(谷口恭)
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| 2008年7月31日(木) |
| 米国で肥満増加、タイでも増加 |
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米国疾病管理局(CDC)は7月17日、昨年(2007年)に実施した調査で、米国成人の25.6%が「肥満」であったことを発表しました。(報道は7月18日の共同通信)
2005年に実施された調査では、「肥満」は23.9%でしたから、米国では肥満の傾向がより進んでいるといえます。
この調査の「肥満」はBMIを30以上と定義づけています。(BMIは体重(キログラム)を身長(メートル)の2乗で割った数値です。例えば体重88キロ、身長2メートルの人であれば、88÷2の2乗=88÷4=22となります)
地域別に肥満の割合をみると、南部で27%と最も高く、なかでもアラバマ、ミシシッピ、テネシーでは30%を越えています。一方、最も肥満率が低い地域は西部の22.1%で、州別ではコロラドの18.7%が最低です。
さて、肥満に悩んでいるのはアメリカだけではありません。
アジア太平洋地域における「肥満が深刻化している国」の第5位にタイがランキングされたことがタイのマスコミに取り上げられています。(報道は7月14日のBangkok Post)
Bangkok Postによりますと、食べすぎ、運動不足、不健康な生活習慣などが原因で肥満となったタイ人は1,000万人以上、定期的な運動をしておらず生活習慣病のリスクのあるタイ人は4,000万人にものぼるそうです。(タイの総人口は約6,200万人です)
現在タイ保健省は、地域ごとに運動施設を設立する計画をおこなっているようです。
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日本でも特に中年男性には肥満が広がっています。食べすぎ、運動不足、不健康な生活習慣などは、多くの国の共通の問題となっているのでしょう。
参考:2007年10月16日(火)「女性はスリムに、男性は肥満に」
(谷口恭)
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| 2008年7月24日(木) |
| 男性の「せっかち」「怒りっぽい」は心臓病になりにくい!? |
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「せっかち」「怒りっぽい」などの特性がある男性は、比較的のんびりした人より、心筋梗塞などの虚血性心疾患になりにくい・・・
このような調査結果が厚生労働省の研究班から発表され話題を呼んでいます。(報道は7月18日の日本経済新聞夕刊)
この調査は1990年以降、岩手など計8県の40歳から69歳の男女約8万6千人を対象にして、平均で約11年半追跡しています。この間に約670人が心疾患を発症しています。アンケートで「せっかちさ」や「怒りっぽさ」、「競争心の強さ」などを尋ねて結果を数値化し、数値の高さで4つのグループに分け、心疾患との関連が分析されています。
その結果、数値が最も低く「のんびり」傾向が強い男性は、数値が最も高い「せっかち」男性に比べ心疾患を発症するリスクが1.3倍高いとの意外な結果がでています。
欧米の研究では、この結果とは逆に、せっかちな方が日常のストレスが大きく、心疾患のリスクが高いとされています。興味深いことに、今回の調査でも女性については、欧米と同様の傾向がみられています。(つまり、せっかちな人ほど心臓病になりやすいという結果になっています)
欧米で逆の結果が出たのは、せっかち派がストレスを受けやすく、喫煙や大量飲酒など不健康な生活をしがちなためと考えられます。喫煙や大量飲酒などの生活上の特徴は、男女とも欧米の結果と一致しています。
研究者のひとりは、「日本では、せっかちな男性の方がストレスを意外にうまく発散し、のんびり型の男性が内にストレスをため込む傾向があるのかも」と話しているそうです。
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これらをまとめると、日本人男性の「せっかち派」はストレス発散が上手で喫煙や飲酒に走らない。一方、欧米人や日本人女性の「せっかち派」と日本人男性の「のんびり派」は、ストレス発散が苦手で喫煙や飲酒に頼ってしまう・・・、となるかもしれません。
大切なのは、ストレスにうまく対処できるようになることとお酒やタバコに頼らないことです。これらはたしかにむつかしいことでしょうが、「せっかち」や「のんびり」といった性格を変えるのはもっとむつかしいでしょうから・・・。
(谷口恭)
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| 2008年7月24日(木) |
| 豚が近くにいる人は日本脳炎に注意を! |
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7月17日の毎日新聞によりますと、三重県でおこなわれた豚の血液検査で、検査された10頭すべてから、日本脳炎ウイルスの抗体が検出されたことが判りました。さらに、そのうち4頭は、最近1〜2週間のうちに感染した可能性が強いようです。
日本脳炎ウイルスは豚に感染し、豚の体内で増殖します。ウイルスは蚊(コガタアカイエカ)を媒介して人に感染します。
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日本脳炎ウイルスには有効なワクチンがあり、日本では積極的に接種されだした1960年代後半から70年代前半頃に劇的に患者数が減少しました。
ところが、ワクチンの副作用が懸念されるようになり、2005年に厚生労働省は、「現行のワクチンでの積極的推奨の差し控えの勧告」をおこないました。少し説明を加えると、「現在流通しているワクチンには危険性があるかもしれない。安全なワクチンがいずれできるから(2009年以降とみられています)、それまでは積極的には打たないでください」となります。
一方では豚に対する新規感染が見つかり、一方ではワクチンを積極的にうつなと言われているわけです。
とりあえずは、虫除けスプレーと長袖長ズボンが大切になるのでしょう。
(谷口恭)
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| 2008年7月24日(木) |
| デング熱は蚊を駆除すると重症者が増加!? |
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東南アジアや中南米に旅行に行くときに予防しなければならない病気に「デング熱」があります。ただ、デング熱自体は別段珍しいわけではなく、例えばタイでも数週間滞在していると「○○がデング熱で倒れた」などという話はよく聞きますし、数日から長くても数週間程度で治癒します。
しかし、「デング出血熱」を発症するとそうはいきません。もしもデング出血熱を発症すると必ず入院しなければなりませんし、命を落とすことも珍しいことではありません。
デング熱もデング出血熱も、ネッタイシマカ(あるいはヒトスジシマカ)と呼ばれる蚊がウイルスを媒介することによってヒトに感染させます。
ならば、蚊を駆除すれば予防できるではないか・・・
誰もがそう考えるでしょう。しかし、実際は一筋縄ではいかないようです。
デング熱の流行地域で蚊を中途半端に駆除すると、駆除しない場合に比べて、デング出血熱の発症が増加する・・・
大阪大学とタイの国際チームがこのような研究結果を米国の科学誌に発表しました。(報道は7月16日の共同通信)
研究チームは2002年から2004年にタイの100万世帯を調査しています。その結果、「貯水槽などに蚊の幼虫がいる世帯の割合が地域内で増えるにつれて出血熱の発症が増える。しかしその割合が30%を超えると少なくなる」との結論がでています。
この原因について、「絶えず蚊に刺されていると免疫が高い状態で維持されるが、刺される間隔が空くと危険なタイプの再感染が起きやすくなる」と考えられています。
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この研究は対象がタイ人であることに注意を払わねばなりません。以前、デング熱についてタイ人の医師に聞いてみたことがあるのですが、彼によると、「タイ人の多くは子供のときにデング熱に罹患していることが多い」そうです。
この研究結果をそのまま応用すると、「貯水槽に蚊の幼虫がいる割合が30%のところが最も出血熱のリスクが高いけれどもそれを超えると(つまり蚊がたくさんいるところは)逆に安全」、ということになりますが、それはタイ人の場合であって、日本人からみたときには、できる限り蚊の予防をすることが大切です。
(谷口恭)
参考:
2008年4月3日(木)「ブラジルでデング熱と黄熱が大流行」
2008年2月19日(火)「タイでデング熱が急増」
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| 2008年7月22日(火) |
| 化粧品からステロイドが検出 |
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「NOATOクリーム」という化粧品から、ステロイドが検出されたことを東京都が7月16日に発表しました。東京都は、薬事法違反で、販売業者に製造・販売の中止と回収を命じています。(報道は7月17日の共同通信)
東京都によりますと、この化粧品は米国から輸入され、今年の3月から26箇所の販売代理店で合計5,691個が販売されたそうです。
東京都安全研究センターが検査した結果、ステロイドホルモン製剤として最も作用が強いとされるプロピオン酸クロベタゾールが0.049%検出されています。
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プロピオン酸クロベタゾールは大変強い薬で、医師が患者さんに処方するときもごく限られた症例のみですし、顔に使用することはまずありません。そのようなステロイドが含まれていた化粧品が流通していたことを考えると恐ろしくなります。
今回のような事件は数年に一度くらいの割合で報道されています。化粧品の製造・販売元には充分な注意を払うべきでしょう。
(谷口恭)
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| 2008年7月22日(火) |
| 献血のHIVが止まらない勢い |
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今年(2008年)に入り、献血でHIVが見つかるケースが増加しているというニュースを以前お伝えしましたが(2008年6月1日「大阪が3分の1、献血のHIV」)、その勢いが止まりません。
日赤の速報値によりますと、2008年1月から6月の間に献血した人のうち、HIV抗体が陽性であった人が58人に上ります。(報道は7月16日の共同通信)
10万人当たりのHIV陽性者をみてみると、過去最多だった昨年平均の2.065人を上回る2.316人となります。(1月から3月の集計では2.259人でしたからさらに増加していることになります)
都道府県別のデータでは、最多が大阪の16人、2位が東京の9人、3位が千葉の5人です。
厚生労働省血液事業部会運営委員会からは、「大阪の保健所の検査態勢を整える必要がある」との意見がだされ、厚生労働省は大阪府に「早急に検査態勢を確立するよう」通知しています。
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現在日赤では献血を輸血に使う前には、HIVの抗体だけでなく抗原も検査しています。しかし、それでも感染して数日間は検査を「すり抜ける」ことがあります。
少しでも感染の可能性のある人は献血の前に検査にいきましょう。
(谷口恭)
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