<渡航・旅行医学(トラベルメディスン)・ワクチン>


海外に薬を持っていくときの注意点

機内での注意

海外で感染しやすい感染症について
 1) ワクチン(予防接種)について
 2) マラリア予防内服について
 3) その他蚊対策など
 4) 帰国してから注意すること

登山・トレッキング・高地渡航について

スポーツ・ダイビングについて
「今まで病気ひとつしたことがない人も海外旅行には英文診断書が必要ですよ」と言うと、ほとんどの人が「嘘でしょ」という顔をします。しかし、その診断書がないために必要な治療を受けられなかった、もっと言えば、診断書がないことが理由で助かる命が助からなかった、ということがあります。英文診断書は現地で非常事態になったときに威力を発揮してくれるものです。

例えばあなたが交通事故に巻き込まれたり、突然の激しい腹痛や高熱で救急病院に運ばれたとしましょう。そのときに、薬のアレルギー歴や過去にした病気などがわからなければ、治療を拒否されることが実際にあります。特に、未成年の留学生などの場合は、軽症であっても親の承諾書がないとまず診察を拒否されます。「特別な理由がない限り診察を断ってはいけない」という<医師の応召義務>があるのは世界広しと言えども日本だけなのです。海外では日本の常識は通用しない、ということです。

ではすべての人が海外に行く前に医療機関を受診して英文診断書を書いてもらわないといけないのかというと、そういうわけでもありません。診断書とは異なりますが、ある程度の情報は自分でも書くことができます。例えば、今までまったく病気をしたことがなくて、健康そのものであり、何の薬も飲んでおらずアレルギーもないという人は、下記のような情報を書いて自分のサインをしたものをパスポートにはさんでおけば、いざというときに役立つでしょう。


My medical information as follows;

I do not have any past history.
I do not have asthma.
I have no food allergy or drug allergy.
I do not take any medication.


もう少し詳しい情報を書いておきたいけれど英語があまり得意でないという人は、得意な人に添削してもらうか、あるいは次にあげる書籍を購入されるのがおすすめです。これを使えば日本語の質問に答えていくだけで併記されている英語で内容が伝わるように工夫されています。
(これら書籍は書店で購入できます。太融寺町谷口医院には見本を置いています)


自己記入式安全カルテ [成人用]

自己記入式安全カルテ [学生用]

自己記入式安全カルテ [小児用]



もしもあなたが何か病気にかかっていたり、薬を飲んでいたり、過去に手術を受けた経験があったりすれば、この場合は自分で作成せずにかかりつけ医に書いてもらいましょう。特に、高血圧や高脂血症で薬を飲んでいる人、アレルギーの薬を飲んでいる人、鎮痛剤、血が固まりにくくする薬、甲状腺の薬、ステロイド、ピルなどを飲んでいる人などは、要注意です。

心臓の手術を受けたことがある人や、脳卒中を起こしたことがある人、その他生命に関わる大きな病気をしたことがある人は、詳細な検査データや画像検査のコピーを付けなければならないことがあります。こういった疾患がある人はまずは(当時の)主治医に相談してほしいのですが、何らかの理由で相談できる医療機関がないという人は、一度メールにてお問い合わせください。