マンスリーレポート

2007年12月号 すてらめいとクリニックとスタッフと私の2007年

これまでこんなこと考えたことは一度もなかったけど、あたしも医療機関で働きたいと思うようになりました・・・

 これは最近ある患者さんから言われた言葉です。

 この患者さんはある病気で悩んでおり、その検査と治療目的で数ヶ月間すてらめいとクリニックに通うことになりました。その病気は最近ようやく治り、「元気になりました」という報告をしにクリニックに来られ、冒頭の言葉を述べてくれたのです。

 この患者さんはその病気のせいで不安にさいなまれ、元来無縁だった不眠や不安症状も出現するようになり、身体だけでなく精神的にもしんどい状況が続いていました。

 スタッフ間のミーティングでも、この患者さんのことはよく話題に上っていてスタッフ全員が気にかけるようにはしていたと思います。その思いが伝わっていたのか、その患者さんは、「看護師や受付スタッフが暖かい笑顔で接してくれて彼女たちのおかげで元気になれた。クリニックの仕事なんて考えたことがなかったけれど、人にやすらぎを与えることのできるこんな仕事をやってみたい」、と言われたのです。

 この患者さん以外にも、「ここで働いてみたい」と言われる方が何人かおられ、これは私にとっては大変嬉しいことです。

 私も含めて患者さんへの対応は、まだまだ改善しなければならない点はありますが、それでもスタッフをほめてくださる患者さんは少なくなく、「素敵なスタッフと一緒に仕事ができる」というのが私にとっての2007年だったと思うのです。

***************

 すてらめいとクリニックは、今年(2007年)の1月に開院となりました。ウェブサイト以外は一切の宣伝・広告をおこなわなかったのですが、患者さんが患者さんを連れて来られるようになり、また近くの会社の健康診断などをおこないだしたこともあって、東梅田界隈で働く人たちのかかりつけクリニックとして機能するようになりました。

 また、東梅田という都会に位置していることもあって、遠方から来られる方も少なくありません。三重県や和歌山県から継続して通われている方もいますし、四国や九州から尋ねて来られる方も少なくありません。
 
 患者さんから手紙やメールをいただくこともよくあり、私自身が患者さんから励まされることも多々あります。

 しかし、患者さんからの苦情やクレームもないわけではありません。

 特に、待ち時間が長いということには何度もお叱りの言葉をいただきました。予約がなければ2時間以上待たされるといったこともあり、最長では3時間半も待っていただいた方もいました。「もうこれ以上待てない!」と言って帰られた方もいますし、この点については、今後も"最重要課題"のひとつとしてスタッフ全員で取り組んでいきたいと考えています。

***************

 私個人としては、今年(2007年)は医師になってからもっとも忙しい年になりました。仕事の内容も大きく変わり、純粋な医療以外の仕事が大幅に増えたことが今年もっとも苦労したことです。

 "純粋な医療以外の仕事"とは、経理や労務関係の業務、レセプト提出業務、電子カルテなどのシステム関連の業務、などがあるのですが、これらには大変なストレスがつきまといます。

 仕事は選んではいけない!ものなのですが、医療に関する勉強や調査、論文を読むことなどにはそれほどストレスを感じないのですが、上に述べたような業務は苦手分野ということもあって、さらに時間のなさがストレスを助長するために、少し前まで食欲不振と継続する倦怠感で慢性的に疲労が取れない状態が続いていました。

 これではマズイ、と思って、すてらめいとクリニック以外の外来や当直業務を減らすようにしています。しかし、すぐに代わりの医者が見つかるはずもなく(医師は慢性的な人手不足!)、代わりの医師が見つかっていない仕事は今も続けています。

****************

 休日どころかプライベートな時間がほとんどなく、疲労感がまだまだ抜けないのですが、それでも冒頭で紹介したような患者さんの声を聞くと、すてらめいとクリニックを始めてよかったなぁ・・・という想いで頭がいっぱいになります。
 
 すてらめいとクリニックは常勤スタッフ5名+非常勤数名の小さな組織ですが、大きな組織にはない長所がたくさんあります。そして、スタッフのひとりひとりの魅力を組織の特色にすることができるのは最大の長所です。

 来月から、すてらめいとクリニックのナースふたりがこのウェブサイトにコラムを連載することになりました。また、クリニックに関係するあるドクターにもコラムを書いてもらうことになりました。

 ふたりのナースとひとりのドクターの連載コラムが始まることで、このウェブサイトはかなり充実したものになると思いますが、もちろん、日々の診療の改善には細心の注意を払っていくつもりです。

 というわけで、来年もよろしくお願いいたします。