医療ニュース

2007年2月20日(火) 14歳少女の転落死はタミフルが原因か

インフルエンザの特効薬のひとつにタミフルがあります。タミフルはインフルエンザに対し効果の高い薬ですが、飲んだ人が異常行動で死亡したり、突然死したりするなどの副作用を指摘する声が以前からありました。

 2004年には17歳少年がタミフル服用後にトラックに飛び込み死亡、2005年には14歳の男子中学生がマンション9階から転落死、2006年には12歳少年がマンションから転落死するなど、毎年のようにタミフルが原因の可能性のある事故が起こっています。2006年7月には名古屋市で、「タミフル被害者の会」も結成されています。

 製薬会社及び厚生労働省の調査では、これらの事故がタミフルの副作用に直接結びついているかどうかの判断は現時点ではついていません。しかし、タミフルの添付文書には、異常行動の警戒を促すような内容が含まれるようになりました。

 2月17日の毎日新聞によりますと、2月16日、愛知県の14歳の少女が自宅マンションの10階から転落死しました。少女が転落死する前にタミフルを1カプセル飲んでいたことが分かり、因果関係が示唆されています。

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 タミフルはインフルエンザに対し高い効果のある薬ですが、(乳幼児や高齢者を除けば)必ずしも飲まなければならないわけではありません。(つい最近まで、インフルエンザの薬などなかったのですから)

 タミフルは、異常行動との因果関係は現時点では判断されていませんが、日常の臨床でよく遭遇する副作用は、腹痛や吐き気・嘔吐などです。

 一方、インフルエンザのもうひとつの特効薬である「リレンザ」は吸入薬ですから上気道(主にのど)が重点的なターゲットになっています。全身に吸収される量はそれほど多くなく、飲み薬よりも気軽に使えるかもしれません。

 また、患者さんのなかには、クリニックにはインフルエンザの診断だけを目的に受診し、(タミフルやリレンザに頼らず)解熱剤と自然治癒力で治す、という人もおられます。