医療ニュース

2007年2月6日(火) 女性の飲酒はC型肝炎をより悪化させる

C型肝炎のある人が大量に飲酒をすると肝硬変や肝臓ガンになりやすいということは、多くの医者が経験上気付いていることですが、女性ではその傾向がより顕著であるとの研究発表が米国でおこなわれました。

 「Clinical and Experimental Research」という医学誌の2007年2月号にこの研究が報告され、2月1日のロイターヘルスが報道していますのでご紹介いたします。

 この研究は2000年から2002年の間に米国のデータベース機関に登録された132,468人のC型肝炎ウイルス(HCV)を保有している人を対象におこなわれました。

 C型肝炎ウイルスに感染している女性で大量に飲酒をしない人の平均寿命が61.0歳だったのに対し、大量飲酒をする人は49.1歳でした。

 一方、C型肝炎ウイルスに感染している男性の間では、飲酒をする、しないで平均寿命にそれほど大きな差はなく、大量飲酒をしない人、する人の平均寿命はそれぞれ50.0歳、55.1歳という結果が出ました。

 この研究が強調しているのは、飲酒がC型肝炎ウイルスに影響を与えるということだけではなく、男女差があるということです。また、今後は人種ごとの差異や、HIVと重複感染している場合の研究をおこなう必要のあることが述べられています。

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 C型肝炎は米国よりもむしろ日本で問題になっている感染症です。割合では血液製剤や輸血によるものが多いのですが、最近では性感染やタトゥー、薬物の静脈注射によるものも増えてきています。感染に気付いていない人も含めると、日本では200万人もの人がこのウイルスを保有していると言われています。心当たりのある人は一度検査を受けるようにしましょう。