医療ニュース

2007年3月3日(土) 米国、若い女性の3分の1がHPVに感染

米国では、14-24歳の女性の約3分の1に相当する約750万人がHPV(ヒトパピローマウイルス)に感染していることを2月28日のワシントンポストが報道しました(日本での報道は3月1日の共同通信)

 HPVは子宮けい癌の原因となるウイルスで、60歳未満の女性全体でも約4分の1が感染しており、専門家たちは従来考えられていたより割合が高く、米国で最も広がった性感染症と考えています。

 子宮けい癌は毎年世界中のおよそ30万人の女性の命を奪っています。米国では約4千人、日本でも2千人の女性がこの癌の犠牲となっています。

 HPVはこのようにやっかいな性感染症ですが、大変有効なワクチンが開発され期待がもたれています。HPVのワクチンは、メルク社の「ガーダシル」とグラクソ・スミスクラインの「サーバリックス」があり、「ガーダシル」は昨年から英国、米国、オーストラリアなどで使用が開始されています。

 オーストラリアでは来月から12歳から26歳の女性であれば無料で「ガーダシル」のワクチンが接種できるようになりますし、米国テキサス州でも少女たちへのワクチン接種が義務化される見通しです。

 日本では現在「ガーダシル」「サーバリックス」とも臨床試験中で、現在約2千人の女性を対象に安全性と有効性が調べられています。ただ、日本の市場に登場するのは早くても2009年頃とみられています。

 日本でもこれらワクチンが承認されれば、おそらく接種が望ましいとされるのは、まだ性交渉を開始する前の年齢層であろうと考えられています。それ以降の年齢の女性は、年齢にもよりますが、年に一度程度の検診を受けるのが望ましいといえるでしょう。

参考:子宮けい癌