医療ニュース

2007年3月6日(火) はしか・風しん混合ワクチンの2回目接種率わずか30%

以前にもお伝えしましたが、日本の予防接種率は諸外国に比べて極めて低いという特徴があります。インフルエンザもそうですし、B型肝炎ウイルスについては"驚異的に"低いといえます。また、いまや先進国ではほとんどみられないはしか(麻疹)にいたっては諸外国から「日本ははしかの輸出国」と揶揄されているくらいです。

 2006年6月から予防接種の方針が変わり、はしか・風しんの混合ワクチン(MRワクチン)の2回接種が始まりました。新しい方法では、1回目を1歳時、2回目を小学校入学までの1年間に受けることになっています。

 ところが、2回目の接種率がわずか30%であることが、国立感染研究所の全国調査で分かりました。今年ははしかの流行が懸念されていることもあり、同研究所は「入学式まであと1ヶ月。無料で受けられる3月31日までに接種を」、と呼びかけています。(報道は3月5日の毎日新聞)

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 はしか・風しんのワクチンは従来は1度でしたが、1回の接種では免疫がつかない子供もいますし、接種から数年がたてば免疫力が落ち発症する人もいます。従来から他先進国では2回接種が一般的でしたから、日本も世界水準に合わせてようやく昨年から2回接種になったという経緯があります。

 WHOによりますと、はしかによる全世界の死者は2005年に34万5千人で、WHOは日本を含む西太平洋地区で2012年までの「排除」を目指しています。日本は1歳児のはしか単独ワクチン接種率が2000年にはわずか45%でした。