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2007年3月9日(金) 3月8日は世界腎臓デー

3月8日は、国際腎臓学会と腎臓財団国際連合が定める「世界腎臓デ-」です。(昨年から毎年3月の第2木曜日にすることが決められています)

 現在、慢性腎臓病(CKD)の患者数は全世界で約5億人になります。日本でも人工透析を要する人が急増しており、糖尿病を初めとする慢性腎臓病の発症、悪化予防が世界的な課題となっています。

 腎臓に関するデータを確認しておきましょう。

 まず、国内で新たに人工透析を始める人が毎年約12,000人。全体では25万人。人工透析に必要な医療費は1人あたり年間約500万円。全体では1兆2千億円。腎不全による死亡は第8位。人工透析を始める原因のトップは糖尿病性腎症。 

 腎臓病は糖尿病など生活習慣病の進行の結果であることが多いのですが、WHOのデータでは、世界の全死亡者数の約6割に当たる3,500万人が、悪性腫瘍(がん)や心血管疾患などの慢性疾患で死亡しています。

 腎臓病の早期発見に重要なのが健診などでおこなわれる尿検査です。専門機関の調査によると、学校や職場健診でたんぱく尿が見つかるのは受診者の3-4%ですが、このうち実際に再検査を受けるのは約半数とのデータがあります。再検査を受けていない人は「たいした異常だと思わない」と答えており、腎臓病に対する意識の低さが問題視されています。

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 すてらめいとクリニックの健康診断でもたんぱく尿が見つかる人がいて、再検査をお願いしています。数回にわたりたんぱく尿が陽性となった場合は、専用容器を持って帰ってもらい、24時間尿をためてもらう検査をします。それでも異常値が出た場合は専門医に紹介しますが、今のところ紹介にまでいたったケースはありません。