マンスリーレポート

2008年11月号 クリニックの名前が変わりました!

医師になってから、私の場合、毎年10月から12月は忙殺されます。学会発表や参加が重なりますし、なぜか私の場合、講演の依頼が年末に集中するのです。あまりに集中するために、今年はせっかくいただいた講演依頼をお断りさせてもらっている状態です。

 学術的な活動や社会活動だけではありません。10月以降は風邪や腹痛の患者さんが急増するために、普段の診察も忙しくなるのです。

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 10月は、大阪プライマリケア研究会という研究会で、「プライマリケア医が担うべきアレルギー疾患」というタイトルで、日頃診察しているアレルギー疾患についての発表をおこないました。

 当院には、アレルギー疾患の患者さんが少なくありません。多い疾患は、花粉症、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、食物アレルギーなどです。なかでも、花粉症+アトピー性皮膚炎や、気管支喘息+アトピー性皮膚炎、といった、複数のアレルギー疾患を抱えた患者さんが多いのが特徴です。

 こういった複数のアレルギー疾患を抱えた患者さんは、これまでは、耳鼻科+皮膚科とか、呼吸器内科+皮膚科、というように複数の医療機関を受診されており、当院にかかるようになってからは1箇所でよくなったというわけです。そもそも、例えば、花粉症とアトピー性皮膚炎の場合、これら2つの疾患の薬は重なるものが多いので、複数の医療機関にかかっていると薬の変更や増量が容易ではないのです。

 今回の発表の趣旨は、「どこにでもあるアレルギー疾患を複数もっている人は少なくない。ならばそれらを総合的に診るプライマリケア医は重要な役割を担っている。ただし、症状が重症化したようなときは、直ちに専門医に紹介しなければならない」というものです。

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 11月1日より、クリニックの名称が「すてらめいとクリニック」から「太融寺町谷口医院」に変更されました。

 これは、2009年1月1日よりクリニックが医療法人になる予定なのですが、その前に名称変更をしておく必要があるからです。

 クリニックの名前は自由に付けていいというわけではありません。医療機関という公益性を有した機関である以上は決められたルールを守らなければならないのです。「決められたルール」というのは、「原則として院長の名前を名称に入れなければならない」というものです。実は、「すてらめいとクリニック」という名称で、クリニックをオープンさせたときも当局からこのように言われていたのですが、そのときは、「すてらめいとビル」(クリニックの入っているビル)の名前を使うことで院長の名前の代わりになるのではないか、という理由をつけて認めてもらっていました。

 しかし、個人事業主としてのクリニックではなく、医療法人としてのクリニックとなれば、社会的に公益性がより大きくなります。したがって、「原則として院長の名前を名称に入れなければならない」というルールは順守すべき、ということになるのです。

 ただし、「谷口医院」とか「谷口クリニック」では全国的には同じ名称の医療機関がたくさんあります。インターネットで検索するときなど、これでは大変分かりにくいですから、当院の住所である「太融寺町」を前に付けたというわけです。

 ところで、一般的にはあまり知られていないようですが、医療法人というのはほとんど公的機関そのもののようなものです。実際、クリニックの資産は(院長や理事長のものではなく)国のものになります。ですから、医療法人が何らかの理由で解散するときには、資産はすべて国が持っていくことになります。

 一方で、医療法人で働く従業員(院長も含めて)は、公務員のように身分や給与が保障されているわけではありません。医療法人で働く者は、経営的にうまくいかなければ給与をもらうことができないのです。しかし、利益がでれば解散するときにそれらを従業員がもらうこともできないのです。要するに「身分の保障されない公務員」のような存在です。

 では、なぜ、そんな"損"をするような医療法人化をするのかと言えば、個人事業主としてのクリニックのままでいると、なにかと「不安定」だからです。

 例えば、もし院長の私が病気や怪我で診察を続けられなくなると、個人事業主のクリニックであれば、その時点で「解散」ということになります。医療法人であれば、院長の私が医療を続けられなかったとしても医療法人そのものは存続します。もちろん、その場合、早急に新しい医師を探さなければ、結局は「解散」ということになってしまうのですが、それでも形の上では、私がいなくても組織は存続するのです。

 これは、患者さんにも安心してもらえるのではないかと思われます。「谷口恭が倒れれば終わり」、というかたちの個人事業の医療機関ではなく、「谷口恭が倒れてもクリニックは(少なくともかたちの上では)存続しています」、という医療法人の方が、患者さんは安心して長期で利用できると思うのです。

 「不安定」な理由はほかにもあります。個人事業主のクリニックであれば、クリニックの経常利益がそのまま私の年収ということに会計上はなってしまいます。今までこの状態できたのですが、開業以来、私の可処分所得はいくらになっているのかが分からないのです。公私混同を避けるためには、個人用に大きな買い物をするわけにもいきませんし、かといって、今年に入ってからは他院での勤務を大幅に減らしていますから、クリニックでの利益から少しくらいはもらわないと生活ができません。

 医療法人になると、院長の私も「給料」をもらうことができます。(ただし院長は「賞与(ボーナス)」を受け取ることはできません) 数字の上では(会計上は)、現在のように個人事業主としている方が私の(みかけの)年収は大きいのですが、医療法人にして給与をもらった方が、"安心して"お金をつかうことができるのです。

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 年末はただでさえ忙しい上に、クリニックの名称変更、医療法人化といった複雑な手続きや事務作業が必要になり(当局を指定の日に訪問しなければならないために、学会発表を1つキャンセルせざるを得ませんでした・・・)、レセプトの電子化などで時間をとられるようになり、ちょうど去年の今頃がそうであったように、生活の余裕がほとんどなくなってしまいました。

 今は、インフルエンザの流行が来ないことを祈るばかりです・・・

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2018/09/25

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