医療ニュース

2008年10月17日(金) 心の健康対策、中小企業は不充分

 従業員の心の健康対策に取り組む企業は33%で、5年前より10ポイント増加。1,000人以上の大企業では90%以上にのぼるが、中小企業では対策に遅れ・・・

 これは、10月10日に発表された厚生労働省の調査結果です。(報道は10月14日の共同通信)

 これは同省が実施している5年に一度の調査で、昨年(2007年)末に、14,000社の企業と、18,000人の労働者が対象となっています。

 健康対策を実施している企業を規模別にみてみると、5,000人以上で100%、1,000人以上5,000人未満で95%と高い数字を示していますが、50人以上100人未満で45%、30人以上50人未満で36%、10人以上30人未満は29%と、規模が小さくなるほど低い結果となっています。

 取り組み内容については、「相談対応の体制整備」59%、「労働者への教育研修・情報提供」49%、「管理監督者(管理職)への教育研修・情報提供」34%など(複数回答)となっています。

 また、「仕事に関して強い不安、悩み、ストレスがある」と答えた労働者は58%と前回より微減しています。前回との比較で増加が目立った項目(複数回答)は、「職場の人間関係」38%(3ポイント増)、「仕事の質」34%(4ポイント増)、「昇進、昇給」21%(7ポイント増)などとなっています。

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 日本の労働者が訴える「心の不調」の最たる理由は「長時間労働」と言われています。今回の結果を受けて、厚労省も「心の健康対策とともに、健康を害する原因となる長時間労働の削減を企業に呼び掛けたい」としています。

 ただ、そう言っている厚労省の役人も長時間労働をしているでしょうし、これを書いている私も週の労働時間は80時間を越えています・・・

(谷口恭)