医療ニュース

2008年11月6日(木) 早食いと満腹で肥満のリスクが3倍に!

 早食いで、かつ満腹になるまで食べる食習慣のある人は、過体重(肥満)になる率がそうでない人に比べて3倍も高い・・・

 これは、『British Medical Journal』という医学誌の10月22日号(オンライン版)に掲載された日本の研究です。(報道は10月22日のHealth Day News)

 今回の研究では、年齢30~69歳の男性1,122人、女性2,165人が食習慣に関する質問票に回答し、男性の50.9%、女性の58.4%は「満腹になるまで食べる」と答え、男性の45.6%、女性の36%が「早食いである」と答えています。

 早食いで満腹になるまで食べる人は、BMI(ボディ・マス・インデックス)(注)と総エネルギー摂取量が高く、満腹になるまで食べず早食いでもない人に比べて、過体重である確率が3倍高いという結果がでています。

 研究を行った大阪大学予防環境医学教授の磯博康氏らは「早食いと満腹になるまで食べることは、"過体重に対して超相加的効果(supra-additive effect=相乗効果)"を持つことが示された」と結論付けています。

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 感覚的にこのことは理解しやすいと思われます。肥満を避けたければ、まず、「早食い」、「満腹まで食べる」のどちらかを止めるべき、ということになります。

注:BMIは、体重(キログラム)を身長(メートル)の2乗で割った数字です。例えば、体重88キログラム、身長2メートルの人なら、88÷2の2乗=88÷4=22ということになります。最も健康的なのは、BMI22~23くらいだと言われています。

(谷口恭)