医療ニュース

2008年12月1日(月) 便秘薬長期使用で2人が死亡

 2005年4月からの約3年間で、便秘薬などとして医師が処方した酸化マグネシウムを服用した15人が副作用の高マグネシウム血症となり、そのうちの2人が死亡していたことが厚生労働省の調査で、11月27日明らかとなりました。(報道は11月28日の共同通信)

 酸化マグネシウムを成分とする大衆薬は、副作用リスクの分類は、現在はビタミン剤などと同じ「第3類」ですが、厚労省薬事・食品衛生審議会は、入院する健康被害が起きる可能性がある「第2類」への引き上げをすでに決めています。来年(2009年)6月施行の改正薬事法では、第2類はインターネットでの販売ができなくなります。

 これまで酸化マグネシウムは副作用のリスクが低いとみられていましたが、厚生労働省は見方を変え、長期間の使用時には定期的に血液中のマグネシウム濃度を測定するよう呼び掛けています。

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 酸化マグネシウムは、便秘に大変よく効き、他の便秘薬と比べると副作用も少なく、また値段も安いため、医師からみたときにも大変便利な薬です。また胃薬としても使うことができるため、「胃がむかつくことがあって便秘がち」という人には大変有用な薬です。

 厚生労働省からの通達は当院にも1ヶ月以上前に届いており、当院で酸化マグネシウムを定期処方している患者さんに対しては血中マグネシウム濃度の測定をおこなっています。(ただし、実際に高マグネシウム血症になる可能性のあるのは高齢者や元々腎臓が悪い人であって、腎機能の正常な若い人にまで本当に検査が必要なのか、とも思えますが・・・)

 当院で扱っている酸化マグネシウムの商品名は「カイマックス」です。まだ血液検査を受けていないという方がおられましたら、次回の診察時に検討しましょう。

(谷口恭)