医療ニュース

2008年5月22日(木) 乳癌の家系は前立腺癌のリスク

 乳癌の多い家系に生まれた男性は、前立腺癌の発症リスクが高い・・・

 オーストラリアなどの研究チームがこのような発表をおこないました。(報道は5月20日の共同通信)

 家族性乳癌には「BRCA2」という遺伝子の変異が関与していることはこれまでも分かっていましたが、この「BRCA2」の変異が前立腺癌のリスクであることが新たに分かり、乳癌と前立腺癌の関連が明らかになったというわけです。

 研究チームは、「乳癌の多い家系に生まれた男性は前立腺癌の検査をすべき。BRCA2遺伝子変異による乳癌を克服した女性は、兄弟や息子に注意を呼び掛けてほしい」と述べています。

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 すべての乳癌が「BRCA2」の変異によるわけではありませんが、乳癌家系の男性は前立腺癌の検査を受けてみるのがいいかもしれません。

 前立腺癌は簡単な血液検査で分かる場合があります。

 「癌が血液検査で発見できる」と考えている人がいますが、実際には血液検査(腫瘍マーカー)で癌が早期発見できるわけではありません。人間ドックなどで、健康な人が腫瘍マーカーを調べることがあるようですが、これはあまりおすすめできません。

 ただ、前立腺癌は例外的に腫瘍マーカーの測定が有効な場合があります。

 尚、乳癌の早期発見には、年に一度程度のマンモグラフィー、もしくは乳腺のエコーが有効です。(すてらめいとクリニックではこれらの検査をおこなっておらず、希望者には然るべき医療機関を紹介しています)

(谷口恭)