医療ニュース

2008年6月30日(月) 低すぎる日本の子宮けい癌受診率

 OECD(経済協力開発機構)が6月26日に発表した国際比較によりますと、日本の子宮頚癌の受診率(検診率)が他国に比べて著しく低いことが分かりました。

 20歳から69歳の日本の子宮頚癌の検診率はわずか23.7%となっています。米国が83.5%、フランスが72.4%、他の欧米諸国は軒並み70%以上ですから、日本の検診率の低さは驚異的ですらあります。

 一方、CTやMRIといった高額な医療機器の設置割合では、日本は世界一位となっています。

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 子宮頚癌がCTやMRIで発見されるようでは遅すぎます。子宮頚癌は早期に発見されれば子宮を取ることなく治療できるのです。いかに検診が大切かということがお分かりいただけると思います。

 子宮頚癌の検診は、子宮頚部(子宮の入り口)をほんの少し綿棒でこするだけで、特に痛みの伴う検査ではありません。もちろん出血もしません。

 一般的には子宮頚癌の検査は「20歳を過ぎたら年に一度はおこないましょう」ということになっていますが、私は「19歳になれば受けましょう」と説明するようにしています。なぜなら、すてらめいとクリニックでは19歳で子宮頚部の異形成(子宮頚癌の一歩手前の状態)がみつかることが少なくないからです。

(谷口恭)