医療ニュース

2008年7月14日(月) タミフルは異常行動に関係なし

 インフルエンザ治療薬のタミフルを服用し飛び降りなどの異常行動が相次いだことで、現在は10代に対するタミフルの処方はできないことになっています。

 実際にタミフルが原因で異常行動が生じているのかどうかを検討するために設立された厚生労働省の作業部会が7月10日に開催され、「服用と異常行動の因果関係は見られなかった」という報告がおこなわれました。

 報告によりますと、タミフル服用者約7,500人のうち、服用後に異常行動がみられたのは12%だったのに対し、服用していない約2,200人でも13%に異常行動があり、服用の有無で異常行動発生率に差は認められません。

 また、2007年から2008年の流行期に全国の医療機関から報告されたインフルエンザ患者の異常行動に関する分析では、突然走りだすなど危険な行動を起こした41人のうち、タミフルを服用していたのは約3割で、6割は服用していなかったことが分かりました。41人のうち10代は14人で、全員がタミフルを服用していませんでした。

 さらに、タミフルの10代への投与中止以前と以後で、異常行動の発生率はほとんど変わらなかった、との結果も報告されています。
 
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 厚生労働省は8月中に安全対策調査会を開催し、10代への投与を解禁するかどうかを決めるようです。

 最も大切なことは、タミフルを使用した場合もしなかった場合も、インフルエンザに罹患した10代をひとりにしないということでしょう。

(谷口恭)