医療ニュース

2008年8月7日(木) 宮崎の女性がダニに刺されて死亡

 宮崎市の70代の女性がダニに刺されて死亡したことを宮崎市保健所が8月1日に発表しました。(報道は8月5日の毎日新聞)

 「ダニに刺されて死亡」は、正確に言うと「マダニに刺されて日本紅斑熱を発症し死亡」となります。日本紅斑熱は、リケッチアと呼ばれる病原体に感染しているダニに刺されることにより発症します。潜伏期間は2~10日で、高熱や発疹がでるのが特徴です。(人から人への感染はありません)

 宮崎市によりますと、この女性は7月中旬、家族とレジャーで市内の山を散策し、腰などをマダニにかまれたそうです。数日後に高熱や発疹が出現し回復せず、7月25日に市内の病院で多臓器不全により死亡しています。

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 日本紅斑熱で死亡することは多くはありませんが、1999年以降4件の報告があります。(届出義務ができたのが1999年です)

 以前、この日本紅斑熱が和歌山で増えているというニュースをお伝えしました。(2008年5月19日(月)「日本紅斑熱に注意」)

 ダニが媒介する感染症は、日本紅斑熱の他にも、恙虫(ツツガムシ)病や、ライム病などもあります。虫刺されに加えて、発熱、倦怠感などが出現したときは、迷わずに医療機関を受診するようにしましょう。

(谷口恭)