医療ニュース

2008年9月20日(土) 妊婦の予防接種は赤ちゃんにも効果?

 妊婦にインフルエンザの予防接種をすると、母親だけでなく新生児にも高い予防効果がある・・・

 これは米国とバングラデシュの共同研究チームが、バングラデシュで臨床試験をおこなった結果で、詳細は「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」という医学誌(2008年9月17日号)に発表されています。(報道は9月18日の読売新聞)

 臨床試験では、妊婦316人のうち、約半数にインフルエンザのワクチン、残りの半数に肺炎球菌のワクチンを接種しています。子供は接種の8時間から3ヶ月後に生まれています。

 生後6ヶ月まで健康状態を追跡した結果、母親が肺炎球菌のワクチンを受けた子供は、157人中16人がインフルエンザにかかりました。一方、母親がインフルエンザのワクチンを受けた子供の発症率はおよそ3分の1という結果になっています。

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 この結果を受けて、日本の厚生労働省は、「可能な限り危険性を排除するため、国内では勧めていない」としています。

 参考までに、米国や世界保健機関は妊婦にインフルエンザのワクチン接種を勧めていますが、すてらめいとクリニックでは、現時点では日本の厚生労働省に従い、妊婦へのインフルエンザワクチン接種をおこなっていません。

(谷口恭)