医療ニュース

2008年9月26日(金) 「電子タバコ」に要注意!

 「電子タバコ」というものをご存知でしょうか。

 電子タバコは、紙巻きタバコに似せたステンレス製の棒に液体ニコチン入りのカートリッジを取り付け、電力でニコチンを含む霧状の気体を発生させる、言わば「ニコチン吸引機」です。電子タバコは2004年に香港の企業が開発し、現在ではイギリス、日本、カナダなどで販売されています。価格は1万円前後のものが多いようです。

 電子タバコのPRのされ方に、「ニコチン量を徐々に減らすことによって禁煙ができる」というものがあります。

 このPRなどをめぐって、WHO(世界保健機関)は、9月19日、「安全性が確認されず正しい禁煙療法とは考えられない」とする声明を発表しました(報道は9月22日の共同通信)

 さらに、WHOは、「製品に使用されている多くの化学物質の中に、強い毒性があるものが含まれている可能性がある」と指摘しています。

 販売業者の中には、ウェブサイトや広告に「WHOお墨付き」と思わせる宣伝文句を使う例もみられ、WHOはこうした言葉を即刻削除するよう業者に求めています。

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 電子タバコは、禁煙グッズとしてだけではなく、「愛煙家の新しいツール」として注目されています。つまり、煙が出ないために「他人に迷惑をかけることのない新しい喫煙」と考えられているのです。

 ただし、他人に迷惑をかけないとしても、今回WHOが指摘しているように、「安全性が確認されていない」わけですから安易な使用は控えるべきでしょう。

(谷口恭)