医療ニュース

2009年10月5日(月) 帯状疱疹が増加、宮崎県

 帯状疱疹というのは痛みが長期にわたり残ることもあり、ときにやっかいな病気ですが、この病気に関して宮崎県皮膚科医会が大規模な調査をおこないました。

 その結果、宮崎県内の帯状疱疹患者数が、1997年の4,243人から10年間で5,226人と23%も増加していることが分かりました。人口当たりの発症率でみると26%の増加となります。(報道は9月29日のキャリアブレイン)

 同医会は1997年から2006年にわたり県内の患者数を集計し、累計48,388人のデータを解析しています。その結果、10年間の累計での人口1000人当たり患者数は4.15となっています。年齢別に見ると、0~9歳が2.45、10歳代が2.86、20歳代が2.27、30 歳代が1.96で、30歳代で最低となっています。40歳代で 2.53と上昇に転じ、50歳代では5.23に跳ね上がります。60歳代では6.95で、70歳代で7.84と最も多くなっています。女性は4.58で、男性の 3.67より25%高くなっています。

 時系列で見ると、全体では1997年の3.60から2006年の4.55と26%増加していますが、50歳代までの各年齢層でほとんど変化していません。ところが、60歳代は6.17から7.58、70歳代は6.52から8.67、80歳代は5.70から7.24と大きく増加しています。

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 これらをまとめると、70代以上での罹患率増加が全体を引き上げていることになり、高齢化が進んだ結果と考えれば理解しやすいと言えるでしょう。

 しかし30代の罹患率が他の世代より低いのはなぜなのでしょうか。太融寺町谷口医院で帯状疱疹と診断されるのは30代の男性が一番多いような印象があります。今後地域ごとのデータが集まれば興味深い結果がでるかもしれません。

参考:はやりの病気第71回 「帯状疱疹とヘルペスの混乱」

(谷口恭)