医療ニュース

2009年1月14日(水) 中国、抗生物質の乱用で毎年8万人が死亡

 中国では薬の副作用で年間約20万人が死亡し、その4割は抗生物質が原因である・・・

 このような発表が中国現地新聞に1月12日におこなわれ話題を呼んでいます。(報道は1月13日の共同通信)

 報道によりますと、中国では抗生物質の乱用で毎年約8万人が死亡し、約800億元(約11兆500億円)の医療費が浪費されていることが指摘されています。抗生物質のなかには、海外では安全性に問題があることから使用禁止となっているのにもかかわらず、中国内では広く使用されているものもあるようです。

 抗生物質乱用の理由について、医療水準の低さや投薬による利益獲得があると報道では伝えられています。

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 抗生物質の使用については、日本の消費についても以前から問題視されています。例えば、抗生物質の世界の消費量の約4分の1が日本で使われていると言われています。また、抗インフルエンザ薬のタミフルの70%は日本で消費されているそうです。

 これに対し、他の先進国では、抗生物質の使用は必要最低限に限られ、例えばオランダでは抗生物質は原則として保険適用がなされずに自費の扱いとなるそうです。

 今のところ、今回のニュースのように日本で抗生物質の乱用で大勢が死亡、というようなことはないと思われますが、抗生物質の使用にはもっと慎重になるべきでしょう。

(谷口恭)