医療ニュース

2009年1月17日(土) タミフル耐性のインフルエンザが急増!

 インフルエンザの特効薬「タミフル」が効かないインフルエンザが急増しているようです。

 厚生労働省の1月16日の発表によりますと、今冬に流行しているAソ連型のインフルエンザの97%がタミフル耐性です。(報道は1月17日の日本経済新聞)

 人がかかるインフルエンザは主に3つあります。「A香港型」「Aソ連型」「B型」の3種です。国立感染症研究所の集計によりますと、今冬は1月15日までに検出された671件のインフルエンザのうち、A香港型が45%で最多、Aソ連型は36%、B型は19%です。

 タミフル耐性のAソ連型は、昨冬に欧州で出現し、すでに米国やアフリカなど各地で高頻度に検出されています。日本でも昨冬に検出されていますが、耐性の割合は全体の2.6%にとどまっていました。

 尚、A香港型とB型は現時点ではタミフル耐性は見つかっていません。

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 日常診療の現場では、インフルエンザのA型とB型はその場で鑑別できますが、A型が香港型かソ連型かは分かりません。ただ、一般にA香港型の方が重症化するため、症状が強いケースではタミフルが有効である可能性が高いと言えます。

 Aソ連型に対しては、タミフルが無効でも、インフルエンザのもうひとつの特効薬である「リレンザ」に対する耐性はみつかっていませんから、A型で症状がそれほど強くないケースではリレンザの使用が適しているといえるでしょう。

(谷口恭)