医療ニュース

2009年12月23日(水) 肥満児が全年齢で減少

 肥満児が年々増えている、ということが近年しばしば指摘されていましたが、どうやら歯止めがかかったようです。

 文部科学省の学校保健統計調査で、肥満の子供の割合がすべての年齢で減少していることが分かりました。(報道は12月21日の読売新聞)

 調査は今年(2009年)の4~6月、70万人の子供を無作為に抽出しておこなわれました。「肥満」の定義は、標準体重より2割以上重い体重とされています。前年度は10歳のみに肥満の増加が認められていましたが、今年は0.85ポイント減少し9.54%なっています。他の年齢もすべて減少傾向になり、すべての年齢で肥満が減少したことになります。全年齢で肥満が減少したのは、1977年度の調査以来初めてだそうです。

 しかし喜んでばかりはいられません。

 肥満とは逆に「やせ気味」の子供が増加傾向にあるようです。文部科学省は、この原因のひとつとして、「スタイルを気にする子の増加」を挙げています。10代後半から20代、30代の若い女性のように極端な「やせ願望」が子供の間にも広がっているのは間違いないようです。

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 肥満児が減ったといっても、これは前年と比較したときの話であって、どの年齢も10%前後に肥満が認められるという現実を考えると、引き続き子供の肥満防止対策を考えなければならないでしょう。そして、同時に極端な「やせ指向」にも注意を払うべきだと思われます。

(谷口恭)