医療ニュース

2009年1月28日(水) 自己判断で抗生物質を中止した人が4割!

 抗生物質を処方された患者の4割が途中で治ったと思い込んで服用をやめた経験がある・・・

 ファイザー製薬の調査によりこのようなことが明らかとなりました。(報道は1月26日の毎日新聞)

 同社は、昨年(2008年)10月にインターネットで各都道府県の男女100人ずつ合計9,400人に調査しました。その結果、40%に抗生物質の服用中止の経験があり、そのうち8割以上の人は「症状が改善された」と自己判断していたそうです。

 薬が余ったとき、中止の経験がある人の42%が、「保存しておき、同じ症状が出た時に再度使う」と答えています。「中断すると、その後は薬の効きが悪くなる可能性がある」ことを知っていたのはわずか48%という結果もでています。

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 その感染症にもよりますが、抗生物質を中途半端に飲めば、生き残った病原菌に対してはその抗生物質が効かなくなる可能性があります。(これを「耐性化」と呼びます)

 薬を薬局で買うよりも医療機関で処方される方が有益なのは、適切な薬を処方されることだけではなく、適切な量を処方してもらえるからです。つまり、同じ感染症であっても、医師の判断でその時に応じた必要な期間の抗生物質が処方されるのです。(ただし、その処方が必ずしも正しいとは限りませんが・・・)

 薬を自己判断で中止するのは、抗生物質に限らず危険なことだということはもっと認識されるべきでしょう。

(谷口恭)