医療ニュース

2009年2月16日(月) 歯の丈夫な人は長生き

 「8020運動」という言葉をご存知でしょうか。これは「はちまるにまるうんどう」と読みます。80歳になった時点で20本の自分の歯を残しましょう、という歯の健康を促す目的でつくられたスローガンです。

 「8020運動」を全国に先駆けて始めたのは愛知県で、始めてから20年が経過しました。20年前に自分の歯が20本以上あるということで表彰された愛知県の80歳の人のその後を調査したところ、平均よりも"元気で長生き"だったことが分かりました。(報道は2月9日の読売新聞)

 報道によりますと、20年前に表彰された241人のうちその後の状況を確認できたのが81人です。90歳以上まで生きた人は70%、100歳を超えた人も10%いました。死亡時の平均年齢は男性91.0歳、女性は92.7歳です。愛知県の最新の80歳の平均余命は男性8.4歳、女性11.3歳ですから、平均と比べて歯の健康な人は長生きしていることになります。死因は、男女とも「老衰」がトップで、男性24%、女性では52%を占めています。

 愛知県健康対策課の関係者は、「自分の歯で食べることが健康長寿につながることが裏付けられた」と話しているそうです。


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 歯の治療は医師ではなく歯科医師が担いますが、我々医師からみても歯という臓器が非常に大切であることは間違いありません。例えば、どちらが先かは分かりませんが、メタボリックシンドロームと歯周病を合併している人は大変多いという印象があります。また、虫歯(齲歯)の多い人に栄養不良があったり不規則な生活をしていたりすることもよくあります。

 (私は歯科医師ではありませんから詳しいことは分かりませんが)、日々の丁寧なブラッシングや定期的な歯科受診(歯石を完全に予防するのは困難です!)はすべての人に不可欠なものといえるでしょう。

(谷口恭)