医療ニュース

2009年2月16日(月) 母子家庭の生活がより厳しい状況

 病気の時や病気がちな状態でも働いている母子家庭の母親は32%で、生活苦が原因で進学を断念した遺児(母子家庭の子供)は9%(前年は6%)にもなる・・・

 これらは「あしなが育英会」が母子家庭を対象におこなったアンケート調査であきらかになったことです。(報道は2月10日の共同通信)

 この調査は、2008年12月から2009年1月にかけ高校1~2年の奨学生がいる1,874世帯を対象に実施され、814世帯から有効回答を得ています。

 「病気でも働いている」のは227人で、昨年2月から8ポイント増加しています。就業中の母親692人のうち非正規雇用は58%で、昨年9月より2ポイント増えています。

 2007年の平均年収は約134万円で、一般サラリーマン(約437万円)の3割弱まで下がっています。1998年と比べると、サラリーマンの平均年収が6%ダウンだったのに対し、母子家庭の母親は33%と大幅に減少しています。

 同育英会は「健康や労働環境、賃金など母子家庭の母親に関するすべての生活条件が悪化している。『どうせ勉強しても進学できない』と感じている遺児も多く、生きることへの絶望感につながらないか心配だ」と懸念しているようです。

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 このように母子家庭の生活苦が深刻化する一方で、大阪府のように財政難から母子家庭への福祉軽減が検討されている自治体もあります。

 行政がダメなら、国民全体、地域全体で母子家庭を支えていくような方法がないものでしょうか・・・

(谷口恭)