医療ニュース

2009年3月17日(火) 米国、不況が原因で睡眠不足が増加

 米国人の3人に1人が、不況や仕事・財政面の不安から十分な睡眠を取れていない・・・

 これは、米国睡眠財団(NSF)の年次調査により明らかになったことです。(報道は3月13日のHealthDayNews)

 今回の調査では、対象者の27%が、過去1カ月に個人的財政(16%)、米国経済(15%)、失業(10%)などの経済的問題が原因で睡眠を妨げられたことがあった、と回答しています。

 また、睡眠障害を訴える人は2001年から13%増加しているのに対して、規則的に8時間の睡眠を取っている人は2001年の38%から28%に減少しています。

 報告者の1人で米ワシントン大学教授のMichael V. Vitiello氏によりますと、財政的な不安が睡眠に影響している人は、十分に睡眠の取れている人に比べて、仕事の効率、運動、健康的な食事、性生活が低下しているほか、睡眠不足のために家族のイベント、レジャー、仕事で必要な場に参加できない比率が2倍以上になるそうです。

 米国では約7千万人が慢性的な睡眠不足や睡眠分断の問題を抱えていると言われています。睡眠障害は男性よりも女性に多くみられ、年齢とともに増大する傾向にあるようです。

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 7千万人もの人が睡眠障害を抱えているなかで、実際に医師に相談したことがある人は全体の3分の1程度だそうです。

 日本人に対する同様の調査は見たことがありませんが、日本も米国と同様(米国以上に?)不況にあえいでいますから、睡眠障害が増えているかもしれません。そういう目でみてみると、太融寺町谷口医院でも睡眠障害を訴えて受診する人が増えているようにも感じます。

(谷口恭)