医療ニュース

2009年4月4日(土) 保険のない高校生が4367人

 以前に、「親が保険料を滞納しているため医療機関にかかれない子供が増えている」というニュースをお伝えしましたが、こういった事態をなくすために改正国保法が4月1日に施行されます。これは、親の保険料滞納で無保険となった「義務教育以下の子供」を救済することを目的としています。

 「義務教育以下の子供」というのは中学生以下ということですから、高校生は救済の対象となりません。では、保険がなく医療機関にかかることのできない高校生はどれくらいいるのかというと、毎日新聞の全国調査では、少なくとも全国330自治体で4,367人になることが判りました。(報道は4月1日の毎日新聞)
 
 この調査は、1,792の全国の全自治体(国保関連の広域連合を含む)を対象に実施され、1,103市区町村から回答が得られています(回答率61.6%)。

 無保険で医療機関を受診できなければ、病気が重症化することが予想されます。このため全体の14%の自治体では独自に救済をおこなっているようです。

 高校生世代の無保険の子が最も多かったのは札幌市の480人ですが、札幌市は昨年12月、18歳未満へ保険証を交付し、独自に救済する措置をとっています。2番目に多かったのは福岡市で228人ですが、「今のところ、(義務教育を超えて)年齢を引き上げる予定はない」としています。

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 保険がないから医療機関にかかれない、という言葉を最近よく聞きます。例えば、慢性疾患を抱えて太融寺町谷口医院に通院している患者さんでも、「仕事の契約が切れるので来月から保険がなくなり受診できなくなるかもしれません・・・」と言われることがあります。

 また、保険がなくなるから・・、とまで行かなくても、「収入が減ったために(3割の)自己負担を支払うのがしんどくなってきて・・・」という患者さんは大変増えています。

 不況→受診抑制→病状悪化、という流れになっていくことを懸念します。

(谷口恭)