医療ニュース

2009年8月17日(月) 長期喫煙者の6割がCOPDの疑い

 喫煙歴がある40歳以上の男女の6割に、気道や肺に障害が生じて息切れがする「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」の疑いがある・・・

 これは、ファイザー製薬が2009年6月にインターネットを使った調査で明らかとなった結果です。調査対象は10年以上の喫煙歴がある40~90歳の男女合計600人です。

 「朝起きてすぐに、たんがからむことがよくあるか」「天候により、せきがひどくなることがあるか」など、COPDの疑いがあるかどうかを判定する複数の質問をした結果、全体の62%が「疑いあり」に該当しています。年齢が高いほどその割合は高く、40代では20%ですが、50代では69%、60歳以上になると97%という高い数字がでています。

 一方、COPDの疑いのある人に、長期間の喫煙が原因であることを知っているかどうか尋ねた質問では、「知っている」と答えた人は33%にとどまっています。

 また、喫煙者全体の65%がニコチン依存症であり、このうち17%がうつ病やうつ状態の疑いがあることもわかりました。

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 COPD(慢性閉塞性肺疾患)という言葉はあまり馴染みがない病名かもしれませんが、タバコを吸う高齢者では非常に多い病気です。以前は「肺気腫」という病名の方がよく使われていましたが、最近では「肺気腫」と「慢性気管支炎」を合わせてCOPDと呼ぶのが一般的です。

 この病気を防ぐにはどうすればいいのか。それはもちろん「禁煙」です。ファイザー製薬は禁煙補助薬を販売していることもあって、おそらくこのような調査をおこなったのでしょう。この調査結果がファーザー製薬の売り上げを伸ばすかどうかは別にして、この調査結果をみて禁煙の重要性を認識する人が少しでも増えればこの調査の意味はあったと言えるでしょう。

(谷口恭)