医療ニュース

2009年9月10日(木) 自殺者の4人に1人がアルコール問題

 自殺に至った背景を調べた43人のうち、10人がアルコールをめぐる問題を抱えていた・・・。

 これは自殺予防総合対策センター(下記参照)が9月8日に発表した調査結果です。この調査に際して、同センターは、自殺した人の遺族に対し、自殺に至った経緯や心理状態について昨年(2008年)聞き取りをおこなっています。(報道は9月9日の共同通信)

 調査結果によりますと、調査対象者43人のうち、アルコール依存症や不眠のための寝酒の習慣があった人が10人に上っています。10人全員が40~50代の仕事を持つ働き盛りの中高年で、10人のうち4人は自殺時にも多量のアルコールを飲んでいたそうです。

 1日当たりの平均飲酒量は日本酒換算で3.5合と算出されています。

 また、43人のうち20人が精神科に通院しており、離婚や借金などの問題を抱えている人もいたようです。

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 自殺予防総合対策センターは、2005年に参議院厚生労働委員会「自殺に関する総合的対策の緊急かつ効果的な推進を求める決議」において設置することが決議された機関で、2006年10月から正式に活動を開始しています。

 今回の調査結果を考察すると、「うつ病などの精神疾患やアルコールが自殺に密接に結びついており、地域社会や社内、家族で、まずこういった問題に関わっていくことが自殺減少につながる可能性がある」、ということになると思います。

 参考までに9月10日は「世界自殺予防デー」、9月10日から16日は「自殺予防週間」です。

(谷口恭)