医療ニュース

2010年2月1日(月) 子供の誤飲、トップは30年連続でタバコ

 家庭で起きる子供の誤飲事故のトップはいつもタバコです。

 厚生労働省が1月31日、「家庭用品などにかかる健康被害病院モニター報告」を発表し、子供の誤飲で2008年度に最も多かったのがタバコで33.3%に上ることが分かりました。これで子供の誤飲は1979年度の調査開始以来、30年連続でタバコがトップということになります。

 最近は「禁煙志向」が高まり、タバコが誤飲事故全体に占める割合は減少傾向にあるようですが、それでもダントツの1位です。(2位は「医薬品・医薬部外品」、3位は「玩具」)

 この調査は、全国7ヶ所の病院で報告のあった477件の誤飲事故を集計することによりおこなわれています。477件のうちタバコによるものは159件です。年齢別では生後6ヶ月から1歳半に集中しており139件に上っています。

 タバコの誤飲が多いことに対して、財団法人日本中毒情報センターは「たばこの誤飲事故が多いのは畳の上での生活が多い日本特有の傾向。大人の不注意で床や低いテーブルなど乳幼児の手が届きやすい場所にたばこが置かれる」と分析しています。

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 タバコは、ニコチンの浸出液を誤飲した場合が深刻です。特に、缶飲料の空き缶に水を入れ灰皿代わりに使用しての誤飲事故が最も起こりやすく、また最も危険といえます。小児の場合、タバコ1本でも死に至ることがありますから、このような"簡易灰皿"の使用は控えるべきでしょう。

 子供の誤飲にはさらにもうひとつ特徴があります。それは何度も繰り返すことがあるということです。乳幼児には「学習効果」はないと考えるべきです。

(谷口恭)