医療ニュース

2010年3月24日(水) 米国の子供、アトピーの治療薬で46人がガンに

 プロトピックというアトピー性皮膚炎の治療薬をご存知でしょうか。プロトピックは日本では1999年に認可された免疫抑制剤の外用薬で、登場した頃は、かなり注目されており「ステロイドに代わる夢の治療薬」などともてはやされたこともありました。

 そのプロトピックともうひとつの免疫抑制剤により、アメリカでは合計46人の子供がガンを発症していたことがFDA(米国食品医薬品局)の調査で発覚しました。(報道は3月23日の共同通信など)

 FDAによりますと、2004年1月から2009年1月の5年間で、46人の子供が白血病や皮膚ガンなどを発症し、そのうち4人はすでに死亡しているそうです。0~16歳でプロトピックを使用した15人、エリデル(日本未発売)を使用した27人、及び両方を使った4人の合計46人が皮膚ガンやリンパ腫、白血病などを発症しています。

 これら46人のうち、50%は添付文書で「使うべきでない」とされている2歳未満の子供のようです。さらに41%は1年以上の長期使用をしており、これも「安全性が確立していない」と注意喚起がされています。また、プロトピック使用後にガンになった子供の26%は、子供用のプロトピックではなく、濃度の高い「大人用」を使っていたそうです。

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 不適切な使用が多いとは言え、プロトピックの小児への使用は充分に注意すべきであることをこのニュースは物語っています。プロトピックを成人に使用する場合、ガンのような重度の副作用はなくても、ある程度長期で使えばニキビやヘルペスが起こりやすくなります。発売当初は、「夢のアトピー治療薬」のようにもてはやされましたが、実際は使いにくいケースもしばしばあります。また妊婦さんには使用できません。

 しかし、一方ではプロトピックが劇的に効いて(特に顔や首には有効な場合が多いといえます)、プロトピックが手放せなくなったという人もいます。(長期使用には充分な注意が必要ですが・・・)

 あまり期待しすぎるのも問題ですが、初めから副作用を怖がって使わないというのもおかしな話であり、患者さんごとに使用を検討すべきでしょう。

(谷口恭)

注:プロトピックは一般名を「タクロリムス水和物」といい、アステラス製薬から販売されています。

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