医療ニュース

2010年4月2日(金) 肥満児の早期死亡率は2倍

 肥満児では、正常体重児に比べ、55歳未満での早期死亡リスクが2倍も高くなる・・・

 これは医学誌「New England Journal of Medicine」オンライン版の2月11日号に掲載された論文です。研究はスウェーデンのウメア大学病院(Umea University Hospital)のPaul W. Franks教授を中心としたチームでおこなわれています。

 研究では、1945~1984年に生まれた米国先住民の小児4,857例のデータから、体重、血糖、血圧、血中コレステロール、55歳未満の死亡との相関関係が分析されています。およそ24年の期間中での死亡者数は166人です。

 分析の結果、小児期に肥満のあった人では、55歳未満で死亡するリスクが肥満のなかった人の2倍であることが分かりました。小児期に高血糖だった人も、最も低い血糖レベルだった人に比べると、早期死亡リスクが73%増大していました。血中コレステロールと血圧については将来の死亡との有意な関連は認められませんでしたが、高血糖に高血圧を合併した場合は、やはり早期死亡につながる可能性が指摘されています。

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 肥満があれば早死にするリスクが2倍、と言われると小さい頃からの体重コントロールが大切になってきます。まだダイエットなどに関心がもてない幼少児に親の教育が大切ということになるのでしょうか・・・。

 この論文のタイトルは「Childhood Obesity, Other Cardiovascular Risk Factors, and
Premature Death」で、下記のURLで全文を読むことができます。

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa0904130


(谷口恭)