医療ニュース

2010年7月30日(金) 座っている時間が長い人は短命?

 座って過ごす時間が長い人ほど寿命が短くなる・・・
 
 これは、米国アトランタの米国ガン協会(American Cancer Society)に所属するAlpa Patel博士らによる研究結果で、医学誌『American Journal of
Epidemiology』2010年7月22日号に掲載されています。

 この研究では、特に病歴のない成人(男性53,440人、女性69,776人)を対象として1993年から2006年にかけて14年間追跡調査がおこなわれています。調査期間中に、男性11,307人、女性7,923人が死亡しています。

 BMIや喫煙による影響を取り除いた調査の結果、1日6時間を座って過ごす人は、座る時間が3時間未満の人に比べて、死亡リスクが女性で34%、男性で17%高くなっていることがわかりました。

 さらに、長い時間座って過ごし、なおかつ運動をあまりしない人に限ってみれば、座る時間が短い人に比べて、女性で94%、男性で48%死亡リスクが高くなっていたそうです。

 また、今回の研究では、死因としてガンよりも心疾患の比率が高かったようです。

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 この研究で興味深いのは、「運動をすれば死亡リスクをいくぶん軽減することはできるものの、運動(physical activity)を考慮に入れても死亡リスクへの影響は依然として有意である」、ということです。

 つまり、座る時間の長い人は、禁煙して肥満に気をつけて定期的な運動を取り入れたとしても、座る時間の短い人に比べると死亡リスクが高くなる、というわけです。

 今のところこの原因はわかりませんが、座りっぱなしで運動時間(特に脚の運動時間)が短いことで寿命に影響を与える生物学的因子があるのではないかと推測されています。

 この研究結果が普遍的なものだとすれば、職種によって寿命に差がでるはずです。例えば、事務職は(外回りの)営業職に比べて短命、とか、(長時間立ちっぱなしの)脳外科医や心臓外科医は(座りっぱなしの)精神科医より長生き、とかです。周りを見渡してそのような傾向があるようにも思えないのですが、実際はどうなのでしょうか・・・。

(谷口恭)

注:この論文のタイトルは、「Leisure Time Spent Sitting in Relation to Total Mortality in a Prospective Cohort of US Adults」で、下記のURLで概要を読むことができます。

http://aje.oxfordjournals.org/cgi/content/abstract/kwq155v1?maxtoshow=&hits=10&RESULTFORMAT=&fulltext=Alpa+Patel&searchid=1&FIRSTINDEX=0&resourcetype=HWCIT

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