医療ニュース

2010年9月26日(日) 朝食を毎日摂れば幸せに?!

 朝食を毎日摂る習慣がある人ほど自分を幸福と感じている・・・

 これは東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授らの調査で導き出された結果です。(報道は9月20日の読売新聞など)

 この調査は、2010年7月、20~60歳代で仕事を持つ男女各500人の合計1,000人に対し、インターネットを通して、朝食の習慣や何を幸せと感じるか、仕事や生活の満足度などを質問しています。

 その結果、現在の「幸福度」を100点満点で尋ねたところ、毎日朝食を摂る人(以下「毎日」)(637人)は平均67.9点で、週2日以下の人(以下「週2日以下」)(156人)の59点と大きく差が開いていることがわかりました。「毎日」は、経済面よりも健康状態を重視する傾向があり、家族と過ごしている時に幸せを感じる割合も高いという結果がでています。

 総合的な生活の充実度は、「毎日」は65.4点で、「週2日以下」の53.8点を大きく上回っています。「毎日」は、趣味や余暇の満足度でも、「週2日以下」に比べ10点以上高かったそうです。

 仕事についての調査では、朝食習慣による効率や勤務態度の自己評価に大きな差は認められませんでしたが、転職希望者が、「毎日」の36.4%に対し、「週2日以下」は57.1%と高くなっています。

 朝食の内容では、幸福度が高い人ほど、果物や野菜をよく食べる傾向にあることがわかったそうです。

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 この調査でまず特筆すべきなのは、朝食を毎日摂る人が6割以上(63.7%)を占めるということです。そして、その6割のグループに入っている人の方が、幸せを感じていて、生活面でも仕事面でも充実している、ということになります。

 少し個人的な話をすると、管理された社会に抵抗感を持っていた10代の頃、私は「規則正しい生活」がすごく退屈なものに思えてなりませんでした。好きなときに目覚めて好きなときに好きなものを食べて飲む、といったデカダンス的な生活に憧れていたのです。ところがこれまでの人生を振り返ってみると、この調査が示すように毎日朝食を食べている時期が一番充実しているような気がします。

 「規則正しい生活」の価値に気付いてしまった私は、それだけ年をとってしまったということかもしれないな・・・、と、この調査結果をみて感じました。

(谷口恭)