医療ニュース

2011年12月5日(月) 白血病のデマにご用心

 最近、ネット上の掲示板、ツイッター、ブログ等で、「白血病患者急増 医学界で高まる不安」というタイトルで、とんでもないデマが広がっているようです。以下に内容をそのまま引用します。
 
 各都道府県の国公立医師会病院の統計によると、今年の4月から10月にかけて、「白血病」と診断された患者数が、昨年の約7倍にのぼったことが21日に判明した。これを受けて、日本医師会会長原中勝征は、原発事故との因果関係は不明として、原因が判明次第発表するとした。
 
 白血病と診断された患者の約60%以上が急性白血病で、統計をとりはじめた1978年以来、このような比率は例が無いという。

 また、患者の約80%が東北・関東地方で、福島県が最も多く、次に茨城、栃木、東京の順に多かった。

 もちろんこのような事実は一切ありません。しかし、このデマを正しい情報と信じてしまっている人も少なくないようで、日本医師会はこの情報が誤りであることを正式に表明しなければならなくなりました(注)。
 
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 医師会は国公立ではありませんから、医療関係者であれば、「国公立医師会病院」という言葉を見た瞬間にガセネタであることが分かりますが、放射線被害に対する様々な噂があるなかで一般の人がこのような報道まがいのものを見ると信じてしまうかもしれません。
 
 このデマを流した人は軽い気持ちのイタズラでおこなったのでしょうが、結果として大勢の人たちが不安に苛まれ、被災地の人たちを傷つけることになっています。デマを流す罪は決して小さくありません。
 
(谷口恭)

注:日本医師会はホームページ上で見解を表明しています。下記のURLを参照ください。

http://www.med.or.jp/people/info/people_info/000614.html