医療ニュース

2011年2月21日(月) リンゴ病がアウトブレイク!

 ほっぺたがまるでリンゴのように赤くなることから名づけられたリンゴ病、正式には伝染性紅斑と言いますが、この感染症が4年ぶりに猛威を振るっています。

 国立感染症研究所の発表によりますと、1月24~30日の全国約3千ヶ所の小児科定点からの報告が2,008人で、これは昨年(2010年)の同時期と比べて約6倍になります。前回流行したのが2007年ですから4年ぶりということになります。(その前は2002年に流行しました)

 リンゴ病は子供のありふれた病気でたいしたことがないと思われがちですが、実は成人に感染すると重症化することもあります。特に関節痛と高熱が強くなり、数日間寝込まなければならないという場合もあります。特効薬はなく、解熱鎮痛剤を飲む以外に対処方法はありません。
 
 皮膚症状としては、ほっぺたが赤くなる以外に腕や太ももに特有の皮疹がみられます。(これは「レース状」と表現されますが、実際には様々なかたちをとります)

 また、妊婦さんに感染すると流産や早産のリスクが増大することが知られています。

 リンゴ病は通常の風邪と同じように飛沫感染しますから、日頃からうがい・手洗いが重要です。リンゴ病の流行は春から夏にやってきますから、今後しばらくの間充分な注意が必要です。尚、リンゴ病にワクチンはありません。

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 リンゴ病は子供に集団感染し、妊婦さんに感染させてはいけない感染症です。ですから、2番目の子供を妊娠中のお母さんが幼稚園に子供を迎えにいったときに感染、などといったケースには特に注意しなければなりません。

 もしもあなたの周りに妊娠している人がいれば、ただの風邪かな、と思っても充分な注意が必要です。

(谷口恭)