医療ニュース

2011年3月15日(火) 肥満男性の3割は減量を試みていない

 厚生労働省が健康増進法に基づいて毎年おこなっている調査に「国民健康・栄養調査」というものがあります。2011年3月8日、同省は平成20年版の報告(完全版)を公表しました。概要版については、すでに2009年11月に公表されており、肥満と喫煙に関するデータをこの「医療ニュース」でも紹介しました。(下記参照)

 詳しい報告書は下記URLで誰でも閲覧することができますので、興味のある方は参照いただきたいのですが、注目すべき点を少しあげていきたいと思います。

・肥満者(BMIが25以上)の割合は、男性28.6%、女性20.6%。

・男性の20-60歳代は、過去5年間で肥満者割合の増加傾向にあるが、それ以前の5年間に比べると増加率は鈍化している。

・女性の40-60歳代では、肥満者の割合が減少している。

・やせの者(BMIが18.5未満)の割合は、男性4.3%、女性10.8%であり、女性では20代(22.5%)および30歳(16.8%)で高い。

・体重を減らそうと考えている者の割合は、男性で40.5%、女性で51.6%。

・肥満者の男性の29.8%は体重を減らそうと考えていいない。

・やせている女性の12.6%がさらに体重を減らそうとしている。

・運動習慣のある者は、男性33.3%、女性27.5%であり、平成15年に比べ男女とも増加している。

・現在習慣的に喫煙している者は、男性36.8%、女性9.1%で、平成15年以降男女とも減少している。

・たばこをやめたいと思う者は、男性28.5%、女性37.4%であり、平成15年に比べ男性では増加している。

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 全体的な傾向として、男性は肥満が増えているのにもかかわらず減量に無関心、女性は特に若い世代でやせているのにもかかわらずさらにやせようとしている、といった感じでしょうか。

(谷口恭)

注:この報告書の詳細は下記URLで読むことができます。

http://www.m3.com/tools/Document/WIC/pdf/201103_2/1494_7_1.pdf


参考:医療ニュース2009年11月11日 「厚労省の調査、喫煙率21.8%、肥満度改善」