医療ニュース

2011年3月8日(火) 日本の自殺者、13年連続で3万人超

 3月3日、警察庁は昨年(2010年)1年間の全国での自殺者が、31,690人であったことを公表しました。1998年以来、13年連続で自殺者が3万人を越えたことになります。(注)

 総数は昨年を1,155人下回り、3.5%の減少ということになります。年齢別では、50代が5,959人(前年比8.2%減)と最多で、70歳代(0.1%増)を除く各世代で前年を下回っています。

 自殺の動機をみてみると、まず動機を特定できたのが23,572人。最多が「うつ病などの健康問題」の15,802人となっています。また、「就職失敗」「職場の人間関係」「仕事の失敗」の死者数が、動機別の統計を取り始めた2007年以降で最悪となっています。

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 「うつ病などの健康問題」が生じる理由に、「就職失敗」「職場の人間関係」「仕事の失敗」があることは想像に難くありません。ということは、現在の日本のこれほど悲惨な自殺状況の原因の多くが「労働環境」にあることは間違いなさそうです。

(谷口恭)

参考:医療ニュース2010年1月27日 「日本の自殺者12年連続で3万人超え」

注:厚生労働省のデータでは3万人を割っている年もあります。これは警察庁と厚生労働省で自殺者数のカウントの仕方が異なることが原因です。厚生労働省は、「死亡届」を基に人口動態の統計を取るのに対し、警察庁は、死亡届が出された後に、自殺と判明したケースも「自殺者」に含めます。