医療ニュース

2011年7月10日(日) アレロックとアレグラに副作用の報告

 すでにマスコミでも報道されていますが、抗アレルギー薬のアレロックとアレグラに副作用の注意勧告がおこなわれています。

 アレロック(一般名はオロパタジン)は、劇症肝炎による死亡例が2例報告されています。1例は、高血圧を患っていた90代の男性、もう1例はホルモン剤を内服していた40代の女性です。

 アレグラ(一般名はフェキソフェナジン塩酸塩)は、無顆粒球症,白血球減少,好中球減少が報告されています。

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 肝炎は、劇症肝炎にまで進行すれば、黄疸や黄色の尿などが出現しますが、その前に全身倦怠感が生じますから、アレロックを内服していて、疲れやすい・だるい、といった症状がある人は早めに主治医を受診すべきでしょう。ただ、アレロックの発売元である協和発酵キリン社によれば、アレロックの年間使用者数は4,438,000人もいるそうですから、頻度としては高いわけではありません。

 アレグラの副作用の、無顆粒球症・白血球減少・好中球減少は、いずれも症状が出るとすれば、風邪を引きやすくなったり、喉の痛みがとれなかったり、といった感染症の徴候です。どれくらいの頻度で出現するのかは不明ですが、気になる人はやはり主治医に相談しましょう。

 太融寺町谷口医院の患者さんのなかにも、アレロック、アレグラとも使用している人は少なくありません。患者さんひとりひとりに対しては、次回受診されるときにお話させていただきたいと考えています。

(谷口恭)