医療ニュース

2011年9月2日(金) チャンピックス服薬者の意識障害

 厚生労働省は8月30日、禁煙補助薬のチャンピックス(一般名はバレニクリン)を服薬した人が意識障害を起こした事例が2008年5月から2011年4月の間に6例報告されたことを発表しました。6例は40~70代の男女であり、そのうち3例は車を運転中に事故を起こしていたと発表されています。

 同省は、チャンピックス販売元のファイザー製薬に対し、使用上の注意の重大な副作用欄に「意識障害」を加えるよう指示した、と報道されています。(報道は8月31日の毎日新聞、共同通信など)

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 チャンピックスによる意識障害は、日本発売前から海外では発生例が報告されており、そのため米国ではパイロットは服用してはいけないことになっているはずです。

 太融寺町谷口医院にも、因果関係ははっきりしないものの、チャンピックスでぼーっとしたような気がする、という患者さんがおられたため使用を中止してもらったことがあります。(ファイザー製薬にも報告しています)

 これまで日本でチャンピックスを服用した人はおよそ414,000人だそうです。このなかの6人に起こったということですから、意識障害は10万人に1~2人に起こりうる、という計算になります。この数字は大きくはないでしょうが、やはり車の運転などをおこなう人は充分注意すべきでしょう。太融寺町谷口医院の患者さんにもさらに注意を促していきたいと思います。

(谷口恭)