医療ニュース

2012年12月1日(土) 年末年始はノロウイルスとインフルエンザに要注意

 ノロウイルスによる感染性胃腸炎がはやっています。国立感染症研究所の報告によりますと、11月12~18日の1週間での1医療機関あたりのノロウイルス感染症の罹患者は11.39人とされており、これはここ10年間では最も流行した2006年に次ぐ勢いとなります。

 地域別のデータをみてみると現時点では宮崎県や大阪府など西日本に多いようです。太融寺町谷口医院でも11月中旬からノロウイルスが原因と思われる嘔吐・下痢の症状の患者さんが相次いでいます。

 同所の報告によれば、年齢は0~5歳が大半とされていますが、これは届出されているのが小児中心であるためにこのような結果になるのであり、実際は統計に上がってこない成人の感染はかなり多数あるはずです。ノロウイルスは例年12月に急増しますからこれからの予防対策が重要になります。

 インフルエンザも不気味な動きをみせています。今年は沖縄で早くから流行していましたが、それ以外の地域では大きな流行はありませんでした。それが11月中旬より、九州全域、島根、和歌山、新潟、さらに宮城や岩手といった東北地方まで集団感染の報告が上がってきています。ここまでくれば東京や大阪などの大都市での流行はカウントダウンに入ったとみるべきでしょう。

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 予防については、インフルエンザのみをターゲットにするなら、ワクチンを接種しておき(今からではちょっと遅いかもしれませんが)、ジェルタイプの携帯用アルコールなどで手指を消毒することとうがいを心がければいいでしょう。
 
 しかしノロウイルスはアルコールで死滅しませんから、流水下でしっかりと手洗いする必要があります。感染力は強く、食べ物からの感染のみならず人から人への感染も簡単に起こします。ワクチンもありません。

 月並みな言い方ですが、うがい・手洗いをしっかりとおこない年末年始を乗り切りましょう。

(谷口恭)