医療ニュース

2012年8月1日(水) 喫煙者率、2011年も過去最低だが・・・

 JT(日本たばこ産業)は毎年「全国たばこ喫煙者率調査」をおこなっています。今年は全国の成人男女約32,000人を対象に5月に実施されました。回答を得たのは19,897人からで回収率は62%ということになります。以下の結果が7月30日に発表されました(注1)。

 男女合計21.1%(前年から0.6ポイント低下)
 男性のみ32.7%(前年から1.0ポイント低下)
 女性のみ10.4%(前年から0.2ポイント低下)

 JTは、高齢化の進行、健康意識の高まり、2010年10月に実施されたタバコ税増税などが喫煙者率減少の要因とみているようです(注1)。

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 JTはいくつかの理由で喫煙者率が減少したことを強調したいようですが、今回の低下率は0.6ポイントですから、2010年から2011年の低下率が2.2ポイント(下記医療ニュース参照)だったことを考えると低下率は鈍くなっていることがわかります。

 結果の解釈については「過去最低になって良かった」ではなく、「禁煙を試みる人が減り喫煙者の減少率が鈍くなり好ましくない状態」とみるべきではないか、と私は考えています。

注1:JTのウェブサイトで詳しく紹介されています。下記URLを参照ください。

http://www.jti.co.jp/investors/press_releases/2012/0730_01.html

参考:医療ニュース
2011年10月15日 「喫煙者率が男女とも過去最低に」
2010年8月16日 「喫煙率、男性は過去最低、女性は再び増加」