医療ニュース

6/30 皮膚の老化は「日焼け止め」で防ぎましょう

 紫外線が皮膚のいくつかのガンの原因になるというのは次第に知られてきていると思います。また、化粧品業界などでは「効果的な日焼け止め対策が皮膚の老化を防ぎます」などという表現を使い、我々医療者の実感としても、きちんと紫外線対策をしている人の皮膚は若く見える、という印象があります。しかし皮膚の老化を長期間に渡り調査した研究というのはそう多くはありません。

 日焼け止めを毎日使うと皮膚の老化が24%抑制できる・・・
 しかしβカロテンのサプリメントを摂取しても老化は防げない・・・

 これは、オーストラリアのクイーンズランド州ナンブア(Nambour)に在住の55歳未満の男女約900人を対象とした研究結果で、医学誌『Annals of Internal Medicine』2013年6月4日号(オンライン版)(注1)に発表されています。調査期間は1992年から1996年で、調査では日焼け止めの使用の他にβカロテンのサプリメントの効果も調べられています。

 対象者は次の4つのグループにわけられて解析がおこなわれています。

①日焼け止め毎日使用+βカロテン30mg摂取
②日焼け止め毎日使用+βカロテン摂取せず
③日焼け止め毎日使用せず+βカロテン30mg摂取
④日焼け止め毎日使用せず+βカロテン摂取せず

 皮膚の老化をどのようにして評価しているかというと、対象者の左手背に薄いシリコンシートを貼り付けて剥し、表皮の凹凸やしわの型がついたそのシートを解析したようです。

 日焼け止めを毎日使用していたグループでは皮膚の老化が1.18倍となり、日焼け止めを毎日使っていないグループでは老化が1.54倍で、日焼け止めを毎日使うことによって皮膚の老化が抑制できるという結果となっています。これを統計学的に解析すると「皮膚の老化を24%抑制できる」となるようです。

 一方、βカロテン摂取では有意差がでていません。摂取したグループとしていないグループで、それぞれ老化が1.31倍、1.38倍ですから、いずれの皮膚も老化が進行していることになります。

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 ナンブア(Nambour)という都市を地図(Google MAP)で調べてみると、州都のブリスベンの北およそ100kmに位置し、南緯は26度で、海にも近く、いかにも暑そうな(しかし魅力的な)地域です。また(インターネットで調べた即席の情報ですが)それほど都市機能が集中しておらず自然を満喫できるような地域のようです。つまり住民の多くは紫外線を日常的に浴びている地域であり、こういった研究にはうってつけの場所といえるでしょう。

 この文章を書くのに「sunscreen」を「日焼け止め」としました。最近は「サンスクリーン」という言葉が少しずつ浸透してきており、皮膚科関連の学会などでは「サンスクリーン」と表現されるのが一般的です。しかし、日々診察室で「サンスクリーン」と言っても患者さんに伝わらないことが多く、まだまだ「日焼け止め」という言葉の方が一般的なのだと思います。

 しかしsunscreenは、日焼けを止めることのみを目的としているわけではありません。この研究にあるように、まさに「老化を防ぐ」ためのものです。したがって、日本でも特に4月から9月頃の紫外線が強くなるシーズンには誰もがサンスクリーンを使用すべきと私は考えています。

 それから、この研究にあるように安易にサプリメントに頼らないことも重要です。サプリメント以外にも「シミに効く薬をください」などと言われることも多く、そういった薬がないわけではありませんが、一番大切なのは日頃の紫外線対策であることは言うまでもありません。

(谷口恭)

注1:この論文のタイトルは、「Sunscreen and Prevention of Skin Aging: A Randomized Trial」で、下記のURLで概要を読むことができます。

http://annals.org/article.aspx?articleid=1691733#Abstract

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2018/09/25

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