医療ニュース

2007年10月16日(火) 勤勉がアルツハイマーを予防する?

 勤勉、実直な性格や生活様式がアルツハイマー病の発症を抑えるかもしれない・・・

 米国ラッシュ大医療センターの研究チームが、米国精神医学専門誌にこのような発表をおこないました。(報道は10月2日の共同通信)

 研究チームは、平均年齢75歳の健康な997人を12年間にわたり追跡調査をおこない、176人がアルツハイマー病を発症しました。

 対象者に性格テストをおこない、性格とアルツハイマー病発症との関係が分析されています。その結果、「目標達成に熱心に取り組む」「やることすべてに優秀さを追求する」「時間に間に合うよう、ペース配分をする」、といった「勤勉、実直」を示す項目で高得点を挙げたグループは、得点が低いグループに比べ、89%も発症リスクが低いことがわかりました。

 さらに、驚くべきことに、勤勉な人では、死後に脳を調べると、アルツハイマー病の特徴を示す病巣があったのにもかかわらず、生前に認知症が現れなかったケースもあったようです。

 チームは「勤勉な生活様式によって脳神経が保護されるのかもしれない。発症を遅らせる方法の開発につながる可能性がある」、としています。
 
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 すてらめいとクリニックを受診される患者さんは若い方が多く、「目標達成に熱心に取り組む」「やることすべてに優秀さを追求する」などの性格を持ち合わせている人は、うつ状態や不安症、または機能性胃腸症や頭痛・めまいといった心身症を発症することが多いように思われます。

 このようなタイプの患者さんに対して、「病気になりやすい性格かもしれませんよ(だからもっとリラックスしましょう)」、と言うことがあるのですが、アルツハイマーになりにくい、というのは興味深いといえます。