医療ニュース

2007年10月16日(火) 薬が効かない結核が年間100人に

 薬が効かない「超他剤耐性(XDR)」の結核患者が、2005年に国内で結核を発症した約28,000人のうち約100名もいたことが、財団法人「結核予防会結核研究所」の調査で明らかになりました。(報道は10月14日の朝日新聞)

 XDR結核は、薬が効かないだけでなく極めて致死率の高い結核です。世界的にもXDR結核の蔓延が問題になっており、WHO(世界保健機関)は昨年10月から各国に警戒を呼びかけています。

 通常の結核であれば、3-4種類の薬を半年ほど飲めば大半は治癒します。途中で服薬をやめてしまうと、複数の治療薬が効かなくなる他剤耐性(MDR)結核が発生します。MDR結核になると、他の薬を使うことを余儀なくされ、治癒するまでに数年かかることがあります。
 
 XDR結核は、こういった治療でも治らない結核で「なす術がない」というのが現状です。

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 朝日新聞の記事には記載がありませんでしたが、世界的にはエイズを発症した人の間でXDR結核が広がっていることが問題になっています。